ゾンビサバイバル 11日目

【戦闘】見たこともない重武装の軍人たちに遭遇。救いの手か!? ・・・いや撃ってくる! 君を「処理」するつもりなのだと直感し、命からがら逃げた。8のダメージ! 食糧:-2

 彼らが各々の銃に手を付けた瞬間に路地に逃げ込んで正解だった。集中豪雨のような銃声が響き、続いて駆ける足音。彼らの武装レベルと人数からして、殲滅は得策ではない。姿が見えた者を狙撃しつつ、どうにか逃走に成功する。荒れた息を整えつつ体を点検するが、撃たれた様子が無い事は不幸中の幸いだ。

HP86 食糧41/ライフル(戦闘ダメージ-2)安全靴(探索時の食糧消費を1軽減)/クリアフラグB

12日目

【アクシデント】コンビニ入り口に巨体のゾンビ。気付かれず侵入できるか? 今が23~10時なら2ダメージ、食糧+5。それ以外なら8のダメージ!
(→19時に診断、8ダメージ)

 身長二メートルを超す巨大なゾンビがコンビニを守るように立っていた。しばらく様子を窺うが動き出す気配は無く、退屈そうに欠伸をしている。何を思ってコンビニの入り口に立っているのかは分からないが、長い期間あの場に立ち続けているのならば、店内に食料や何かしらの物資が残っている可能性が高い。
 日は既に暮れている。大抵のゾンビの視界は人間と同じで、物陰に潜むラウルの存在など気付いていないだろう。しかし、視界が悪いのはこちらも同じ。あの巨体をライフルで黙らせるには条件が悪い。ラウルは足音を消して少しずつ巨大なゾンビに接近した。
 コンビニの壁面のガラスは全て粉々に打ち砕かれており、わざわざ入口から入る必要はない。そう思ってじりじりと壁面に近づくが、巨大なゾンビの双眸がぎょろりとこちらを向く。

 しまった、と思った瞬間にラウルの体は宙を舞っていた。巨大なゾンビが放ったラリアットがラウルの喉元を打ち、コンビニの店内に吹き飛ばされる。
「がっ……は……!」
 一瞬意識が飛んだが、咄嗟に両腕で喉をガードしたのは正解だった。コンマ一秒でも反応が遅れていれば、完全に気を失っていた所だ。素早く辺りを見回すと、案の定店内には様々な物資が散らかっていた。だが、それを拾う暇はない。巨大なゾンビがこちらに向けて駆けてくる。あの体勢は間違いなく、肩から体当たりをぶつけようとしている。
 立ち上がる暇もない。ラウルは横に転がって体当たりを避け、ゾンビの巨体は壁面の商品棚に轟音を上げて突っ込んだ。その間にラウルは立ち上がり、コンビニから逃げ出した。

「……っは……」
 かなりの距離を駆け、ゾンビが見当たらない安全地帯――寂れた物置をどうにか発見する。壁にもたれてずるずると座り込み、荒れた息を整える。全身の打ち身もそうだが、喉の痛みがひどい。
 あのゾンビは、物資が残ったコンビニを餌にして人間を狩る事を目的としていたのだろう。ラリアットからの体当たりのコンボは流れるような動きで構成されており、かなりの数の人間が犠牲になった事が予想された。
「……ゾンビも……人間も……敵か……」
 人間の中には八木のように話の分かる奴もいる。しかし、大部分が敵だ。痛む喉を押さえながら、心を開くことなど許されない現実を胸に刻んだ。

HP78 食糧41/ライフル(戦闘ダメージ-2)安全靴(探索時の食糧消費を1軽減)/クリアフラグB

13日目

【探索】空腹で衰弱した老人に遭遇。食糧2を与えるなら助けられ、君は神様のように繰り返しお礼を言われる。もちろん貴重な食糧を惜しみ、何もせず去ってもよい。
(→何もしない)

 言葉が通じる者は全て取引相手である。それがラウルの信条で、衰弱した老人であっても当然取引相手だ。食糧の対価となるものはあるか老人に訊ねても具体的な対価を示さずひたすら情に訴えかけようとしてくる。老人の言葉を聞き流し、その身なりからして対価は期待できないと判断してその場を去った。

HP78 食糧41/ライフル(戦闘ダメージ-2)安全靴(探索時の食糧消費を1軽減)/クリアフラグB

14日目

【探索】食料庫発見! だが重い扉はひとりでは開きそうにない。【同行者】を連れているかフォロワーの助けを得られるなら食糧+7。さもなくば無駄骨に終わって食糧-3。
(→みちをさん宅かびを君に助けて頂きました)

 比較的新しい食料庫を発見した。鋼鉄の扉は固く閉ざされており、壁や周囲の状況を観察しても荒らされた形跡はない。
 この中に食糧が残されている可能性は高い。そう思い扉を軽く押してみるが、うんともすんとも言わない。両手で力を込めて押しても同様で、全体重をかけて押すとようやくわずかに動く程度だ。ラウル一人で開けられる重量ではない。
 どうしたものか、と思案していると一人の小柄な少年がこちらに向かって歩いてきた。敵かと思い身構えるが、少年はどこか上の空といった様子で「どうしたんですか?」とこちらに問いかけてきた。
「扉が重くて開かない」
「手伝いますよ」
 少年はラウルの横に立ち、体重をかけて扉を押し始めた。武器の類は持っていない上にこの体格だ。この状況で襲ってくる事は無いだろうと判断し、ラウルも体重をかけて扉を押す。扉はじりじりと焦らすように開き、やがて食料庫の中が露わになった。
 案の定、中には食糧が残されていた。ラウルは食糧を荷物に加え、同量の食糧を取り分として少年に差し出すが、少年は首を横に振った。
「十分あるので、あなたが持っててください」
 少年の意思は固い。ラウルはその言葉に甘えて少年の取り分である食糧も自分の荷物に加える。
「ただ働きさせるのもフェアじゃない。何か手伝える事はあるか」
「えっと……」
 少年はしばし迷っていたようだが、ふと目を伏せて呟いた。
「祈って下さい」
「祈る?」
「今日、犬がボクを庇ってゾンビにやられたんだ」
 だから、と続けようとする少年の声は震えている。ラウルはそれ以上何も聞かず、少年の頭を軽く撫でた。

