噤めぬ情調 (2016/03/05 - 2016/03/06)

SCENARIO INFO

Writer/蟹(配布元

本作は、「株式会社アークライト」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。
Call of Cthulhu is copyright (C)1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION

PLAYER

KP/みちを
PC1/九条 七瀬(みちを)
PC2/乙部 リネ(ミナカミ)

INDEX

1日目1日目-22日目アフタープレイ

導入

KP(みちを)
物語は、今回のPCとなる乙部リネちゃんと、九条七瀬が2人で一緒にいる所から始まります。事前に相談させていただいていた通り、ふらりと楽器店に立ち寄った九条にリネちゃんがついてきてくれた状況ですね。
KP(みちを)
同じバンドのメンバーである「日々野 夕季」が姿を消してから、もう三週間が経とうとしています。無意識のうちに夕季のいそうな所に立ち寄ってしまう九条と、ついてきたリネちゃん。そんなところから適当に開始していきましょう。
乙部 リネ(ミナカミ)
はーい
KP(みちを)
(しばらくしたら何かしら起きますので、自由に会話して親睦を深めたりつらみを高めたりしましょう)
乙部 リネ(ミナカミ)
(つらみムシさん……!!)
九条 七瀬(みちを)
九条はしばらくきょろきょろしていましたが、夕季らしい姿がないことがわかると、展示されているキーボードを人差し指で叩いてみたりしているよ。
乙部 リネ(ミナカミ)
「おっ。これはなかなかのドラム……」 良さそうなドラムを見つけててくてく近づいて行って、 「なかなかのお値段……!!」 と値札をみていよう。
九条 七瀬(みちを)
「そういうのは、溝呂木さんに頼んだら買って貰えたりしないのかな」 自由なリネちゃんはほほえましい。
乙部 リネ(ミナカミ)
「社長、リネ、新しいドラムがほしいの……」
乙部 リネ(ミナカミ)
「って感じに? 七瀬っちはどしたの、キーボードに転向するの?」
九条 七瀬(みちを)
「はは、リネがやればコロッと買ってくれそうだな。溝呂木さんも大変だ」 リネちゃんのあざといやつに癒やされる…
九条 七瀬(みちを)
「俺はキーボードは弾けないよ。ギターだし……キーボードは、ミヤとか、夕季とか……」
乙部 リネ(ミナカミ)
「そういやゆっきー帰ってこないねえ。どこまで自分探しの旅してんだろ?」
九条 七瀬(みちを)
「……本当、どこ行ったんだろ、夕季……」 改めて名前出すとじわっときつつ。
九条 七瀬(みちを)
「……自分探しの旅、かぁ。それならそうと、俺たちにも一声かけてから行ってくれてもよかったのにな。心配かけてさ、本当゛どこまで、自分探しの旅゛」
乙部 リネ(ミナカミ)
「はいはい泣かない。ナナちゃんの涙腺は本当にダダ漏れだなー」
乙部 リネ(ミナカミ)
「ゆっきー、キーボードが好きで好きでたまらない! って感じでもなかったからねぇ。その辺含めていろいろ探しに行ったんじゃない?」
九条 七瀬(みちを)
「夕゛季゛ぃ゛……」 強がっても自分の心はごまかしきれずに嗚咽しながら。ぐずぐず。 
乙部 リネ(ミナカミ)
「ナナっぺがもうちょっと頼れるリーダーになったらひょっこり戻ってくるってのもアリかもよー」
KP(みちを)
周りの人は大の男が突然泣いたりしてる光景に困惑したりしつつ、傍にリネちゃんがいるので特に介入してくることもないようです。
乙部 リネ(ミナカミ)
泣かせてるわけじゃあないんだ……!! 勝手に泣いてるんだ……!!(全ての責任を投げつける)
九条 七瀬(みちを)
「そう、だよなっ……俺、もっとしっかりしなくちゃだよなっ……リネみたいに考えられるようにならなきゃ……」 元気付けてくれて(解釈)、嬉しいので泣きながら笑ってます。
乙部 リネ(ミナカミ)
