探索者格付けチェック(たんさくしゃかくづけちぇっく)
このシナリオは「クトゥルフ神話TRPG(第6版)」に対応したシナリオです。
推奨人数 | 偶数人数(2人、4人、6人程度推奨) |
---|---|
推奨技能 | 探索者として活躍する上で必要な技能 |
準推奨技能 | なし |
戦闘有無 | あり(倒す必要はない) |
所要時間 | 約10時間(オンラインによるテキストセッション) |
複数回使用する機会がある、または生還やある程度の情報取得に必要な技能を「推奨技能」、1回は使用する機会がある、またはさらなる情報を得るために必要な技能を「準推奨技能」と区分しています。
なお、所用時間はテストプレイを行った際にかかった時間です。
KPもPLも茶番好きかつ慎重なプレイスタイルのため、進行の仕方によっては所用時間が前後します。あくまで目安程度でどうぞ。
記法
シナリオの見方をご確認ください。
Copyright
本作は、「株式会社アークライト」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。
Call of Cthulhu is copyright (C)1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION
01.あらすじ
平穏な日常を過ごしていた探索者達は、その日も特筆する事のない時を過ごしていた。
夜更けになると、毒にも薬にもならないバラエティ番組を映していたテレビを消し、
ほどよい静けさと暗闇の中、探索者達は目を閉じる……。
……ふと違和感を感じて目を開けると、そこは寝室とは似ても似つかない空間だった。
洋館風に飾り立てられた広い空間。座り心地の良い高級な椅子。傍に立てられた「一流探索者」の豪奢な看板。
どこかで見た事があるような、そう、これは――と思い出す前に、教壇に立つ男がにこにこと愛想のいい笑顔を浮かべ、言った。
「ようやくお目覚めですね! それでは始めましょう――探索者格付けチェック!」
02.索引
概要
01.あらすじ
02.索引
03.背景
04.概要説明
05.格付けチェック
06.最終問題
07.エンディング
08.報酬
09.利用規約・更新履歴
03.背景
シナリオ概要
とりあえずニャルラトテップのせいにしておけば茶番もできるよね。
茶番、特殊なダイスロール、神話生物のキャラクター崩壊、恥ずかしい格好の強制、異形化
このシナリオには上記の要素が含まれているが、事前にPLに知らせるかどうかはKPの任意。
要素としての度合いが薄いもの、行動によっては発生しないものも存在するため、PLから相談があった場合はシナリオ本文を見て適宜対応すること。
また、これはシナリオ作者の主観で要素をリストアップしたものだ。ここにはないがPLに知らせたい要素があれば自由に付け加えて良い。
背景情報
神格「ニャルラトテップ」が「浮き上がる恐怖」として地球に顕現するには、特別に選ばれ、準備された人間の依代が必要だった。
適当な人間に呼びかければ依代の調達はたやすいが、それでは面白くないと精神世界上に今回の舞台を作り上げた。
「格付けチェック」と称した数々のテストで探索者を少しずつ依代に近づけてゆき、もしも完璧な依代が出来上がればそれを用いる計画であった。
もちろん、他の姿を取れば地球に干渉する事などニャルラトテップにとっては朝飯前である。
それでもこのような舞台を作り、依代が出来上がるかも定かではないカラクリを作り上げたのは、人に狂気を与える事が重要であり面白いと感じる彼(彼女?)の性格ゆえだろう。
注意
このシナリオでは「出目を秘匿した状態でのダイスロール」「各PLへの個別対応」が多く含まれます。
PLがダイスを振る場面は少なく、CoCらしさからは少し離れた流れになります。
というかシナリオ名からしてネタに走ってるので、諸々承知の上で盛り上がれる面子で回すの推奨。
04.概要説明
目覚めた探索者を迎えるのは、ナイアと名乗る黒髪褐色肌の美丈夫。
探索者達に自己紹介を促し、探索者格付けチェックの概要を語り始める。
また〈アイデア〉で「このセットはお正月にやってるあの番組と非常に似ている」と気付いても良い。
NPC:ナイア
黒髪褐色肌の美丈夫。その正体はニャルラトテップ。
