レイクキーパー
このシナリオは「クトゥルフ神話TRPG(第6版)」に対応したシナリオです。
推奨人数 | 2~4人 |
---|---|
推奨技能 | 目星、戦闘技能 |
準推奨技能 | 応急手当or医学、聞き耳、薬学 |
戦闘有無 | あり |
所要時間 | 約10時間(オンラインによるテキストセッション) |
複数回使用する機会がある、または生還やある程度の情報取得に必要な技能を「推奨技能」、1回は使用する機会がある、またはさらなる情報を得るために必要な技能を「準推奨技能」と区分しています。
なお、所用時間はテストプレイを行った際にかかった時間です。
KPもPLも茶番好きかつ慎重なプレイスタイルのため、進行の仕方によっては所用時間が前後します。あくまで目安程度でどうぞ。
記法
シナリオの見方をご確認ください。
Copyright
本作は、「株式会社アークライト」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。
Call of Cthulhu is copyright (C)1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION
01.あらすじ
探索者はとある湖を訪ねていた。
趣味、旅行、暇潰し、調査活動、仕事……その理由は様々だろう。
思い思いの理由で湖を散策した探索者は、湖の片隅、立ち入り禁止の看板の向こう側に古い木造家屋を見る。
何かに導かれるようにその家屋に近づいた探索者は、頭部に強い衝撃を受け……そして意識を失った。
ふと目が覚めた時、探索者は見知らぬ書斎の中におり、その首には金属製の首輪が付けられていた。
02.索引
概要
01.あらすじ
02.索引
03.背景
04.地下書斎
05.大広間
06.湖畔
07.エンディング
08.報酬
09.利用規約・更新履歴
03.背景
シナリオ概要
前半は書斎を探索して武器を探し、後半は数体の神話生物と戦闘を行う。
多少の背景情報や探索要素はあるものの、基本的に戦闘がメインのシナリオと見なして良い。
死体描写、殺傷、恐怖、対戦格闘・ケンカ描写、NPCの死、デストラップ、従者化
このシナリオには上記の要素が含まれているが、事前にPLに知らせるかどうかはKPの任意。
要素としての度合いが薄いもの、行動によっては発生しないものも存在するため、PLから相談があった場合はシナリオ本文を見て適宜対応すること。
また、これはシナリオ作者の主観で要素をリストアップしたものだ。ここにはないがPLに知らせたい要素があれば自由に付け加えて良い。
背景情報
探索者達が訊ねた湖はグラーキが棲む湖と「門」で繋がっている、グラーキの従者達の拠点の一つだった。
だが、湖の近くには食屍鬼が潜む洞窟が存在し、従者と食屍鬼の間で縄張り争いがしばしば起きていた。
従者は食屍鬼と戦うために武器類を集め、それを保管するための小屋を建て、小屋には守り人をつけていた。
今から半年ほど前、食屍鬼との争いの中で守り人が死亡し、従者は新たな守り人を探し始めた。
そんな時、偶然にも佐倉 秋人(さくら あきひと)という男が誤って湖に落ち、門を通じてグラーキと相対して従者と化す。
「緑の崩壊(長い年月を過ごした従者が陥る、日光を浴びると体が崩れる現象)」の心配もせずに済むという事で、佐倉が新たな守り人として任命された。
佐倉は使命に従って武器の手入れを行い、新たな武器の開発を試み、小屋と湖を守っていた。
そんな折、佐倉は小屋に近づいた探索者を背後から殴って気絶させ、小屋の中、地下書斎へと運び込んだ。
小屋や武器の存在が外部に漏れるとまずい。夜を待って探索者をグラーキの元へ連れて行き、自分と同じ従者にしようと企んでいた……が、その前に食屍鬼達が小屋に乗り込んできてしまう。