「あっしは別になんも考えてないけどねー?」 軽く首を傾げます。 「まあそれより早く泣き止みなよ。周りから見たらリネが泣かせたみたいじゃん」
九条 七瀬(みちを)
「ん、ん」 目ごしごし。
九条 七瀬(みちを)
目を若干赤いままにしながら 「リネの受け答えって、あれだな。言葉はちょっと違うけど、ちょっと光太郎みたいで、なんか安心する感じがするかも」
乙部 リネ(ミナカミ)
「こ、こーちゃんみたい……? それはありがたい……のか……??? 安心するんだからそうなんだろうけど……???」
九条 七瀬(みちを)
「スタンスっていうか、スタイルっていうか……テンションも似てるだろ。だからちっちゃい光太郎…みたいな。眼鏡かけてみる?なんて……まぁ普通に似合いそうだけどリネなら」
乙部 リネ(ミナカミ)
「眼鏡でインテリ路線か。それもまたいいねぇ。かけるなら赤いフレームのおっきめの伊達眼鏡とかかなー」
九条 七瀬(みちを)
「あー似合いそう。何か見に行ってみる?」 なんて笑いつつ 「けど、腹減ったな。先にどっかで食べるか」
乙部 リネ(ミナカミ)
「そだね。ハンバーガーでもファミレスでもどこでもいいよー。この辺何あったっけ」
九条 七瀬(みちを)
「ロッテリアか何かあった気がする。まぁ、ぶらついてれば何でもあるだろうし。行くか」
KP(みちを)
と、流れが昼食に向かったところで。
KP(みちを)
リネちゃんは服のポケットの中からふと、カサリとした薄い何かの感触を覚えます。
乙部 リネ(ミナカミ)
「……?」 ポケットを探ってみます。
KP(みちを)
何かと取り出してみれば、それは一枚の【白い台紙の絵札】でした。
KP(みちを)
それには恋人同士を描いたような絵に「VI THE LOVERS」と書かれています。
乙部 リネ(ミナカミ)
「なにこれ。タロット? ななせんこれポケットに入れたー?」
KP(みちを)
そうですね、これはタロットカード。リアルアイデアなので判定なしで、「恋人」を意味する札だとわかっていますね。
乙部 リネ(ミナカミ)
(あっリアルアイデア案件だったのかこれ)
九条 七瀬(みちを)
「んー?」 先に歩き始めようとしていた九条は振り返りますが、身に覚えはなさそうです。 「ラバーズ。スティーリーダンかな……」とかカードをよく見たりした後、九条は「リネ」と自然かつ無意識に続けて
九条 七瀬(みちを)
「好きだよ」 と言いました。言ってから、九条は「…?」と首を捻りました。
KP(みちを)
※この直後のRPは、リネちゃん側も同様の意の発言になります。リネちゃんなりにどうぞ。
乙部 リネ(ミナカミ)
「リネも七瀬っちのことは好きだよ」 じゃあ、あっさり答えましょうか。
九条 七瀬(みちを)
「何か今おかしかったな。リネは?」
乙部 リネ(ミナカミ)
KP、リネも今の発言は違和感を覚えるものですか?
KP(みちを)
少なくとも、今そんなことを言うつもりはなかったと思います。不自然に感じるんじゃないでしょうか
乙部 リネ(ミナカミ)
ふむ。じゃあ首を傾げます。 「んんー? 何かヘンな感じ。七瀬っちもヘン。メンバー大好きっ子だけど今このタイミングで言う?」
九条 七瀬(みちを)
「嘘じゃないけど、言いたかったことと全然違うのになった、ような……?」
KP(みちを)
と、2人で訝しがっていると。
KP(みちを)
リネちゃんが持っていた絵札が唐突に熱を持ち震えたかと思うと、そこから一匹の虹色の蛇が飛び出します。蛇は銀に輝く紐を2人に括りつけ、瞬く間に『引きずり込んで』しまうでしょう。
KP(みちを)
行く先は、蛇が飛び出してきた絵札の中…
KP(みちを)
※大事なおしらせ※
KP(みちを)
ここから先、RPに関してPCには以下のような制約が課せられます。
<制約内容>
1.この空間では嘘を吐いたり誤魔化しが行えない。
2.何事も思考するだけで止めておけず、全て言葉として口から出てしまう。伝えたくない内容であれば小声になる。聞く側は《聞き耳》が必要になる。
