風に揺れる愛

このシナリオは「マルチジャンル・ホラーRPG インセイン」に対応したシナリオです。

タイプ協力型
推奨人数3~4人
リミットPL3名の場合は4、PL4名の場合は3(合計12シーン)
狂気枚数初期狂気を除いた通常【狂気】と本当は怖い現代日本用【狂気】からPC人数×4枚
ワールドセッティング本当は怖い現代日本
適用ルール2巻まで

記法

シナリオの見方をご確認ください。

Copyright

本作は、「河嶋陶一朗/冒険企画局」「新紀元社」が権利を有する『インセイン』の二次創作物です。
(C)河嶋陶一朗/冒険企画局/新紀元社

01.あらすじ

本日のニュースをお伝えいたします。
本日未明、○○県綾藤(あやふじ)市△△町にて若い女性の遺体が発見されました。
遺体は上半身のみポリ袋に入った状態で発見されており、下半身の行方は不明です。
警察は「綾藤市連続猟奇殺人事件」の被害者とみて捜査を進めております。

「綾藤市連続猟奇殺人事件」の被害者はこれで3人目であり、日が沈んでからの不要不急の外出は控えるよう呼びかけられています――

――テレビから流れるニュースを眺めながら、警察官は/住民は/会社員は/旅行者は/犯人は、思案する。

※これ以降はシナリオのネタバレが含まれます。ご注意ください。

02.索引

概要
01.あらすじ
02.索引
03.背景
04.PCハンドアウト
05.ハンドアウト
06.導入シーン
07.マスターシーン
08.クライマックスフェイズ
09.敵データ
10.エピローグ
11.功績点
12.利用規約・更新履歴

03.背景

シナリオ概要

シナリオ構造そのものはシンプル。調査を進めれば自ずと真相が明らかになる。
「PC全員が殺人鬼」であり、そこから生まれる自分の正体隠しや探り合いといったやりとりが肝。

背景情報

綾藤市で発生した連続猟奇殺人事件。それは「市川 蜜」の自殺から始まった。
彼女の自殺はブラック企業での労働に耐えかねてのことで、それ自体にはなんの特異性もない。
しかし、公演で首を吊った彼女の死体を「羽切 秀次」が目撃してしまう。
彼は風に揺れる死体の脚を「美しい」と感じ、死体を持ち帰って下半身を切断。上半身は公園に遺棄した。
それ以来、羽切は気になる女性がいれば殺害し、下半身だけを持ち帰ってきた。

彼自身はそれを「あの死体をきっかけに目覚めた」と解釈しているが、実際は死体を弄ばれた蜜の怨念による影響が非常に大きい。
生前も死後も報われない彼女は、羽切及び幸せそうな女性に対して強い恨みを持つようになった。
「幸せな女とこの男が憎い。この男に出来るだけ多くの女を殺させてから破滅させたい」
羽切にとり憑いた蜜は、そんな思考の元で羽切に女性を殺すように促していった。

こうして連続猟奇殺人事件は発生し、PC達はそれぞれの事情から事件の解決にあたることになる。

04.PCハンドアウト

PL3名の場合、PC1は必須とし、残り2つはPC2~4から自由選択。

PC1

推奨職業警察初期狂気なし
INFO / EVENT

【概要】
あなたは綾藤市に住む警察官だ。
真面目に働くことを良しとし、地域の平和のために日々尽力している。
連続猟奇殺人など、許せるはずもない。
あなたの【使命】は連続猟奇殺人犯を捕らえることだ。

INFO / EVENT

【秘密】
ショック:全員

あなたは実は殺人鬼だ。
出世のために優秀な同僚を事故に見せかけて殺害し、殺人事件を捏造して犯人を検挙し、真実に気付いた者を葬ってきた。
今回の連続猟奇殺人事件はあなたが起こしたものではないが、これを解決すればさらなる出世が見込めるだろう。
あなたの真の【使命】は殺人鬼を捕らえ、己の手柄として報告することだ。

PC2

推奨職業なし初期狂気なし
INFO / EVENT

【概要】
あなたは綾藤市に住む一般人だ。
それなりに充実した日々を送っていたが、なんと連続猟奇殺人事件が起きてしまった。
人々が怯え、物々しい雰囲気が漂う街はなんだか息苦しい。
警察ではないけれど、何か手伝いをした方が良いのではないだろうか。
あなたの【使命】は連続猟奇殺人事件を収束させる手伝いをすることだ。