3体の食屍鬼相手ではさすがに分が悪く、佐倉は探索者を寝かせていた地下書斎に逃げ込んだ。
守り人としての務めを果たすには、3体の食屍鬼を殺し、探索者達の口を封じる必要があった。
暫く考えた佐倉は「食屍鬼と探索者達を殺し合わせ、生き残った方は自分の手でとどめを刺す」と結論付けた。
逃走を防止するために首輪をつけ、佐倉は探索者達の目覚めを待つのだった……。
NPC:佐倉 秋人(さくら あきひと)
工学部機械工学科の大学生。
少し気が弱いが正義感が強く、困っている人を見ると放っておけない性分。
やや思い込みが激しく突っ走りがちな所はあるが、基本的に善人だった。
だがある日湖に釣りに行った際、ボートが転覆して溺れてしまう。
湖の底で門を通じてグラーキと相対し、死にたくないという思いからグラーキの針を受け入れ、従者と化してしまう。
現在の彼にとっては「グラーキの為に働くこと」「グラーキの糧となること」が正義であり幸福。
善の価値観が完全にすり替わり、精神も崩壊寸前の為、彼に対してはどんな説得も無意味。
従者化した経緯から、生存欲が異常に強い。死を極端に恐れる。
補足:首輪について
佐倉が製作した罠の一種。
装着すると起動し、小屋から離れようとすると警告音を発した後に爆発する。
無理矢理外そうとしても爆発し、専用の鍵で外すしか解除する方法はない。
元々は食屍鬼の首にはめ、巣に帰ったところで仲間を巻き込んで爆発するのを狙ったものだが、精度が悪く小屋から少しでも離れると爆発してしまう代物になった。
とはいえ装着させれば逃げられても確実に仕留められるため、それなりに重宝している。
04.地下書斎
……まず探索者達が最初に感じたのは堅い床の感触だ。
目を開けてみると自身が木の床の上に寝かされ、見知らぬ書斎の中にいる事に気付くだろう。
辺りを軽く見渡すと同じように寝かされている他者の姿があった。
探索者達が目覚める場所。木造家屋の一室。
冷蔵庫、机、壁に掛けられた絵画、タンス、本棚などがある。
窓は無く、扉は階段の上にあるハッチ式のもののみ。
探索者達がお互いの姿を認めた時点で互いの首に【金属製の首輪】が付けられている事に気付く。
また、探索者の荷物は辺りにはない。
佐倉もこの部屋におり、部屋を見渡すとすぐに佐倉の姿を発見できる。
「俺も気が付いたらここにいたんだ」「すぐにでも帰りたいけど、上から妙な物音がする」
といった事を探索者に話す。
彼は嘘もついているが「食屍鬼が恐ろしい事」「食屍鬼を倒さねばならないと思っている事」などは真実。
〈心理学〉で佐倉の心中を調べられた場合、そういった真実の部分を告げる、あるいは恐怖心によるノイズを織り交ぜても良い。
佐倉から「妙な物音がする」という話を聞いた後で〈聞き耳〉に成功すると、【ここより1つ上の階で複数の何かが動き回る音】が聞こえる。
調査:首輪
探索者全員の首に嵌められている。薄灰色の金属製。
小さな鍵穴と明滅する緑色のランプがあるが、留め具は無く外す事は出来そうもない。
なお佐倉も無用な疑いを避ける為に首輪は装着している。
〈無理に外そうとする〉
無機質な警告音が鳴る。
警告音を無視して続行すると首輪が爆発し、【20】の固定ダメージを受ける。
調査:机
重厚な造りの書斎机。机の上には何も置かれていない。
〈目星〉
机の引き出しの中には一冊のノートがある。
中身は日記だが、大半のページは破り取られてしまっている。
佐倉に見せるとそれが自分の日記だと認めるが、「何で俺の日記がこんなところに」と戸惑っている。
(※戸惑いは嘘。)
日記の内容
○月×日
今日はバイトが暇だったから常連の魚田さんと話をした。
昨日の○○湖での釣果がすごく良かったらしくて、その時の釣りポイントを教えてもらった。
幸運のおすそわけらしい。
今度の土曜に行こう。
○月△日
魚田さんに教えてもらったポイントで釣りをしたら、すごくよく釣れた!