  どうしても口に出したくない・沈黙をしたいと思ったのであれば[POW×5]に成功すれば黙することができる。
乙部 リネ(ミナカミ)
そう来ると思った~~~
KP(みちを)
なお、基本的にこのあたりは茶番用の設定なので、必要に応じてRPしやすいように解釈したり、KPとPLで相談して緩和するなどして扱いやすいようにせよというのが蟹様からのお達しです。

白い部屋

KP(みちを)
ファンタジックな光の中を抜けた2人は、とてもとても白い部屋で目を覚まします。円状の部屋に天井はなく、床と壁面は白く、大理石のように固く冷たい。壁と床が優しい光を放っているので暗くはなく、どことなく幻想的な風景だと感じられるでしょう……と、場所について言った所でRPも再開といきましょう。
乙部 リネ(ミナカミ)
目を覚まして起き上がって、無言で辺りを見渡すかなぁ……。
九条 七瀬(みちを)
九条は意識を取り戻すと、 「なっ、なに!? 何ここ!?」 って非常に驚いて、 「リネ……リネっ!? リネは!? リネ!」 リネちゃんの姿を探して見つけて肩を掴むかな。
乙部 リネ(ミナカミ)
「……過保護」 特に抵抗せず肩を掴まれたままです。
九条 七瀬(みちを)
「リネ大丈夫か!? 怪我してない!? してないな!?」 ひとしきり騒いでから、ひとまずホッとします。
KP(みちを)
見渡したリネちゃんには情報を。
KP(みちを)
空間は基本的にがらんとしていますが、壁際の方には白い台座のようなものがあります。
KP(みちを)
また、2人の足首には淡い光を放つ紐がそれぞれ括られており、紐は壁面へ向かって伸びています。その壁面には、「七色の光彩を放つ大きな虹蛇」が描かれた壁画があります。この存在は、先ほど2人を引きずりこんだのと同じような感じです。壁画の蛇はゆったりと動き、まるで生きているようにすら感じられます。
2人の足首に繋がれた紐はその蛇によって咥えられています。紐は長さがあるので行動を制限される感じはあまりしませんが、虹の蛇は紐を離そうとする様子はなく、悠々と動いたり横たわったりしているでしょう。
乙部 リネ(ミナカミ)
では部屋を一瞥して自分達の状況をある程度把握して。 「……へんなの」 とだけ、呟きます。足首に繋がれた紐をちょいちょいと指で弄ってみたり。
KP(みちを)
光る紐は銀色で、触れると人肌程度に暖かいです。足首に括りつけられているだけでなく、まるで体内へ繋がるように伸びています。
九条 七瀬(みちを)
「な、なんだこれ……」 九条も紐を触ったりかるーく引っ張ってみたりしてます。
乙部 リネ(ミナカミ)
体内へ繋がるようにってことは、足首に括られていてなおかつ紐の先端? が点滴っぽい感じにこう、足首に繋がってる感じなんです?
KP(みちを)
そんな感じですね。
乙部 リネ(ミナカミ)
了解ですー。紐はこれ以上観察しても分かることはなさそう?
KP(みちを)
見てる分にはそうですね。特にわかることはありません。
乙部 リネ(ミナカミ)
「…………」 紐をじっと見たり、耳元にあててみたり、匂いを嗅いでみたりしていますが、九条君と話そう、ここから立ち上がろうって感じではないかなぁ……。
KP(みちを)
紐は無味無臭かな…耳に当てると鼓動が聞こえたりするかもしれない。
乙部 リネ(ミナカミ)
ほうほう。 「鼓動」
九条 七瀬(みちを)
「リネ? 何かわかるのか?」 真似して鼓動を聞いてみたりしつつ。
乙部 リネ(ミナカミ)
「音がする。それだけ」
九条 七瀬(みちを)
「た、確かに。何だろ、点滴? 外れないけど、大丈夫なのかなこれ」
九条 七瀬(みちを)
「っていうかリネ、どうかした? さっきから……どっか痛い?」
乙部 リネ(ミナカミ)
「痛くはないよ」
+  一方雑談窓では
KP(みちを)
なんかリネちゃん怖いんだけど…何事なんだ…
乙部 リネ(ミナカミ)
嘘つけないんだもん……><
KP(みちを)
普段のあれがってことかーーー!!!虚無じゃないですかーーー!!!