慇懃無礼な態度で常に微笑みを浮かべている。
「浮き上がる恐怖」が顕現する為の依代として探索者達を狙っており、口では格付けの成功を祈ると言いつつも、内心では失敗を願っている。
情報:格付け概要
概要説明
・これから出題する6つの問いに、現在隣同士で座っている2人1組で回答してもらう
・各質問毎に2人のうち1人が別室で質問の詳細を聞き、解答する
・連続して質問に答える事は不可。1問目でAが回答すれば2問目はB、3問目はA……と解答権は交互に移る
・質問に正解した場合は一流のまま
・不正解だとそのチームのランクが下がり、質問に応じたペナルティがチームに下される
基本ルールは上記の通りだが、いくつか問題を終えた時点でランクに余裕があれば、次の問題は2ランクダウンにするといった変更を加えても構わない。
ルール説明を終え、探索者から質問が無ければ「格付け」の質問概要を提示する。
情報:質問の概要
1問目 | 目利き |
---|---|
2問目 | 聴力 |
3問目 | 情報収集力 |
4問目 | 器用さ |
5問目 | 腕力 |
6問目 | 機転 |
以上全6問。どの技能を使用するかは公開しない。
(使用する技能は順に〈目星〉〈聞き耳〉〈図書館〉〈DEX*5〉〈STR*5〉〈INT*5〉。
技能に失敗しても深読みに成功すれば正解できるため、目標値が低くてもクリアは可能。)
この説明を終えると、ナイアは代表を連れて質問部屋へと連れて行く。
以降の流れは【05.格付けチェック】を参照。
なお質問の内容は、ニャルラトテップが一つの家庭と一人の女性を壊した時の事を題材にしている。
ある日、とある一家の夫がある女性と不倫関係に陥り、それがきっかけで離婚寸前にまで夫婦関係が破綻した。
ニャルラトテップはそのどこにでもある不幸に目を付け、不倫相手の女に干渉、その精神を徐々に不安定にさせた。
女はいつまでも離婚しようとしない夫に痺れを切らし、妻とその娘に執拗や嫌がらせを続け、ついに逮捕される。
獄中で焦燥感に駆られまともな思考力を失われた頃合いを見計らい、ニャルラトテップは女を導いて脱獄させ、一週間ほど付きまとい「邪魔な母娘を殺せば愛しい男と一緒になれる」と囁き続けた――
明日になると女は母娘を殺害する運命にあるが、娘の安否は今回の格付けを通じて探索者の判断に委ねるつもり。
ニャルラトテップとしてはどちらに転んでも構わない。
備考:ナイアを攻撃した場合
ナイアに対して何らかの危害を加えた場合、ナイアは「血塗られた舌」に変貌する。
洋館の壁が、シャンデリアが吊り下げられた天井が、チョコレートのように溶けて行く。壁の向こう側には深い闇が広がっている。
ナイア……いや、ナイアだったものの体格は大きく歪み、その姿を膨らませて行った。
顔があるべき場所から伸びる真紅の触手が、探索者を嘲笑うように揺れていた。
それが両の腕を軽く動かすと、指先から伸びる鉤爪が擦れてぎいぎいと錆びた金属のような音を立てる。
膨れ上がった巨体を支える三本の脚は、探索者を虫けらのように踏み潰してしまいそうだ。
探索者達の目の前に現れたおぞましき怪物に、ナイアの面影は欠片も残されていない。
……しかし、探索者は理解した。理解してしまった。
これこそが、彼の本性だったのだ。
★正気度喪失【1D10/1D100】
正気度喪失処理後、戦闘に移行。
「血塗られた舌(月に吠えるもの)」
ステータスおよび戦闘時の行動は「マレウス・モンストロルム(P.213)」に準拠する。
探索者を全滅させる、または自身の耐久が0になるまで血塗られた舌は攻撃を加え続ける。
全滅の場合は【07.エンディング/ED2】へ移行する。
万が一血塗られた舌の耐久が0になった場合、血塗られた舌はよりおぞましい姿に変貌し、闇の中へ去っていく。
探索者全員に【1D20/1D100】の正気度喪失が発生し、探索者達は意識を失う。
探索者達はそれぞれの自室で目覚め、現実世界へ生還する。
05.格付けチェック
基本的に1~5問目まで、
代表者を質問部屋へ連れて行く→質問、ダイスロール、回答→正解発表→広間(探索者が最初に目覚めた場所)に移動→代表者を質問部屋へ連れて行く→……
を繰り返す。
備考:ランクについて
「一流探索者」「普通探索者」「二流探索者」「三流探索者」「探索者もどき」「生きる価値なし」の6段階。