陸地には古小屋しかない寂れた場所だけど、だからこそ魚が多く集まっているのかもしれない。
もう少し明るくていい雰囲気だったら春川さんを誘えたんだけどなあ。
○月□日(昨日の日付)
明日の予定が空いてしまった。
また○○湖へ釣りに行こう。それが一番落ち着く。
せっかくだから古小屋を探検してもいいかもしれない。
それ以降のページは破り取られている。
(日付は今日と近いが、実際は1年前に起きた事。
○月×日ではなく、セッションを行った日付に近く、曜日の整合性が取れる日を入れても良い。)
調査:冷蔵庫
ホテルにあるような小さな冷蔵庫。
開けると上段に赤い液体が入った薬瓶、下段に白い液体が入った薬瓶がそれぞれ探索者の人数分入っている。
〈目星〉
瓶の底など、分かりづらい場所にラベルが貼られている事に気付く。
赤い薬瓶には「力の薬」、白い薬瓶には「命の薬」とそこには書かれている。
〈赤い薬を飲む〉
一口飲むと【全ての戦闘技能の最低値が50】になり、【1/1D3】の正気度喪失。
それ以上飲もうとすると体が拒否反応を起こし【1D3/1D6】の正気度喪失。
なお〈投擲〉〈電器修理〉〈幸運〉といった戦闘以外に用途のある技能の場合、
戦闘技能として使用する場合のみ最低値が50になる。それ以外の場面では通常の値で振ること。
〈白い薬を飲む〉
一口飲むと見る見るうちに傷が塞がり【耐久値が全回復】し、【1/1D3】の正気度喪失。
耐久が減っていない時に飲むと耐久上限を超えて+1し、【1/1D3】の正気度喪失。
それ以上飲もうとすると拒否反応を起こし【1D3/1D6】の正気度喪失。
なお、耐久上限を超えた分はセッション終了時に元に戻る。
調査:本棚、タンス、壁に掛けられた絵画
〈目星〉に成功すると、探索個所に応じて以下の物品を発見する。
本棚 | 本を模した入れ物の中に「ナイフ等小型の近接武器」を見つける |
---|---|
タンス | 刀剣など「長物の近接武器」を見つける |
絵画 | 回転式の隠し棚になっており、裏側には「銃火器類」が揃っている |
PLは各探索ポイントに応じた任意の武器を見つけることができる。
武器のステータスはルールブックや各種サプリメントを参照。
調査:階段
天井にハッチ式の扉があるのみ。振れる技能は特にない。
扉を開けると【05.大広間】へ移行する。
イベント:不穏な物音
成否にかかわらず、探索ポイントに対して累計5回技能を振った時点で発生する。
探索者全員が〈聞き耳〉を行う。
成功すると【階段上、天井の扉の辺りからカリカリと引っ掻くような物音がする】事に気付く。
イベント:乱入
【イベント:不穏な物音】後、さらに2回技能を振った、もしくはそれに相応する時間が経過した場合、階段上の扉を壊して探索者の人数と同じ数の食屍鬼が地下書斎へ入ってくる。
地下書斎の戦闘では、食屍鬼が攻撃を全て外した場合は食屍鬼の幸運(50)を振り、成功すると上記探索箇所のうち1つを破壊する。
食屍鬼のステータス、行動については【05.大広間】内のものを参照。
05.大広間
天井の扉を押し開けた先は、がらんどうとした広間だった。
所々が変色した板張りの床がみしりと音を立てる。
窓は全て板を打ちつけて塞がれており、外の天気は分からない。
廊下の先には大きな扉があり、わずかに開いた隙間からは夜の空が見えた。
家具の類は見当たらないがらんとした空間。
窓は全て板を打ちつけて塞がれており、2つの小部屋に繋がる扉は閉じている。
廊下の先には大きな扉があり、少しだけ開いていて外の景色が見える。
【04.地下書斎/イベント:乱入】が発生していない場合、大広間に入った時点で「探索者の人数と同じ数の食屍鬼」を目撃し、戦闘に移行する。
戦闘:食屍鬼
ぼろぼろのローブを身に纏ったそれは、一見すると人間に見えるだろう。
しかし、フードの下から覗く顔は犬に似ており、手には鋭く長いかぎ爪が生えていた。
不快感を煽る灰色の表皮をひくつかせながら、探索者達をじっと見据えている。
彼らは互いに早口で何かを話していたが、やがて探索者達に刺すような敵意を向けた。
★正気度喪失【0/1D6】
正気度喪失処理後、戦闘へ移行。
「食屍鬼(グール)」
STR | 16 | CON | 13 | POW | - |
---|---|---|---|---|---|
DEX | 12 | APP | - | SIZ | - |
INT | - | EDU | - | 正気度 | - |
耐久 | 13 | MP | 10 | db | +1D4 |
ステータスは上記のものを使用し、武器や行動は「クトゥルフ神話TRPG(P.180)」に準拠する。
佐倉が生存している場合、食屍鬼は探索者には目もくれず佐倉を襲う。
(※この食屍鬼はグラーキの従者と対立関係にある為、佐倉に対する敵意が非常に強い。)
佐倉の初期耐久は3であり、佐倉の耐久を0にした時点で食屍鬼は探索者達に牙を向ける。
