シネマの迷優(しねまのめいゆう)
このシナリオは「新クトゥルフ神話TRPG」に対応したシナリオです。
推奨人数 | KPが管理できる人数(KP側から探索者を1名用意しても良い) |
---|---|
推奨技能 | なし(大喜利に似た性質を持つ) |
所要時間 | 約8~10時間(オンラインによるテキストセッション) |
トーン | 己の特技を生かしてゾンビから逃げる新CoC体験用シナリオ |
所用時間はテストプレイを行った際にかかった時間です。
KPもPLも茶番好きかつ慎重なプレイスタイルのため、進行の仕方によっては所用時間が前後します。あくまで目安程度でどうぞ。
記法
シナリオの見方をご確認ください。
Copyright
本作は、「株式会社アークライト」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。
Call of Cthulhu is copyright (C)1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION
01.あらすじ
かつて一部の界隈で話題となったゾンビ映画があった。
映画通の間では様々な議論が行われたが、大ヒットとは程遠く、やがて歴史の闇に埋もれていった。
……ところが、今になってその映画のリメイク版が製作され、全世界での上映が決定する。
それはささやかながら話題となり、あなた達もその噂を耳にする。
早速映画館に足を運び、上映の幕が上がる――かと思いきや。
あなた達はいつの間にか、その映画とそっくり同じ状況下に置かれているのだった。
02.索引
概要
01.あらすじ
02.索引
03.背景
04.導入
05.映画鑑賞~異常の発生
06.ショッピングモール
07.チェイス
08.教会
09.エンディング
10.報酬
11.利用規約・更新履歴
03.背景
シナリオ概要
新クトゥルフ神話TRPGの体験用シナリオ。
探索者達はゾンビ映画の世界に迷い込み、ゾンビの脅威から逃れるべく動くこととなる。
あくまで体験用シナリオであるため、推理や出目に左右される要素は少なく難易度は低め。
戦闘は設定してしないが、参加する探索者の技能値によっては体験の一つとして戦闘を入れても良い。
推奨人数は「KPが管理できる人数(KP側から探索者を1名用意しても良い)」としているが、導入時は全員が「その時その劇場で同じ映画を見ている」ことが条件となる。
その条件さえ満たしていれば良いので、既知関係か初対面か、仲が良いか悪いか等は問わない。
ただしPvPは想定していないため、例え仲が悪いとしても非常時には不本意ながら協力出来る程度の関係性を推奨する。
また、人数が多ければ多いほど所要時間は増大するため注意すること。
死体描写、恐怖
このシナリオには上記の要素が含まれているが、事前にPLに知らせるかどうかはKPの任意。
要素としての度合いが薄いもの、行動によっては発生しないものも存在するため、PLから相談があった場合はシナリオ本文を見て適宜対応すること。
また、これはシナリオ作者の主観で要素をリストアップしたものだ。ここにはないがPLに知らせたい要素があれば自由に付け加えて良い。
背景情報
今から数十年前、「深海より」というタイトルの映画があった。
それは海辺の大型商業施設を舞台にしたゾンビ映画で、恐怖演出や撮影技術は平凡なものだったが、曖昧で解釈の余地があるエンディングは映画通の間で話題となった。
……というのが世間での認識だが、この映画を撮影した監督はクトゥルフの狂信者であり、この映画も信者を増やす一手として製作されたものである。
結果としては、ある程度話題になったが信者が劇的に増えることもなく、成功とは言えないものだった。
しかし、その映画を見てクトゥルフの狂信者となったとある少年が大人となり、自身もまた信者を増やすために映画「深海より」のリメイク版を製作する。
旧作は演出やエンディングの解釈でクトゥルフの存在を示唆する程度のものだったが、リメイク版の制作にあたり彼はより多くの人に確実に信者への道を開く方法として、サブリミナル効果を利用した。
人間が認識できない一瞬の映像の中にクトゥルフに関する様々な意匠や深層意識に働きかける呪文を埋め込み、感応性の高い人物を催眠状態に陥らせて「映画の舞台に入り込む夢」を見せるように映画を作り上げた。
不運にも探索者は彼の定義で言う「感応性の高い人物」であったため、映画を見てすぐに催眠状態に陥ってしまう。