INFO / EVENT

【秘密】
ショック:全員

あなたは実は殺人鬼だ。
若い女性の手をこよなく愛好し、不定期に遠出をして女性を襲い、手を収集している。
そんなあなたにとって、今回の連続猟奇殺人は非常に都合が悪いものだ。
ターゲットの警戒を招き、場合によっては自分に濡れ衣がかかるかもしれない。
何より折角殺したのに手を放置するなど何事だ! 犯人は何もわかっちゃいない!
あなたの真の【使命】は悪趣味な犯人を殴り飛ばしてこの苛立ちを解消することだ。

PC3

推奨職業ビジネスマン初期狂気なし
INFO / EVENT

【概要】
あなたは綾藤市に住むしがない会社員だ。
長年付き合っていた女性と半年前に結婚し、小さい家を手に入れた。
平穏な生活を送っていたのだが、連続猟奇殺人事件のおかげで心が休まらない日々が続いている。
妻が殺人鬼の手にかかったらと思うと気が気でない。
あなたの【使命】は何の心配もない平穏な生活を取り戻すことだ。

INFO / EVENT

【秘密】
ショック:全員

あなたは実は殺人鬼だ。
ふとした拍子に妻と口論になり、ふと気が付けば妻を殺害していた。
妻の死体はあなたしか知らない場所に隠しているが、遅かれ早かれあなたの罪は露見してしまうだろう。
……ならばその前に、妻の死を他者に押し付けてしまえばいいのではないだろうか?
あなたの真の【使命】は妻は殺人鬼に殺されたことにすることだ。

あなたはプライズ【妻の死体】を所持している。
あなたは調査判定に成功した場合、「PC全員がプライズ【妻の死体】を発見するマスターシーン」を任意で追加することが出来る。
また、【妻の死体】の状態はあなたの都合に合わせてGMに描写を追加させることができる。
(例:マスターシーン内でGMが「【妻の死体】は下半身が無い」と描写する)

妻の死体

INFO / EVENT

【概要】
PC3の妻の死体。
醜く歪んだ死に顔は、彼女が受けた恐怖を連想させる。
このハンドアウトに【秘密】はなく、功績点の対象にもならない。

PC4

推奨職業なし初期狂気なし
INFO / EVENT

【概要】
あなたは仕事で綾藤市に立ち寄った一般人だ。
どうやら綾藤市では連続猟奇殺人事件が発生しており、人々は不安な日々を送っているらしい。
物騒だし不謹慎だが、連続猟奇殺人事件は非常に興味深い。
あなたの【使命】はこの事件の顛末を見届けることだ。

INFO / EVENT

【秘密】
ショック:全員

あなたは実は殺人鬼だ。
依頼を受けて人を殺し、報酬を貰う。そんな生活を続けて何年になるだろう。
着実に実績を重ねてきたが、今回の標的はあなたが狩る前に連続猟奇殺人犯に横取りされてしまった。
標的が偶然一致しただけなのか、あなたが受けた依頼を知ってのことだったのか。
それを明らかにして顧客に説明しなければ、今まで積み上げてきた信頼は崩れ去ってしまうだろう。
あなたの真の【使命】は今回の「事故」が偶然か意図的なものかを明らかにすることだ。

05.ハンドアウト

綾藤市連続猟奇殺人事件

INFO / EVENT

【概要】
数か月前から綾藤市で起きている連続殺人事件。
被害者は現時点で3名であり、いずれも10代から20代の若い女性。
遺体の発見場所に法則性はなく、1件目は公園の生け垣の奥、2件目は歩道橋の上、3件目は路地裏の行き止まりで発見された。
どの遺体も上半身だけが黒いゴミ袋に入っており、下半身は発見されていない。

INFO / EVENT

【秘密】
ショック:なし

拡散情報。
一般に報道されているのは被害者の名前と現場周辺のぼんやりとした映像のみだが、聞き込みや地道な調査で被害者とゆかりのある人物を突き止めることができた。

GMはハンドアウト【市川 喜久子】【山崎 仁】【谷口 美海】を公開すること。

市川 喜久子(いちかわ きくこ)

INFO / EVENT

【概要】
1人目の被害者の母親。
娘とは良好な関係を築いていたが、事件が起こる数か月前から娘とはあまり会話を交わせずにいた。
そのため当日の娘の行動などは掴めておらず、捜査に有用な情報を持っていない。
それを気に病んでいるのか、捜査には非常に積極的に協力をしている。