乙部 リネ(ミナカミ)
ハハハ
KP(みちを)
闇ナカミ・サン……さすが……
KP(みちを)
噤情とはいえここまで変貌する人も珍しいな……!!! 九条はいかに普段から思ったことそのまま口に出して喋ってることか
KP(みちを)
たまらなさ
KP(みちを)
いたたまれなくもなる……
乙部 リネ(ミナカミ)
だからリネだと予想つかないんだよ!!笑
乙部 リネ(ミナカミ)
紐をちょっと強めに引っ張ってみます。
KP(みちを)
ギミック的には、引っ張ると、胸を強く打ち付けられたような苦しさを覚えるのだけれど……今のリネちゃんには効くのか……!?
乙部 リネ(ミナカミ)
「嘘も吐き続けたら本当になればいいのにね」
乙部 リネ(ミナカミ)
効くよ!!笑 「……引っ張ったら、胸、ちょっと苦しい」
九条 七瀬(みちを)
「 嘘を吐き続けたら……??って、え、どういう……」 」 困惑しつつ…… 「リ、リネ!むやみに触るのはよそう。変なとこに繋げられたのかも……」 
乙部 リネ(ミナカミ)
「ここ、変だよ。『リネ』ができない。嘘がつけない。リネはまだ、嘘なんだよ」 「……『ほんとう』は何? リネは、ぼくは、あたしは、……」
乙部 リネ(ミナカミ)
暫く黙った後、ぽつりと零します。 「……帰ろう。早く、帰ろう。ここ、嫌だ」
九条 七瀬(みちを)
「嘘がつけない、って……? 嘘も本当もなにも、リネはリネじゃ……」 何もわからない顔。
九条 七瀬(みちを)
「うん、そうだな。早く出よう」 同意はしつつ。
乙部 リネ(ミナカミ)
「それが嘘。『リネ』は嫌なこともつらいことも嬉しいことも全部押し付ける為の嘘なの。……でも、そうなると『ほんとう』が何なのか分からなくなって……」
九条 七瀬(みちを)
「だったら、ここにいるのは……?」
乙部 リネ(ミナカミ)
「…………」 立ち上がって、部屋の探索かなあ。とりあえず紐の大元である虹の蛇のところに向かってみます。
乙部 リネ(ミナカミ)
「……誰なんだろう」
九条 七瀬(みちを)
「どうしちゃったんだよ……リネ」 紐とは別の意味で胸がキュッてなってます。
KP(みちを)
ではでは、虹の蛇の方へ……といっても、情報らしいのはさっきの概観と紐くらいなので情報はさほどないですね。
KP(みちを)
虹の蛇は壁画の中でただ、ゆったりと寛いでいる様子です。2人の方を特に見たりするようなこともなく、紐を咥えたまま放すことはないでしょう。
乙部 リネ(ミナカミ)
そうか……壁の中でうねうねしている蛇を軽くさすっていよう。
KP(みちを)
特に反応もないですね。干渉することもできないようです。
九条 七瀬(みちを)
九条は心配そうにリネちゃん見てるよ。
乙部 リネ(ミナカミ)
「いつもの『リネ』はいない。そう思ってくれたらいいよ。……ここにいるのが誰なのかは、分からないけど」
乙部 リネ(ミナカミ)
何も反応が無いことを確認すると、白い台座の方に向かいます。
九条 七瀬(みちを)
「いつものリネは、いない……?」 理解が追いついていないんだ。 「ごめん、わかんない全然……わからないのは、俺がバカだからなのかな……」
KP(みちを)
会話しながら台座に近づいてよく見てみると。台座というよりはそれはちょうど石棺のようで、上部は蓋になっていると分かります。
また、少し耳を澄ますと聞き耳をするまでもなく、石棺の中から「シクシク……」という泣き声が聞こえます。
乙部 リネ(ミナカミ)
「バカじゃない。でも、いつもの『リネ』が嘘ってこと以外に、どうやって説明したらいいんだろう」
乙部 リネ(ミナカミ)
石棺の泣き声を認めると、軽く蓋をノックしてみます。
KP(みちを)
リネちゃんが石棺をノックすると、石棺の陰から小さな光が飛んできます。
KP(みちを)
光は特に素早く動く様子もなく、ふわふわと滞空しています。どう見ても蛍などのような虫ではありません。小虫のように小さいけれども、蛍よりもハッキリと輝き、羽ばたくことなく宙を舞う様はさながら妖精そのものです。
KP(みちを)
2人の前で光の妖精は滑らかに宙を動き、光の軌跡を描いていきます。
軌跡の線は何らかの記号に見えますが、地上のどこにもないものです。が、不可思議なことに2人はその意味を理解することができます。
KP(みちを)
『私は石棺の従者 この空間の案内係です』