周囲の状況は映画のシナリオ通りに進み、そのままエンディングまで進めば探索者はクトゥルフの存在や偉大さを理解してしまう。
探索者はゾンビ映画の世界を駆け抜けながら、シナリオ通りの結末(=クトゥルフの狂信者となるルート)を回避し、この不条理な映画鑑賞を終わらせなければならない。
04.導入
探索者達が映画館で映画「深海より」を見るシーンから始まる。
映画を見る理由は何でもよい。
探索者が大の映画好きでリメイク前の作品の頃から興味があったのかもしれないし、SNSでの紹介を見て興味を持ったのかもしれないし、何か映画を見ようと足を運んでたまたま目についたのかもしれない。
映画の上映前に〈知識〉を難易度ハードでロールし、結果に応じて映画についての情報を開示する。
〈知識(難易度ハード)〉成功
「深海より」は今から数十年前に製作された同名映画のリメイク作品。
原作は海辺のショッピングモールを舞台にしたゾンビ映画で、低予算で制作されたいわゆるB級映画になる。
曖昧で解釈の余地があり、ただのゾンビ映画とは思えない"何か"を感じさせる作りは映画通の間で話題となった。
リメイク作品の監督は原作の熱狂的なファンで、この作品の素晴らしさを知ってもらうため現代の技術で映画を撮り直し、私財を投じて全世界での上映にこぎつけたらしい。
〈知識(難易度ハード)〉失敗
「深海より」は今から数十年前に製作された同名映画のリメイク作品。
原作はいわゆるB級のゾンビ映画で、一部の映画通の間で話題になったもの。
リメイク作品の監督は原作の大ファンで、好きが高じて映画を撮ったらしい。
情報開示後、上映時間が近づき【05.映画鑑賞~異常の発生】に移行する。
05.映画鑑賞~異常の発生
上映時間になると鑑賞時の注意事項や予告編が流れ、辺りが暗くなるが、映画の本編は一向に始まらない。
他の観客のざわめきも聞こえず、探索者が異変を感じ始めると同時に人間の呻き声が聞こえてくる。
(この時点で探索者達は催眠状態に陥っており、これ以降は夢の中での出来事となる)
周囲の様子を伺うと通路を歩く人影の姿が目に入る。
ずるり、ずるり。
粘性を持った足音と共に、ひどい猫背の人影がゆっくりと通路を歩く。
ずるり、ずるり。
ほんのわずかな光源が血の気のない肌を照らす。
ずるり、ずるり。
どんよりと澱んだ瞳は焦点が定まっておらず、鼻はこそげたかのように低い。
頬や首筋の皮は醜くたるみ、ところどころが浅黒く変色していた。
ずるり、ずるり。
劇場内は暗く、あなた達はその人影の姿を克明に目撃したわけではない。
だが、それでも、それは人間のようで人間でない"なにか"であることははっきりと分かるだろう。
★正気度喪失【0/1D4】
ゾンビは探索者達の存在には気付いておらず、離れた隙に移動すれば見つかることなく上映室から脱出できる。
探索者達が一緒に映画を見に来たわけではないでない場合、このタイミングで合流すると良いだろう。
また、探索者が戦闘技能を持つ場合はゾンビとの戦闘を入れても良い。
ゾンビについて
STR | - | CON | - | SIZ | - |
---|---|---|---|---|---|
DEX | 65 | INT | - | POW | - |
APP | - | EDU | - | 正気度 | - |
耐久力 | 11 | MP | 10 | db | 0 |
シナリオ上ではゾンビと記載し、探索者もそのように認識するが、その正体は「深きものの交雑種」である。
映画の登場人物、ゾンビ役として設定されたものであり、知能は大幅に制限され会話や交渉は不可能。
戦闘やゾンビからの攻撃などの処理が発生した場合、ステータスは上記のものを使用し、武器や行動は「新クトゥルフ神話TRPG ルールブック(P.300)」を参考にすること。
映画館からショッピングモールへ
上映室から出た先、チケット売り場や売店に人の姿はない。
ショーウィンドウは割られ、機械類は壊され、一目で見て荒らされていることが分かる。
売店やパンフレットの文章は全て英語で書かれており、パンフレットの内容は架空の映画のものである。
全体のレイアウトも異なっており、探索者達がいた映画館とは違う場所であることは明らかだろう。
映画館の隅には下に向かうエスカレーターがあるが稼働しておらず、階段代わりにして階下へ向かうことができる。
エスカレーターから階下に向かうと【06.ショッピングモール】に移行する。
06.ショッピングモール
階下に向かうと、そこはショッピングモールに繋がっている。