INFO / EVENT

【秘密】
ショック:なし

拡散情報。
娘の死が発覚した当初は、娘が勤めていた会社「黒葛原商事」を怪しんでいた。
会社とは無関係な2人目、3人目の被害者が出たことで疑うことは止めたが、それでも会社が娘にした仕打ちは相当なもので、娘が追い詰められることがなければこんな事件は起きなかったのではないかと感じている。

GMはハンドアウト【黒葛原商事】を公開すること。

山崎 仁(やまざき じん)

INFO / EVENT

【概要】
2人目の被害者の恋人。
付き合って数か月、愛情表現が豊かな彼女とそれを静かに受け止める彼という関係で落ち着きつつあった。
元々口数が少ない性格であり、恋人の死に関して零す言葉も少ない。

INFO / EVENT

【秘密】
ショック:人の死に関わったことがあるPC

2人目の被害者と付き合っていたのは無理矢理言い寄られたため。
元から愛情は抱いておらず、彼女が死んだことに清々しさすら感じている。

……ただ、葬儀で彼女の死体を見たとき、得も言われぬ魅力を感じてしまった。
死体とはこんなに美しいものなのか。
もっと見たい。もっと間近で、もっと新鮮な死体を……。

いずれ衝動に身を任せるかもしれないし、このままかもしれない。
どちらにせよ、それは今ではなく将来の話。

この【秘密】を知ったPCは《第六感》で恐怖判定を行うこと。

COLUMN

実際のところ、ショックは全員が対象。
「この【秘密】を他のPCに知られると、自分が殺人鬼と疑われるきっかけになる」と危機感を持たせるためにこのような表記をしている。

谷口 美海(たにぐち みみ)

INFO / EVENT

【概要】
3人目の被害者の妹。
姉と共に実家で暮らしており、互いに干渉することは少ないが仲は悪くなかった。
姉の死以降は何か思うところがあるのか、考え事をしている様子がよく見られるようになった。

INFO / EVENT

【秘密】
ショック:なし

拡散情報。
彼女は実は霊感を持っている。
姉の葬儀の際に訪ねた寺は、明らかに異様な雰囲気を纏っていた。
まるで何か良くないものがそこにいたような……。

葬儀自体はつつがなく終わったが、そのことが今も気になっている。

GMはハンドアウト【綾藤寺】を公開すること。

黒葛原商事(つづらはらしょうじ)

INFO / EVENT

【概要】
綾藤市から電車で30分ほど移動した先に存在する総合商社。
国内だけでなく海外との取引も多く、給料は高いがノルマが厳しく激務であることが有名。

INFO / EVENT

【秘密】
ショック:なし

1人目の被害者「市川 蜜」はこの会社に勤めていたが、その成績はあまり優秀ではなかった。
本来の業務に加えてノルマを達成できなかった原因分析など多くの仕事を抱えており、彼女は周囲の目から見ても明らかなほどに疲弊していた。
ほとんど家に帰れない日々が続く中、彼女はふとした瞬間に机上に置いていた造花をよく眺めていたという。

この【秘密】を調査したPCはプライズ【小さな造花】を獲得する。

(※黒葛原商事の秘密は拡散情報ではないが、プライズのハンドアウト自体はPL全員に提示する)

小さな造花

INFO / EVENT

【概要】
プライズ。
卓上に飾ることができる小さな造花。
一部分が不自然に折れ曲がってしまっている。

このプライズの【秘密】を調査できるのは、【黒葛原商事】の【秘密】を獲得しているPCのみとなる。

INFO / EVENT

【秘密】
ショック:情動の分野の特技を修得しているPC

「市川 蜜」の母親が趣味で作った造花。
誕生日でも何でもない日、上手くできたからと渡された。
日々摩耗していく心を繋ぎとめたのは、そんなちっぽけな贈り物だった。

――だからこそ、心無い上司によって造花を叩き落され、花が折れ曲がってしまった時、彼女の心も折れ曲がってしまった。
耐えきれなくなった彼女は自殺を選び、そして、それを実行した。

本来ならそれで終わる話だったはずだが……
なぜか彼女は自殺者ではなく、連続猟奇殺人事件の被害者となっている。

綾藤寺(あやふじでら)

INFO / EVENT

【概要】
綾藤市内に存在する寺院。
連続猟奇殺人事件の被害者達の葬儀を執り行った。

INFO / EVENT

【秘密】
ショック:なし

綾藤寺の住職は葬儀で被害者達の遺体を見てきたが、1人目の被害者のみ首に縄の跡があったことを気にかけている。
もしも彼女が彼女の意図しない形で死を汚されたのならば、その魂は悪い方向に変質し、この世に留まり続けるのではないだろうか。