乙部 リネ(ミナカミ)
「案内係?」 首かしげ
九条 七瀬(みちを)
「リネ……俺も、何て聞いていいかわからないよ……」 とか言っていたら。  「人魂…!?」
KP(みちを)
『突然のことで申し訳ございません。貴女方をここに呼び寄せたのは、私の主です』
KP(みちを)
『この石棺の中で泣いているのが私の主…‥そしてここは主が創った場所です。主は「真実の感情」について研究をされていますが、成果が得られず嘆いているのです』
KP(みちを)
『例えば研究の一端として、ここでは嘘も吐けなければ、隠し事もできないように出来ています』
乙部 リネ(ミナカミ)
「ああ、やっぱり」
KP(みちを)
『ここでは、様々なものたちの感情の度合いを測り、集計することで実験に必要な情報を集めているのです。つまり感情の強さを測るために、貴女たち2人にも研究に協力していただきたいのです。具体的には、いくつかの試練を受けてもらうことになります。時に苦痛が発生する可能性はありますが、命の危険はありません』
乙部 リネ(ミナカミ)
「それが終わったら、帰れる?」
KP(みちを)
『元の場所に戻れることは保証いたします』
九条 七瀬(みちを)
「ああ、帰れるんだ。でも困るなぁ、突然そういうの……」
乙部 リネ(ミナカミ)
「帰れるんならいいよ。協力する。……あんまりいいサンプルには、ならないだろうけど」
九条 七瀬(みちを)
「……わかったよ。けど、本当にちゃんと帰してくれよ。絶対」
KP(みちを)
『ありがとうございます』
KP(みちを)
『試練の内容について、ご説明いたします。試練は全部で3つ……もっとも、私はただの従者で案内係に過ぎません。それぞれの審判者がつかさどる試練の内容につきましては、詳しくは存じ上げてはおりません。なので可能な範囲でお話します』
KP(みちを)
『審判者たちの名前は、それぞれ「ヘイムダル」「トール」そして「ロキ」……
向かう順番は自由ですが、審判者の人格からの推測といたしまして……「ヘイムダルの部屋」であれば、さほど難しくないかもしれません。
「トールの部屋」は乱暴者に向いているかもしれません。
「ロキの部屋」は何をするのかが一番わかりません。彼は食わせ物ですから……』
KP(みちを)
『それぞれの試練は一度のみ挑むことができます。挑戦を諦めたり失敗すると、審判者からは何も与えられません。
逆に審判者により試練の結果が評価に値すると認められれば【証の宝石】が与えられます。
【証の宝石】を主へ渡せば、きっと満足して帰してくれるでしょう。宝石は数は多いほど好ましく、場合によっては貴方がたへ報酬を与えてくれるでしょう。
逆に数が少ないと、帰り際に少しばかり意地悪をされるかもしれません』
乙部 リネ(ミナカミ)
「なんかゲームみたいだ」 ふむふむ
九条 七瀬(みちを)
「北欧神話なのかな……いじわるって、具体的には」
KP(みちを)
『主は浮き沈みの激しい方ですので、結果に気に入らないことがあると帰りにお戯れをなされることもございます……悪戯の内容につきましては、私でも読むことができません』
乙部 リネ(ミナカミ)
「そっか。まあ、別にいいよ」
九条 七瀬(みちを)
「な、投げやりでいいのそこ……」
乙部 リネ(ミナカミ)
「うん、別にどうなってもいいから」
九条 七瀬(みちを)
「どうなってもいいって……良くないだろそれは! リネは大事だよ!」
乙部 リネ(ミナカミ)
「…………? なんで? バンドメンバーだから? でも、ほんもののドラマーは戻ってきたでしょ? 大事にする必要って、あるの?」
九条 七瀬(みちを)
「あるよ! リネも亜夜も必要だよ! ツインドラムでやればいいって、言ってくれただろリネが!」 ここで一呼吸置いて。 
九条 七瀬(みちを)
「仮に、あの時言ったことが嘘だったとしても、俺はそれで気がついたんだから! SEVENはツインドラムでやればいいって! リネだって代理がどうとかじゃなくて、仲間なんだよ! 仲間と一緒に、音楽、やりたいから……!!」
乙部 リネ(ミナカミ)
「……ひとつ、聞いていい?」
乙部 リネ(ミナカミ)
「仲間って、なに?」
九条 七瀬(みちを)
「仲間ってそりゃ……一緒に音楽やって、ずっと付き合っていける親友……」
乙部 リネ(ミナカミ)