なお、戦闘中あるいは戦闘後に佐倉の治療を試みた場合、彼がもう死んでいる事に気付き【1/1D6】の正気度喪失が発生する。
メインとなる戦闘はこの食屍鬼戦のみ。
予定時間や戦況を見て余裕がありそうな場合、食屍鬼の増援を送っても良い。
その他鎧などの装甲の追加など細かな変更はKP裁量。
戦闘に勝利すると大広間の本格的な調査が可能になる。
戦闘:逃亡について
戦闘中、〈食屍鬼のDEXとの抵抗表ロール〉に成功すると【04.地下書斎】への逃亡が可能。
全員が逃亡し各自1回何かしらの行動をした時点で食屍鬼は探索者に追いつき、地下書斎での戦闘に移行する。(地下書斎特有の仕様については【04.地下書斎/イベント:乱入】参照)
誰かが大広間に残っている場合、食屍鬼は大広間に残っている者を攻撃する。
大広間に残っている者が死亡した場合は、それ以降全員が逃亡した場合と同じ処理を行う。
調査:部屋全体
これといった家具もない、がらんとした空間。
〈目星〉
床板の隙間に落ちていた【小さな鉄の鍵】を見つける。
〈首輪に鉄の鍵を使う〉
首輪が外れる。鍵は全ての首輪で共通。
調査:左右の小部屋
中は瓦礫やがらくたで溢れかえっており、中に入っての探索は不可能。
〈目星〉
手を伸ばせば届く位置に探索者の荷物がある事に気付く。
一つの小部屋に全員分の荷物はない。左右に分散している。
荷物の持ち主である探索者が〈幸運〉に成功すると、荷物は無事な状態で回収できる。
失敗した場合は荷物は食屍鬼によって修復不可能なほどに荒らされてしまっている。
調査:扉
外へと続く扉。鍵はかかっておらず、半開きになっている。
外を覗いてみると夜の湖畔である事が分かる。
〈首輪を付けたまま外へ出る〉
無機質な警告音が鳴る。
警告音を無視して続行すると首輪が爆発し、【20】の固定ダメージを受ける。
なお、戦闘中にこの扉から外に出ようとした場合も同様の処理を行う。
〈首輪を外した状態で外へ出る〉
【06.湖畔】へ移行。
06.湖畔
見覚えのある――何者かによって気を失う直前までいた湖畔が目の前に広がっていた。
辺りはすっかり日が暮れており、最低限の視界を確保するだけの明かりが弱弱しく辺りを照らしている。
人の気配はなく、湖畔は不気味なまでに静まり返っていた。
導入時に探索者が訪ねていた湖。
イベント:佐倉の本性
辺りを確認していると、小屋から佐倉が出てきて探索者達に声をかけてくる。
「ギリギリで死なずに済んだみたいだ」「君達のおかげで助かった、ありがとう」
といった事を言いながら探索者と握手しようとする。
この時〈アイデア〉で「あの怪我で生きているはずがない」と気付く。
あるいは〈目星〉で佐倉が針を隠し持っている事に気付く。
これらの技能を振らせるまでもなく警戒している場合はこの技能ロールは不要。
握手に応えた場合、その探索者は佐倉にグラーキの棘を突き刺され【1D3】の耐久喪失。
その後、握手に応えた場合もそうでない場合も、佐倉は「この小屋の存在を広められたら困る」と探索者に襲い掛かる。
なお、この時点では刺された探索者に特に異常は起こらない。
(佐倉が所持しているのはグラーキの棘。
グラーキの体液は抜けており従者化させる力はないが、棘に傷つけられた相手を「夢引き」の候補とする程度の効力は残っている。)
また、佐倉を小屋に放置せず背負うなどして連れ出していた場合は、佐倉を背負っている探索者が〈DEX*5〉ロールを行い、失敗すればグラーキの棘に刺されて耐久喪失が発生する。
その後、こちらの場合も成否を問わず、佐倉が探索者に襲い掛かる。
戦闘:佐倉(グラーキの従者)
STR | 14 | CON | 20 | POW | - |
---|---|---|---|---|---|
DEX | 3 | APP | - | SIZ | - |
INT | - | EDU | - | 正気度 | - |
耐久 | 17 | MP | 10 | db | +1D4 |
武器 | |||||
組み付き | 50% | 組み付き | |||
刺突 | 50% | 1D4+dbのダメージ&追加効果(詳細は後述) | |||
装甲 | |||||
なし | |||||
呪文 | |||||
なし | |||||
技能 | |||||
回避(6) |
佐倉の初期耐久は3(探索者の武装具合によっては17でも良い)。
一度耐久が0になると下記のイベントが発生し、【1/1D8】の正気度喪失の後に耐久17で復活する。
探索者は「今の一撃で佐倉は完全に死んだ」。その確かな手ごたえを感じていた。
……だが、佐倉はむくりと起き上がる。
肌は人間とは思い難い色に変色し、救いがたい狂気を孕んだ視線が探索者を射抜いた。
佐倉はまだ棘に刺されていない探索者に対し、〈組み付き〉あるいは〈刺突〉を行う。
棘に刺された探索者に対する処理は【イベント:最期の抵抗】及び【07.エンディング/ED2】参照。