住職は彼女を正しく送ってやりたいと考えており、「もしも彼女に会うことがあれば」と、あなたに簡単な念仏の唱え方を教えるだろう。

羽切 秀次(はぎり しゅうじ)

INFO / EVENT

【概要】
怪異に追われていた青年。
ごく平凡な会社員。会社を休んだことがないのがささやかな自慢。
運動好きで夜にジョギングをすることが日課。

INFO / EVENT

【秘密】
ショック:全員

ある日の晩、ジョギングをしていた羽切は公園で若い女性の首吊り死体を発見した。
風に揺れる死体の脚を「美しい」と感じた羽切は死体を持ち帰り、下半身を切断。
上半身は公園に遺棄した。

それ以来、ジョギング中に気になる女性がいれば殺害し、下半身だけを持ち帰ってきた。
そこに第三者の意思や法則性はなく、「ただそこにいたから殺した」。それだけである。
……もしも誰かの影響があるとしたら、それは全てのきっかけとなった首吊り死体の意思だろう。

メインフェイズ終了時までにこの【秘密】を誰も獲得しなかった場合、羽切は先手を取ってPC達に不意打ちをしかけるだろう。
PC達は倒れ、この時点でゲームを終了し、プレイヤーは各自でバッドエンド表を振りPCの結末を決定する。

この【秘密】を初めて開示したシーンに限り、GMは1D6を振り、出た目に応じてホラースケープ「街中で遭遇する恐怖」を行うこと。

06.導入シーン

導入:PC1

朝、PC1は他の警察と共に「綾藤市連続猟奇殺人事件」の捜査本部に集まっていた。
捜査方針の打ち合わせをし、PC1は市民からの情報収集を担当することになる。
PC1は殺人鬼を捕らえるため、やる気十分で捜査に乗り出すだろう。

GMはシーン終了時にハンドアウト【綾藤市連続猟奇殺人事件】を開示する。

導入:PC1~PC4

駅前にある踏切は、時間帯によっては絶えず電車が通過する「開かずの踏切」と化してしまう。
PC2~PC4はその開かずの踏切に捕まってしまって立往生を食らっている。
(演出上PC2~PC4は徒歩が望ましい。車での通勤・移動は不可)

そこにPC1が現れ、PC2~PC4に事件についての聞き込みを行う。
事件につながる情報こそ得られないものの、PC1は連絡先をそれぞれに渡し、PC2~PC4は互いの顔を何となく覚えるだろう。

互いに面識を得たからと言って、一緒に行動することは強制しない。
PCの性格やRPによっては個別行動を取る可能性もある。
単独行動を行っているPCが他のPCと一緒のシーンに出る場合、たまたま居合わせたなどでこじつければ良い。
単独行動・集団行動のどちらを取るかはPCの意思に任せる。

07.マスターシーン

マスターシーン:市川蜜の接触

トリガー:誰かがプライズ【小さな造花】を獲得する
(他のマスターシーンと連続する場合、【小さな造花】の【秘密】を獲得した時に行っても良い)

【小さな造花】を獲得したPCのみ登場。
一人で道を歩いていたPCは、何かが背後から追ってくる足音を耳にする。
逃げた場合は足音はいつまでもPCを追い、隠れる・待ち構える場合は足音が次第に大きくなる。
どちらにせよ、ある時点で足音はふいに止み、PCの気が緩んだ瞬間、PCは頭上から何かが触ってくるような感覚を覚える。
上を見ると、PCの頭を覆うように黒く長い髪を垂らした女性がPCの顔をじっと見ている。
女性はPCの顔をじっと見て、指さしてニタリと笑い、PCがまばたきをした瞬間に消え失せる。
PCは《追跡》で恐怖判定を行う。

マスターシーン:第4の被害者

トリガー:PC3がマスターシーンの挿入を要求する

PC全員がPC3の妻の死体を発見する。
《死》で恐怖判定を行うが、妻の死体の状況によっては《切断》など他の特技に変えても良い。
GMはプライズ「妻の死体」の概要を公開する。プライズの持ち主はPC内で話し合って決めること。