最初は全員が「一流探索者」だが、問題に不正解する度に1つずつランクが下がっていく。
また、不正解の場合はそのチームに相応のペナルティが下される。
ペナルティの内容は質問によって異なるが、一律して【1/1D4】の正気度喪失が発生する。
備考:修正量
質問毎に出目を秘匿した状態で1D6を振り、技能ロールにかける修正量を決定する。
1 | +20 |
---|---|
2 | +10 |
3 | 0 |
4 | -10 |
5 | -20 |
6 | -50 |
この修正ダイスを振るかどうか、修正量を公開するかどうかはKP裁量。
公開の程度も「修正量を公開する」「修正がプラスかマイナスかだけ告げる」「何も告げない」と色々なパターンが考えられるが、公開すればするほど正答率は上がりやすい。
「何も告げない」は運の要素が非常に強くなり、推測が困難。
備考:ナイアの態度
探索者のランクに応じてナイアの態度が露骨に変化する。
一流探索者 | ○○様と呼び、非情に丁寧な口調で話す |
---|---|
普通探索者 | ○○さんと呼び、一応敬語で話す |
二流探索者 | 呼び捨て。タメ口で話す |
三流探索者 | 「そこの探索者」呼び。タメ口の中でもかなり雑い |
探索者もどき | 「なんか探してそうな人」扱い。まともに会話を成立させる気が無い |
生きる価値なし | 完全無視。エンディング後に個別イベントが発生しロストする |
備考:格付け中の技能ロール
技能ロールはKPが出目を秘匿した状態で行い、成否に応じた結果をPLに個別で伝える。
クリティカル、ファンブルの場合は「それが正解だと強く確信」する。
また、回答のタイミングは出来る限り揃える事。
(実際の格付けでは他人の回答を見て意見を変えるという事がない為、そういった事態はなるべく避けた方がよい)
回答のタイミングの揃え方としては、
・全員の答えが決まったかを確認し、合図をしてそれぞれ一斉に回答してもらう
・個別で回答を聞き、回答が出揃った時点で公開する
・Aなら1、Bなら2で出目を秘匿した状態でそれぞれダイスを置き、合図をして一斉に公開してもらう
などが挙げられる。
第1問:目利き
問題は「A(古びた女の子の人形)とB(オルゴール)のどちらが価値あるアイテムか?」で、技能ロールは〈目星〉。
正解はAであり、技能成功の場合は「古びた女の子の人形」が、失敗の場合は「オルゴール」が価値があるように思う。
不正解の場合は広間に戻った後でペナルティとして視力が失われる。
そのままでは進行に支障が出るとしてナイアから代替物として「星型のメガネ」が渡される。
それをかけている間は視力が一時的に回復するが、以降〈目星〉ロールは不可能となる。メガネは凄まじくダサい。
なお人形は「娘」が「父親」から貰った大切なもの。
この情報は正解発表の際にナイアが探索者に明かす。
以降の問題においても、こういった背景情報は正解発表を通じて少しずつ明かされていく。
第2問:聴力
問題は「人ごみの中、この女の子は何と言ったか? A(おかあさん、どこ?)B(おとうさん、どこ?)」で、技能ロールは〈聞き耳〉。
正解はBであり、技能成功で「おとうさん、どこ?」と、失敗で「おかあさん、どこ?」と聞こえる。
不正解の場合は聴力が失われる。
また、代替物として「猫耳ヘッドホン」が渡される。
それを付けている間は聴力が一時的に回復するが、以降〈聞き耳〉ロールは不可能となる。猫耳かわいい。
声は「父親」が家庭を疎かにし、「娘」がそれを寂しがっている時のもの。
第3問:情報収集力
問題は「この本棚に価値ある本はあるか? A(ある)B(ない)」で、技能ロールは〈図書館〉。
正解はB(価値のある本はないが、価値のあるメモがある)であり、技能成功で「誰かの浮気を責めるような文章が連なっており、ところどころに涙の痕があるメモ」を見つけ、
失敗で「得体のしれない文字が延々と書き連ねられた本」を見つける。
不正解の場合は文盲となる。
代替物として「星型のメガネ」が渡される。
第1問で不正解になっている場合はメガネがアップグレードされてフレームが七色に光る。おそろしくダサい。
それをかけている間は文盲は解消されるが、以降〈図書館〉ロールは不可能となる。