「一緒に音楽やるなら、音楽が好きな子の方がいいよね」
九条 七瀬(みちを)
「音楽……好きじゃないってこと?」
乙部 リネ(ミナカミ)
「一番ゲームに近い感覚で出来て、お金が稼げるから。だからお助けドラマーやってるの」
九条 七瀬(みちを)
「そう…………なんだ…………」 ショックだなぁ……これはショックだろうなぁ……
九条 七瀬(みちを)
「そんなこともわかんなかったなんて俺……なんか……まるで成長してないんだな……」
九条 七瀬(みちを)
「でも、それとリネを大事にしないっていうのとはやっぱ、違うんだよ。俺はリネは傷ついたりするのは嫌だし、大事なことに変わりはないよ……」
乙部 リネ(ミナカミ)
「だから、仲間と一緒に音楽やりたいなら、ふさわしくないんだよ」
乙部 リネ(ミナカミ)
後半の言葉には、 「感情移入しやすいもんね」 とだけ返します。
九条 七瀬(みちを)
核心を突かれてるなぁ。 「だって……俺は……」 この空間ですら言葉にならない気持ちを詰まらせるかな。
KP(みちを)
2人のやりとりを見守っていた従者は、 『結果如何に関わらず帰れるとは申し上げましたが、足の紐だけにはお気をつけください。それは命綱ですので。現世とこの場所を繋いでいます。くれぐれも無理矢理引き千切ったりしないようお願いいたします……』 と忠告をして。
KP(みちを)
その後、激しい水音と一緒に壁の数カ所で光の滝が流れ始めます。
妖精は各場所に光の文字で名前を描いてくれました。それぞれ「ヘイムダル」「トール」「ロキ」と記された光の軌跡の記号文字です。
この光の滝が、試練の部屋への入り口となるようです。一通り終えると、従者は石棺の傍らに降り、待機姿勢になりました。
乙部 リネ(ミナカミ)
「行こ」 光の滝を一瞥して。 「まずは簡単なヘイムダルってとこからにしない?」
九条 七瀬(みちを)
「あ、うん‥…そうするか……」 気持ちの整理はつかぬまま。行けばついていきますよ。
乙部 リネ(ミナカミ)
ではではヘイムダルの部屋に向かいます。
KP(みちを)
了解です。2人は『ヘイムダル』の光記号で示された光の滝を潜りました。

ヘイムダルの部屋

KP(みちを)
特に冷たさや熱さのような感覚もなく、気付くと2人の前には新たな部屋が広がっているでしょう。
部屋は先ほどと似たような感じで、中央に白い樹木に白い葉を茂らせた木が生えています。
乙部 リネ(ミナカミ)
「白い葉っぱ。へんなの」 木に近付きましょう。てこてこと。
KP(みちを)
樹木を近づいたなら、枝に白い小鳥が止まっているのがわかります。
乙部 リネ(ミナカミ)
「鳥だ」 白い小鳥をじっと見上げます。
九条 七瀬(みちを)
「鳥……」
KP(みちを)
小鳥は『私はヘイムダル 君たちが挑戦者か?』と話しかけてきます。
乙部 リネ(ミナカミ)
「うん」
KP(みちを)
『では早速試練を開始しよう』 と小鳥はサクサク返してきます。
KP(みちを)
『試練と言っても、簡単なものだ。私が出す至って単純な問いに答えるだけでいい。質問は五つ……だが、ここでは真のことしか言えないのは知っているだろう。
よって必ずしも断言せずとも良い。何せ断言できるかは君らの心次第なのだから。分からなければ、分からないと答えれば良い。
答えさえすれば、私の試練を達成した証は必ず与えよう。それが石棺の主の意志でもある。』
KP(みちを)
と、ヘイムダルは時折羽づくろい等をしながら、このように試練を説明しました。
乙部 リネ(ミナカミ)
「なるほど」 ふむふむと話を聞いています。
九条 七瀬(みちを)
「アンケートか……どんなの?」
KP(みちを)
『では、質問を教えよう』
<五つの問>
問1 - 相手の嫌いなところを述べよ。5項目程度で充分。
問2 - 相手の好きなところを述べよ。5項目程度で充分。
問3 - 相手を愛せるか述べよ
問4 - 相手を殺せるか述べよ
問5 - 共にいてどう思っているか述べよ
KP(みちを)
『以上だ』
KP(みちを)
ヘイムダルは枝の上で黙り、普通の小鳥のような動きをしながら回答を待ち受けています。
乙部 リネ(ミナカミ)
「これって一問目を二人が答えて、続いて二問目……って流れ?」 ヘイムダルさんに訊ねましょうか。
KP(みちを)
答え方に制約はないけど、PL的にはどっちがいい?