中心部が吹き抜けになった楕円形のフロアが広がっており、階数を数えるとここは3階だと分かる。
店名や広告、看板の案内は全て英語で書かれており、どの店も荒れ果て、あちこちでゾンビがうろついている様子が目に入る。
明らかに自分達がいた場所ではない、非現実的な状況に直面した探索者達は【0/1D3】の正気度喪失が発生する。
ショッピングモールからの脱出
以降、周囲の調査やショッピングモール内での移動を行うこととなる。
PLはどの技能を使って何をしたいかを宣言し、KPは極力その提案を許可し技能ロールを行わせること。
もしPLが何をしたらいいか分からない場合、後述のショッピングモール探索例を挙げると良いだろう。
ショッピングモールの各階層の店の種類は以下の通り。
厳密にこれに従う必要はないが、情報の出し方や見つかる道具の目安にするとよい。
4階 | 映画館 |
---|---|
3階 | キッズ用品、インテリア、雑貨 |
2階 | レディスファッション、メンズファッション |
1階 | レディスファッション、カフェ |
技能ロールに成功した場合
宣言内容に応じた結果を出す。
・何らかの情報
商品の中身は空だったり書物は白紙だったりとロクな情報を得られない。
せいぜいここがアメリカの海岸線沿いにあることが分かるくらいだろう。
・探索者以外の生存者
探索者が今いる階には誰の姿もない。
厳密に言えばショッピングモールに生存者はいないが、探索結果としては「今いる階」の結果を出す。
・身を守るための武器や防具
ショッピングモールにあって違和感のないものならば、武器・防具を見つけることができる。
・別の階への移動
1回の技能ロールにつき3階⇔2階、2階⇔1階で移動可能。
技能ロールに失敗した場合も移動は可能だが、失敗時の処理が発生する。
・スタッフ用通路など裏口を探す
裏口に繋がる扉は全てハリボテであり、裏口に行くことは出来ないと分かる。
・それ以外の行動
ショッピングモールでのメタ的な目的は「何回か技能ロールを振ってみること」であり、重要な情報は隠されていない。
ゾンビ映画にありそうな情報を出してみても良いし、「目当ての情報はない」ことが分かるとしても良い。
映画の舞台はアメリカであるため、文章情報は全て英語となることだけ注意が必要である。
技能ロールに失敗した場合
その探索者はゾンビに見つかり、攻撃を仕掛けられる。
ゾンビ側の攻撃は「目標値45のレギュラー成功」として扱い、探索者側は「回避」「応戦」のどちらかで対抗ロールを行うこと。
ゾンビ側の攻撃が成功した場合、探索者は【1D3】のダメージを受ける。
その後は戦闘に移行せず、技能ロールなしで逃走できる。
ショッピングモール探索例
・〈目星〉で武器や防具を探す
・フロアの一角にある家電量販店で、無事な電子機器の息吹を〈聞き耳〉で聞き取る
・〈聞き耳〉でゾンビの発する音を逃さず彼らがいない場所を通る
・身を隠せる大きさの段ボールを〈魅惑〉で仲間にして使用する
・〈芸術/製作(絵画)〉でマネキンを生きている人間のように飾り立てて囮にする
ここはB級映画の世界であり、使用する技能のリアリティは重視しなくて良い。
非現実的な提案だろうと、映画的な演出で可能にしてしまうことを推奨する。
ショッピングモールからの脱出
ショッピングモールの出入り口は1階にある。
出入り口の自動ドアは動かないがガラスは割れており、外に出ることができる。
外の様子を伺ってみると、薄暗い空と割れたアスファルトに壊れた自動車が見え、潮の香りと波の音がかすかにするだろう。
PCの誰か1人が外に出ることを宣言した時点で、ゾンビ達が探索者を見つけ追いかけ始める。
その数は多く、ショッピングモール内に身を隠すことは難しく、探索者達は全員がゾンビに追われながら外に出ることとなる。
(フロアをまたいだ分断行動をしていると、1階以外の階層にいる探索者が取り残されかねないため、外に出ようか迷っている時点で全員が合流することを勧めておくと良い)
ゾンビからの逃走はチェイスで処理を行う。【07.チェイス】に移行する。
07.チェイス
このチェイスにおける逃走者は探索者達、追跡者は「ゾンビの大群」となる。
追跡者は名称こそゾンビの大群だが、処理としては1体のキャラクターとして扱う。
チェイスを体験することがこのシナリオの目的の1つであるため、チェイスは必ず確定する。
逃走者は〈CON〉で速度ロールを行ってMOVの値を適宜変更するが、追跡者は速度ロールを行わず、MOVを「逃走者全員のMOVの平均値(端数切り捨て)」に設定する。