メモは「母親」が「父親」に宛てて書いたもの。
第4問:器用さ
質問は「この指輪にぴったりはまる宝石はどっち? A(ダイヤモンド)B(ルビー)」で、技能ロールは〈DEX*5〉。
正解はBであり、技能成功で「丁度良いのはルビー」、失敗で「丁度良いのはダイヤモンド」と結論付ける。
不正解の場合は指先と足先が思うように動かなくなり、DEXが3になる。
代替物はなし。ナイアにゴネれば肉球ブーツくらいは貰えるかもしれない(DEX+3)。ふかふか。歩くとぴよぴよ鳴る。
指輪は「父親」が「母親」に贈った結婚指輪。何者かの手で壊されてしまった。
第5問:腕力
出題部屋にはレバーがついた望遠鏡(100円を入れて景色を見るタイプのもの)が人数分設置されている。
問題は「レバーを倒すと指輪が壊された時の光景が見えるが、壊したのは誰? A(父親の浮気相手)B(父親)」で、技能ロールは〈STR*5〉。
正解はAであり、技能成功で「女性が指輪を壊す姿」、失敗で「男性が指輪を壊す姿」を見る。
不正解の場合は腕に力が入らなくなり、STRが3になる。
代替物はなし。ナイアにゴネれば肉球手袋くらいは貰えるかもしれない(STR+3)。あざとい。
ナイアによる背景情報の公開はなし。
5問目が終わり、広間に戻った時点で【06.最終問題】へ移行する。
06.最終問題
最終問題に進む前に、ナイアは
「探索者として最も大事な素養を問うのを忘れていた。だから、最後はそれも合わせて問う」
と告げて「狩り立てる恐怖」を呼び出す。
ナイアがぱちんと指を鳴らすと彼の頭上の空間が大きく歪み、その怪物は姿を現した。
巨大な、黒いクサリヘビのような体がうねる。
歪んだ頭からは鋭い牙が覗き、おぞましく巨大なかぎ爪がぎらぎらと輝いていた。
それは光を通さない黒い翼をはばたかせ、鼓膜をつんざくような鳴き声を上げる……。
★正気度喪失【0/1D10】
「狩り立てる恐怖」
STR | - | CON | - | POW | - |
---|---|---|---|---|---|
DEX | 13 | APP | - | SIZ | - |
INT | - | EDU | - | 正気度 | - |
耐久 | 26 | MP | 21 | db | +3D6 |
ニャルラトテップの従者。
探索者を追い立て、正常な判断力を奪う為に呼び出された。
ステータスは上記のものを使用し、武器や行動は「マレウス・モンストロルム(P.37)」に準拠する。
正気度喪失後、戦闘処理を開始する。
ナイアは1ラウンド目が始まると同時に煙のように消えてしまう。
出口は無く、狩り立てる恐怖から逃れるには質問部屋へ向かうしかない。
もしも探索者が狩り立てる恐怖を倒したならば、その時は探索者達の視界は唐突に暗転する。
そして「第6問の回答拒否」と見なされ全員のランクが1つ下がり、【07.エンディング】へ移行。
このランクダウンについてはペナルティが発生しない。
調査:質問部屋
探索者が質問部屋に入ると、部屋は週刊誌の切り抜きで埋め尽くされている。
さっと目を通すだけで
「浮気相手の女性が夫に痺れを切らし、母娘に対して執拗な嫌がらせを続けて先週逮捕されたが、いつの間にか脱獄していた」
と書かれている事は把握できる。
なお、部屋を移った所で狩り立てる恐怖は追いかけてきている。
1ラウンドも経過すれば扉を破って質問部屋へ侵入するだろう。
〈幸運〉
成功すると、その探索者の足元、週刊誌の切れ端の下に隠すように【煙玉】が落ちている事に気付く。
表面には「女の子は A:助かった B:助からなかった」と書かれている。
(運はナイアが考える「探索者として最も大切な素養」。)
〈アイデア〉
「今までの情報から結果を推理する事は出来ない。つまりどちらを選んでも良い、ただ惑わせるためだけの問題なのでは?」と気付く。
(第6問の「機転」はこの〈アイデア〉が該当するが、修正や個別対応などの処理は行わなくてよい。)
行動:第6問回答
【煙玉】を持ったままAまたはBの部屋に入ると、煙玉から白い煙が吹き出し、探索者達の視界を奪う。
【07.エンディング】へ移行。
なお、部屋に入る前に【煙玉】にライターなどで火をつけて使用した場合も【07.エンディング】へ移行するが、「第6問の回答拒否」と見なされ全員のランクが1つ下がる。ペナルティはなし。