乙部 リネ(ミナカミ)
どっちでもいいですよー
KP(みちを)
じゃあこれまでの例に則って。一人が全部答えてからもう一人にいきますか。
乙部 リネ(ミナカミ)
はいよー
KP(みちを)
『一人ずつ5つの答えを聞こう』 ピヨピヨ
乙部 リネ(ミナカミ)
じゃあ、まずは九条君の方を見ます。 「答えられる? まだなら先に言うけど」
九条 七瀬(みちを)
「リネいける? なら……聞くよ」
乙部 リネ(ミナカミ)
「うん」
乙部 リネ(ミナカミ)
「問一。すぐ泣く。すぐ感情移入する。過保護。もやし。ただの代理ドラマーをメンバーに入れる。……すごく嫌いって訳じゃないけど、たまに引っかかるところ」
乙部 リネ(ミナカミ)
「問二。……一問目で引っかかるって言ったけど、そのうちのいくつかは良いところでもあると思う」 と前置きして、
乙部 リネ(ミナカミ)
「感情豊か。誰にでも気持ちを寄り添わせる。人をすごく気遣う。情熱家。意外と物知り」
乙部 リネ(ミナカミ)
「問三。セックスっていう意味なら別に大丈夫。どっかのドラマみたいに心ときめくロマンチックななんとやらっていう意味なら、そもそもそれがどういうことなのか分からない。だから出来ないと思う」
乙部 リネ(ミナカミ)
「問四。必要であれば。でも、『必要』になる事態が思いつかない」
乙部 リネ(ミナカミ)
「問五。純粋な良い人。でも危ういところもあるように思える。気を付けないとその辺の悪い人に騙されそう」
乙部 リネ(ミナカミ)
……と、立て板に水を流すようにさくさく答えて行きます。
KP(みちを)
『よろしい』 ヘイムダルは頷きます。
九条 七瀬(みちを)
「……自分でも大体そう思うよ。人への気遣いは、やろうとはするけど、できてないってことが多いけど」 答えをおおむね聞いて。
九条 七瀬(みちを)
「リネの嫌いなところっていうのは……無いよ。何かもやっとする時っていうのは、俺の頑張りが足りないだけだ。気遣いなんかできてないし、人の気持ちも、全然わかってないことばっかりだよ」
九条 七瀬(みちを)
「普段のリネのこと、どう捉えていいのかまだわからないけどさ。普段のあれも、俺は好きだよ。嘘でもなんでも。さっき夕季のことで俺が……ああなってた時、気にしない風に言ってくれたの。何も考えてないって言うけど、俺は嬉しかった」
九条 七瀬(みちを)
「ゲームのこととか、話が噛みあうところだって。一緒にゲームするの、楽しいよ。音楽も好きだけど、そういう何でもない時間が好きでさ……」
九条 七瀬(みちを)
「それからやっぱり……ドラムだよな。小柄だけどパワフルで、粘り強い音を持ってる。亜夜とは違う意味で、自由で、捉えどころがない。水みたいに流れてく、魅力的なドラムなんだ」
九条 七瀬(みちを)
「リネのドラムでどんな曲にしようか、どんな雰囲気になるか、どんな風に表現できるかって考える時、最高に楽しい。みんなでどんな曲ができるかって、みんなの個性で、俺たちの音楽が広がってくって、実感しててさ」
九条 七瀬(みちを)
「あと、ドラムを叩いている時の表情とか、手つきとか、そういうの好きでさ。普段リネはフワッとしてて何考えてるかわからないけど。ドラムを叩く時、奏でる時……そういう時の表情。そんなに変わらないけど、好きなんだ。一緒に演奏して、一体感が出るやつ……」