これはこのシナリオ特有の処理であり、通常は追跡者も速度ロールを行ってMOVを決定することは説明すること。
また、ショッピングモールのすぐ外には自動車があるかもしれないが、そのどれもが壊れている。
このチェイスにおける逃走手段は走って逃げることのみである。
チェイスの位置関係と流れ
[1]-[2]-[3]-[4]-[5]-[6]-[7]-[8]-[9]-[10]
[1] | 追跡者の初期配置 |
---|---|
[3] | 最もMOVが小さい探索者の初期配置(それ以外の探索者はMOVに応じて配置) |
[6]-[7]間 | ハザード(壊れた自動車が横に連なり道を塞いでいる) |
[9]-[10]間 | バリアー(耐久力5ポイントの高い柵の向こうに教会らしき建物が見える) |
探索者達はショッピングモールの外、街中を駆けてゾンビの大群から逃げることになる。
ゾンビの大群のDEXや技能値はゾンビ(=深きものの交雑種)と同様とする。
このチェイスの終了条件は「探索者全員が10に到達すること」。
6-7間にはハザード、9-10間にはバリアーが設置されており、探索者はこれらを上手く突破する必要がある。
探索者のMOVや技能値、人数によってはバリアーの耐久力を増やしたり、「場所」やハザード、バリアーを増やしてもよい。
また、シナリオ上に設定されたハザードやバリアーを使用せず、ランダムに設定してもよい(ルールブックP.135参照)。
ゾンビの大群は探索者を追いかけ、同じ場所に到達すれば探索者に対して攻撃を行う。
戦闘マヌーバーでの妨害は、チェイスが長引くため推奨しない。
探索者全員が10に到達すると、そこは古めかしい小さな教会だ。
扉には鍵がかかっておらず、素早く入ってしまえばゾンビの大群は探索者達を見失う。
【08.教会】へ移行する。
08.教会
教会の中は長椅子が整然と並び、奥の方には人型の小さな像が載せられた祭壇がある。
ステンドガラス越しに差し込む光以外に光源はなく、教会の中は全体的に薄暗い。
それでも何かが壊されたり荒らされたりしている様子はなく、しんと静まり返っている。
ゾンビの姿はないが、祭壇の前では一人のシスターが静かに祈りを捧げている。
教会内には技能ロールで出る情報はない。
探索者がシスターに近づく、あるいは話しかけることでシスターはこちらの存在に気付く。
シスターの祈り
シスターはここまで逃げてきた探索者をねぎらい、一緒に祈りを捧げることを提案するが、その言語は英語である。
探索者が英語を理解できなければ彼女の言葉は分からないが、その雰囲気や所作から、探索者を歓迎して祈りを提案していることは理解できるだろう。
探索者が祈りを捧げ始めると、シスターもまた祭壇の前にかしずいて祈りを捧げ始める。
なお、シスターもまた映画の登場人物として設定されたものであり、「来訪者をねぎらい、祈りを捧げる」以外の行動を取ることはない。
探索者が何を聞いても祈りを捧げることを提案し続け、英語で話しかけても同じことを話し続けるだろう。
シスターに促されて祈る、あるいはシスターが祈る姿を見ているうちに、探索者の心は不自然なほどに安らいで行く。
探索者の視界は穏やかな気持ちと共に暗く沈み込み、以下の光景を見る。
何の光も通さない、けれども不安はない、夢の世界。
ごぽりと気泡が昇るような音や、かすかな波のうねりの音。
その奥底から聞こえる何かの声。暗闇の中でなお暗い、巨大な"何か"の影。
その影には頭があり、四肢がある。
一見すると人間に近い体型だが……あちこちから触手が生え、歪んだ翼がぼんやりと見える。
"何か"の声は、あなたに呼び掛けている。
それを理解するよりも先に、あなたの意識はそれが「異物」だと判断した。
あなたの意識は「異物」から逃れるように、浮上する。
★正気度喪失【1/1D10】
この正気度喪失で狂気に陥った探索者は、海に対して執着心を抱くようになり、バックストーリーのいずれか1つが海に関連する内容に変更される。
変更例としては下記のようなものが挙げられるが、どのように変更するかはPLと相談して決めること。
バックストーリーの変更例
・「意味のある場所」を海に関連する場所にする
・大切にしている人を定期的に海に連れて行きたいと思う
・秘蔵の品は最後には海に返さなければならないと信じる
偶像の破壊
探索者達が意識を取り戻した時も、シスターは変わらず祈りを捧げ続けている。