マスターシーン:惨劇の町に集う影

トリガー:第2サイクル(PC3人の場合は第3サイクル)が終了する

PC全員が《霊魂》で判定を行い、判定に失敗したPCはこのシーンに強制的に登場する。
判定に成功したPCの登場は任意。
PCが1人でも登場する場合、PCは何かから逃げる男(羽切)と遭遇する。
GMは遭遇表・都市(デッドループP189)を振り、エネミーに応じた指定特技で恐怖判定を行い、戦闘に移行する。

1:できそこない《哀しみ》
2:にらむ人・犬《脅す》
3:信奉者《民俗学》
4:顔を隠した女《恨み》
5:幽霊自動車《破壊》
6:怨霊《霊魂》

PCが誰も登場しない場合、何かから逃げる男(羽切)の姿のみ描写する。

いずれの場合にせよ、マスターシーン終了時に【羽切 秀次】のハンドアウトを公開する。

08.クライマックスフェイズ

誰も羽切の【秘密】を獲得していない場合、PC達は夜道で羽切と蜜に襲われる。
PC全員がバッドエンド表を振り、クライマックスフェイズなしでセッションは終了する。

メインフェイズ内で羽切の【秘密】を獲得している場合、PC達は羽切が新たな獲物のあとをつけているところに遭遇する。
見るからに挙動不審な様子で、PC達が声をかけると、羽切は肉切り包丁を手にPC達に襲い掛かり、その背後には血まみれの服を着た黒く長い髪の女――蜜の姿がある。
PC全員が《霊魂》で恐怖判定を行い、その後「羽切 秀次」「市川 蜜」との戦闘に移行する。
戦闘開始時にGMは以下の儀式の内容を開示する。

INFO / EVENT

儀式名:鎮魂
1:蜜の気を引く。判定は不要だが、これを行ったPCは蜜の次の行動の標的となる。
2:羽切の生命力を6以上減らし、衰弱させることで羽切と蜜の繋がりを弱める。
3:蜜に《哀しみ》で判定を行い、蜜の気を静める。判定を行うPCがプライズ【小さな造花】を所持している場合、判定にプラス1の修正が入る。
4:蜜に《霊魂》で判定を行い、成仏させる。判定を行うPCが綾藤寺の【秘密】を獲得していない場合、判定にマイナス2の修正が入る。

儀式に成功すると蜜は戦闘から脱落し、羽切の生命力は1になり攻撃を行わなくなる。
PCの攻撃で羽切の生命力が0になり、戦闘から脱落した時点で戦闘は終了する。戦果の獲得はなし。

09.敵データ

羽切 秀次

データは「殺人鬼(1巻P243)」に準拠。
PCに女性がいる場合はそちらを優先して攻撃するが、男性のみの場合はランダムに選ぶ。

市川 蜜

データは「怨霊(1巻P245)」に準拠。
1ラウンド目は【取り憑き】を使用し、2ラウンド目以降は攻撃を行う。
PCを狙う基準は羽切と同様だが、儀式によって変化する。

10.エピローグ

綾藤市を騒がせていた連続猟奇殺人事件は、PCの尽力もあって犯人が無事逮捕される。
犯人――羽切秀次の言葉はどうも要領を得ないものの、自宅からは若い女性の下半身が発見され、容疑は確定。
連続猟奇殺人事件は幕を閉じ、一人の怨霊は安らかに天へと旅立ち、綾藤市に平和が取り戻される。

11.功績点

功績点の計算方法は基本ルールブック準拠。
「使命の達成」については以下の条件で判定する。

PC1殺人鬼を捕らえ、自分の手柄にする
PC2儀式で犯人の男を殴る
PC3世間的に妻は犯人の男に殺されたことにする
PC4羽切 秀次の【秘密】を獲得する

PC1の【使命】は「殺人鬼」であれば良いため、PC2~PC4の誰かを捕らえても使命達成と見なす。
その場合、捕らえるPCの【秘密】を獲得し、そのPCのPLから許可を得ること。

12.利用規約・更新履歴

利用規約

こちらをご確認ください。

参考書籍

河嶋陶一朗/冒険企画局(2013).『マルチジャンル・ホラーRPG インセイン』.新紀元社.
河嶋陶一朗、魚蹴/冒険企画局(2014).『インセイン2 デッドループ』.新紀元社.

連絡先

製作ミナカミ
HPhttps://dara.sakura.ne.jp/
Mailminakamiryu■infoseek.jp

報告・感想等ありましたらHPのメールフォームやSNS等で送って頂けると有難いです。

更新履歴

2023/10/16他シナリオとレイアウト統一
2020/07/12利用規約を修正
2019/01/22公開