KP(みちを)
「あと……代理がどうとかじゃなくて、SEVENに来てくれたこと……いてくれることが嬉しいんだ。俺たちのこと、バンドのこと、どう思ってるかわからないけど。一緒にやれて、楽しいんだ」
乙部 リネ(ミナカミ)
「ただ譜面に合わせて叩いてフルコン狙ってただけなのに、そう聞こえるんだね。演奏してる時は、本気でゲームやってるってくらいのノリだったんだけど……」 ちょっと困惑してそう。
九条 七瀬(みちを)
「ドラムを叩いてお金を稼ぐゲームでいいんだよ。俺はリネと一緒に音楽がやりたくて……ふさわしいとか、ふさわしくないとか、そんなんじゃなくてさ……愛せるかどうか、とかわかんないけど、でも、やっぱり、リネのこと俺は仲間だと思ってるし、大好きだよ」
九条 七瀬(みちを)
「今は嘘だっていい。リネ自身が嫌じゃないと思ってくれるなら、一緒にいて欲しいんだよ……」
九条 七瀬(みちを)
殺せるかどうかとか言わずもがな無理な雰囲気だし、一緒にいてどうかっていう答えも含んでる感じになったので九条の方は以上ですね
乙部 リネ(ミナカミ)
「SEVENは好きとか嫌いとかじゃなくて、生活費を稼ぐための場所。でも一人がそんな考えでやってると、いずれ音楽性にズレが出る。今は良いかもしれないけど、将来的には邪魔になる」
乙部 リネ(ミナカミ)
「情に流されてばっかりだと、いずれ駄目になっちゃうよ」 とだけ、答えましょうか。
九条 七瀬(みちを)
「……そうかもな。正解だろうな。よくわかるよ、そういうの」
九条 七瀬(みちを)
「でも、いなくなって欲しくないんだ」
KP(みちを)
ヘイムダルは2人を見守りながら、 『質問はこれで終わりだ。協力に感謝する。【尊敬の宝石】を受け取るが良い』 と。
KP(みちを)
それと共に白い木から、まるで果実のように【尊敬の宝石】が実り、落ちます。水晶のように透き通った美しい宝石で、内部に印のようなものが刻まれているものです。
役目を終えたヘイムダルは木から飛び去って、部屋上面の天井のない所からいずこかへと消えていきました。
乙部 リネ(ミナカミ)
「いなくなるわけじゃない。代理ドラマーだから、人手が足りなくなったらやるし」 言いつつ、【尊敬の宝石】を拾います。 「一つ目終わり」
KP(みちを)
おめでとう。来た所から戻れます。
九条 七瀬(みちを)
「仲間で……いたい」 つらみを抱えつつ。
乙部 リネ(ミナカミ)
「仲間って、みんな一緒にバンドしなきゃ駄目なの?」 とりあえず戻りましょうか。
九条 七瀬(みちを)
「それが夢……なんだ」 
乙部 リネ(ミナカミ)
「バンドメンバー以外に仲間はいないの?」
九条 七瀬(みちを)
「……一緒にやってくれるから、特別で、仲間で……」 呟くように。
KP(みちを)
では2人は、中央の部屋に戻ってきました。
乙部 リネ(ミナカミ)
「次の部屋か。どっちがいいとかある?」 九条君のことはあまり気にしてない様子で残った部屋を眺めています。
KP(みちを)
残るは2つ。『トール』そして『ロキ』の部屋ですね。
乙部 リネ(ミナカミ)
「どっちでもいいなら『トール』からいくけど」
九条 七瀬(みちを)
「……リネについていくよ」
乙部 リネ(ミナカミ)
では『トール』の部屋に向かいます。
KP(みちを)
はいはいな。