探索者達の顔色は悪くなっており、もしゾンビから1ポイント以上のダメージを受けていた場合、その探索者は傷口の周辺が色あせた緑色に染まり、瞳は異様にぎらつくようになっている。
それはまるでゾンビのような風貌であり、そのような状態になった探索者本人は【1/1D4】、それ以外の探索者は【0/1D3】の正気度喪失が発生する。
祭壇の方に目をやると、そこに載せられた人型の小さな像は、先程意識の底で垣間見たものを模していると気づくことができる。
そしてその像はシスターの祈りを受けてまがまがしく輝き、今にもあのおぞましい声が聞こえてきそうな状態になっている。
探索者はシスターの祈りを止める、あるいは偶像を壊すことができる。
シスターの祈りを止める
シスターは一心不乱に祈りを捧げており、その口からは意味は理解できないものの不穏な響きを伴う言葉が絶えず紡がれている。
探索者が声を掛けたり取り押さえたり口を塞いだりしてもその祈りは止むことはない。
祈りを止めるには、シスターを攻撃して耐久力を0にして意識不明あるいは瀕死状態に追い込まなければならない。
シスターのステータスは耐久力10、DEX15、ビルド0とし、回避や受け流しは行わない。
偶像を壊す
偶像は祭壇から簡単に取り外すことができ、その耐久力は5ポイントである。
攻撃を行い耐久力を0にすることで偶像を破壊できる。当然のことであるが、偶像は回避や受け流しを行わない。
シスターの祈りを止める、あるいは偶像を壊すことで、偶像のまがまがしい輝きは消失する。
それと同時に探索者達の視界は歪み、暗くなり、意識を失ってしまい、【09.エンディング】に移行する。
09.エンディング
ED1/シスターの祈りを止める、または偶像を壊す
探索者達は映画館の座席で目を覚ます。
スクリーンには何も映っておらず、周囲の人々は次々と立ち上がり劇場を後にするところだ。
同じように劇場を後にすると、そこは探索者達が来た映画館そのものであり、映画「深海より」の上映が終わったところだと分かるだろう。
後日、映画「深海より」の評判を探せば、映画を見た後に行方不明になる人が多数発生していることや、何らかの事情で映画の公開が早期に打ち切られていることが判明する。
詳しく調べてみてもオカルトめいた噂話ばかりで、真相は何一つ分からないだろう。
「もしあのまま祈りを止めなかったら?」
その時は、探索者達もまた「行方不明になる人」の一員になっていたであろうことは察せられた。
探索者達は不思議な経験と解けることのない謎を得て、日常生活に戻る。
ED2/祈りを止めない、または偶像を壊さない、または探索者が死亡する
探索者達の視界は暗転し、映画館の座席で目を覚ます。
探索者の耳には海の音と偉大なる神の声が絶え間なく響き、劇場を後にして然るべき場所に向かい、その消息を絶つだろう。
該当探索者はクトゥルフの狂信者となり、ロストする。
もしも他の探索者と映画を見に来て、該当探索者だけ死亡していた場合、該当探索者は何事もなかったように目覚めて振舞うが、一人になれば然るべき場所に向かい、行方不明となるだろう。
10.報酬
映画の世界の中で見つけたアイテムは、目覚めた時点で全て失われる。
生還
条件 | ED1到達 |
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対象 | 該当探索者 |
内容 | 1D10の正気度ポイント回復 |
遭遇した超自然の存在
「深きものの交雑種」を記載する。
11.利用規約・更新履歴
利用規約
こちらをご確認ください。
参考書籍
サンディ・ピーターセンほか(2019).『新クトゥルフ神話TRPG ルールブック』.株式会社KADOKAWA.
連絡先
製作 | ミナカミ |
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HP | https://dara.sakura.ne.jp/ |
minakamiryu■infoseek.jp |
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更新履歴
2023/12/28 | 「03.背景」にシナリオに含まれる要素を追加 |
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2023/10/16 | 他シナリオとレイアウト統一 |
2021/10/16 | 著作権表記を記載 |
2020/11/29 | 公開 |