07.エンディング
ED1/最終ランクが探索者もどき以上
ふと気が付けば、探索者は各々の自室で立っていた。
辺りを見渡しても他の探索者達の姿はない。
あれは夢だったのだろうか? そう思いながら探索者は自室の扉を開ける。
――誰もいなくなった部屋で、ふっと空間が歪む。
次の瞬間、褐色肌の男が部屋の中央に降り立った。
男は懐から週刊誌を取り出し、部屋の中央に置く。
週刊誌には「母子殺傷事件 娘の生還と父親の自殺 痴情のもつれの末の光と闇」と書かれていた。
(第6問の回答によって見出しが変化する。少女を助ける選択をした場合はこちら。
助けない選択をした場合、見出しが「母子殺害事件 父親自殺 痴情のもつれの末に崩壊した家庭」に変化する。)
「出来の悪い愛憎劇でしたが、試金石くらいにはなりましたね」
男は優雅に微笑み、次の瞬間には消えた。
ED2/最終ランクが生きる価値なし
○○と××(「生きる価値なし」に達した探索者の名前)がふと目を開けると、そこはビルの屋上だった。
どうしてこんなところに? そんな疑問は互いの姿を見て吹き飛んでしまった。
全身が黒紫に変色し、無数の水ぶくれが浮き出ていた。
口からは黄緑色の液体が垂れ、じゅっと音を立ててコンクリートの床を少し溶かす。
「おはよう。生きる価値のない皆さん」
ふと気づけば、間近にナイアの姿があった。
ふと気づけば、○○と××双方の手にナイフが握られていた。
ふと気づけば、身体は勝手に動いていた。
「生きる価値がないなら、依代にしても構わないよねえ?」
包丁が互いの心臓を貫いたのは同時だった。
どす黒い血と共に生命が流れ落ち、空いた部分を埋めるように何かがひたひたと入り込む。
体が音を立てて歪み、見る見るうちに膨れ上がって行き――
――その日。邪神は現代に顕現した。
(探索者ロスト。
これ以降、探索者は「浮き上がる恐怖」として現実世界を恐怖と混沌に陥れるだろう。)
08.報酬
シナリオ中で得た各種アイテムは、エンディングを迎えた時点で探索者の手元から失われる。
格付けからの生還
条件 | ED1到達 |
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対象 | 該当探索者 |
内容 | 1D10の正気度回復 |
一流の証
条件 | 最終ランクが「一流探索者」でED1に到達する |
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対象 | 該当探索者 |
内容 | 該当探索者の部屋には、週刊誌の他に小さな箱が置かれる。 中身はルビーをメインとしたきらびやかなペンダント。 アーティファクトではないが、100万円相当の価値がある。 |
09.利用規約・更新履歴
利用規約
こちらをご確認ください。
参考書籍
サンディ・ピーターセンほか(2004).『クトゥルフ神話TRPG』.株式会社KADOKAWA.
スコット・アニオロフスキーほか(2008).『クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム』.株式会社KADOKAWA.
連絡先
製作 | ミナカミ |
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HP | https://dara.sakura.ne.jp/ |
minakamiryu■infoseek.jp |
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更新履歴
2023/12/28 | 「03.背景」にシナリオに含まれる要素を追加 |
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2023/10/16 | 他シナリオとレイアウト統一 |
2021/10/16 | 著作権表記、参考書籍を記載 |
2020/07/12 | 利用規約を修正 |
2017/12/23 | 報酬の項にアイテムの持ち帰りについて記載 |
2017/08/17 | HTML版に差し替え |
2015/05/03 | 体裁統一、HP移転によりアドレス変更 |
2015/01/25 | 公開 |