イベント:最期の抵抗
復活した佐倉の耐久を再び0にすると発生。
佐倉の動きが鈍り、弱り果てた様子で探索者に向けて手を伸ばす。
佐倉の手を取ると佐倉は強引に探索者を引き寄せ、グラーキの棘を突き刺そうとする。
〈佐倉のSTRとの抵抗表ロール〉に失敗すると棘が刺さり【1D3】の耐久喪失。
以上のイベントを経て1人でも棘が刺さった者がいれば、佐倉は「次はお前だ」と笑いながら死亡する。
誰も棘に刺されていない場合は「死にたくない」とあがきながらも死亡する。
佐倉の死亡を確認すると彼の胸元からノートの切れ端が落ちる。
それを拾い上げ、読むと【07.エンディング/ED1】へ移行する。
なお、刺された探索者がいる場合は【07.エンディング/ED1】の後で【07.エンディング/ED2】を追加する。
07.エンディング
ED1/湖の守り人
○月×日
俺が選ばれたのは偶然だったらしい。
前任者が忌々しい食屍鬼にやられたこと。このままでは小屋の辺り一帯を乗っ取られること。
食屍鬼と戦う守り人には、それなりに腕力がある成人男性が望ましいこと。
守り人がいなくなった次の日に俺が湖で溺れたこと。
もしも守り人が健在なら、俺はあのまま死んでいたのだろう。
今までついてない事の方が多かったけれど、棘のおかげで生きながらえて、あのお方に仕える幸せを知った。
俺の今までの不運は、全てこの幸運の為の下積みだったんだ。
この小屋を、この湖を、食屍鬼どもから守る。
それが俺を死から救ってくださったあのお方への最大限の奉公だ。
小屋にある武器も、俺が大学で学んだ知識も、もしも誰かが迷いこんで来たら、その誰かすらも利用する。
日記をつけるのはもうやめる。
俺のようなちっぽけな個人の行動を記録する時間が勿体ない。
俺はただの、湖の守り人だ。
ED2/夢引き
○○は霧が漂う湖畔に立っていた。辺りは深い森に囲まれており、空気はじっとりと冷えている。
目の前に広がる湖がさざめき、無数の棘を持つ巨大な「何か」が姿を現した。
湖の水でしとどになった棘を月光が照らす。
様々な色を反射するそれは、金属ではあるがそれ以上の事は何も分からない。
幾つもの白い三角形のような足で湖畔に這い上がり、黄金に光る三つの眼差しが○○を捉えた。
★正気度喪失【1D3/1D20】
正気度喪失後、〈幸運〉に成功すれば即座に目が覚めて何事もなく終わるが、失敗すると以下のイベントが続行される。
グラーキは音もなく棘を伸ばし、○○の胸をするりと貫く。
血と生命が流れ落ち、代わりに深淵な知識と力が注がれる。
これは夢だと、○○には分かっていた。
目が覚めればいつもの寝室でいつもの朝を迎えている事だろう。
そう。儀式を受けたのは○○の心だけで、身体は不完全なままなのだ。
目が覚めたらこの湖に向かわなければならない――覚醒しつつある意識の中で、○○は決意した。
(探索者ロスト)
08.報酬
【赤い薬】および【白い薬】の持ち帰りは不可。常温では急速に腐ってしまう等の理由を付けてよい。
シナリオ中で得た武器の持ち帰りは、他のシナリオのバランスを崩す恐れがあるため非推奨。
ただし武器の持ち帰りを禁じるだけの要因がないため、持ち帰りの是非はKPおよびPLの判断になる。
湖畔の小屋からの生還
条件 | ED1到達 |
---|---|
対象 | 全員 |
内容 | 1D10の正気度回復 |
09.利用規約・更新履歴
利用規約
こちらをご確認ください。
参考書籍
サンディ・ピーターセンほか(2004).『クトゥルフ神話TRPG』.株式会社KADOKAWA.
スコット・アニオロフスキーほか(2008).『クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム』.株式会社KADOKAWA.
連絡先
製作 | ミナカミ |
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HP | https://dara.sakura.ne.jp/ |
minakamiryu■infoseek.jp |
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更新履歴
2023/12/28 | 「03.背景」にシナリオに含まれる要素を追加 |
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2023/10/16 | 他シナリオとレイアウト統一 |
2021/10/16 | 著作権表記、参考書籍を記載 |
2020/07/12 | 利用規約を修正 |
2017/12/23 | 報酬の項にアイテムの持ち帰りについて記載 |
2017/08/17 | HTML版に差し替え |
2015/05/03 | 体裁統一、HP移転によりアドレス変更 |
2014/12/23 | 公開 |