 食糧庫の前に小さな墓を作った。ゾンビと遭遇する可能性もあるので、犬の骸の回収には行けない。土を盛り固め、その辺りに落ちていた木の枝を墓標がわりに刺しただけの簡単な墓だ。それでも少年は墓の前で手を合わせて犬の冥福を祈り、ラウルも缶詰を一つ墓前に供えて手を合わせた。少年の取り分になるはずだった食糧の一部なら、供えるのも惜しくは無い。

HP78 食糧48/ライフル(戦闘ダメージ-2)安全靴(探索時の食糧消費を1軽減)/クリアフラグB

15日目

【戦闘】なんと知性を残したゾンビに遭遇! 元軍人だという彼は、この街のどこかに隠された脱出手段があると話し・・・そして理性を失い襲ってきた! 6のダメージ! 食糧:-2

 やはりあの離着陸場は脱出手段の一つだった。ただし、元軍人のゾンビの話ではただ離着陸場に辿り着いただけでは脱出できない、他に道具や情報が必要だと言う。詳しい話を聞く前に元軍人が理性を失ったのは残念だった。足元に転がる骸を一瞥してから、物資と脱出手段を求めて探索に戻る。

HP74 食糧46/ライフル(戦闘ダメージ-2)安全靴(探索時の食糧消費を1軽減)/クリアフラグB

16日目

【探索】崩れたビルの上階に医薬品棚を発見。だがひとりでは届きそうにない。【同行者】を連れているかフォロワーの助けを得られるならHP+5。いずれにせよ食糧:-3。
(→二十日さん宅ヒロシゲ君に助けて頂きました)

 廃ビルの一室で医薬品棚を見つけたのは良いが、肝心の薬品が最上段の棚、背伸びして手を伸ばしても届かない程の高さにあった。しかも棚にはガラスがはめこまれ、ご丁寧に錠もかけられている。単なるクレセント錠だが、この高さでは一人で開ける事は不可能だ。
「あれ、ラウルじゃねーか」
 どうしたものかと思案していると、背後から聞き覚えのある声が飛んできた。振り向くと案の定、そこにはヒロシゲとセガールと呼ばれる大男が立っている。雨も降っていないのに二人の服が湿っているのは不可解だが、ヒロシゲはお構いなしに「何やってんだよ」と近づいてくる。相変わらずこの男は距離感が近い、と思いながらもラウルは医薬品が取れない事を説明する。
「ありゃ俺でも届かねえな」
 ラウルとヒロシゲの身長はほぼ同じだ。当然の呟きを聞き流し医薬品棚を見上げていると、セガールが棚の前に立ち、手を伸ばしてクレセント錠を開けた。そしてガラス戸を開けて医薬品が詰まった木箱を取り出してラウルに渡す。
「すまない」
 礼を言って木箱を受け取り、必要な薬を取り出して鞄に入れた。これらを使えば打撲傷も多少はマシになるだろう。木箱にはまだ薬が残っていたが、それには手を付けずセガールに付き返す。
「残りはお前が使え」
「え」
 意外そうに言ったのはヒロシゲだ。セガールはというと、両手を合わせて合掌した後木箱を受け取った。
「箱を取ったのはこいつで、しかも怪我をしている。なら薬を分けるのは当然の事だろう」
 汚れた法衣や悠然とした動作で分かりづらいが、セガールはヒロシゲやラウルよりよっぽど深い傷を負っている。それこそ、今後ゾンビと戦う事が難しいくらいに。
「なんか意外だ」
「そうか?」
「なんつーか……こう……優しくなったよな。あ、もしかしてフォルテの影響?」
 相棒の名がふいに飛び出した。確かに彼女とは恋愛関係にあり、過ごした時間も多い。だが、それで何かが変わったのかと言うと、ラウルにはわからない。
「さあな」
 適当に答えるとヒロシゲは神妙な面持ちで「絶対生きて帰ろうな。俺も帰ったら会いたい子がいるんだ」とラウルの肩を叩いた。
 確かこいつにも恋人がいたな、と思いつつラウルは自分の怪我の治療を始めた。見るとセガールも治療を始めている。

 黙々と手当が行われる中、ヒロシゲはちらちらと己の傷口を見せながら媚びた笑みを浮かべる。
「……あの、ちょっと分けてくれたりは……」
「何もしてない奴に分け与える薬は無い」
 きっぱりと断った。

HP79 食糧44/ライフル(戦闘ダメージ-2)安全靴(探索時の食糧消費を1軽減)/クリアフラグB

17日目

【探索】謎の軍人が接触してくる。アイテム1つと食糧5を渡せば治療薬(ゾンビ化しつつある者を元に戻す。使い捨て)をくれる。いずれにせよ食糧:-3
(→交換しない)

 軍人が提案した取引の内容は、道具一つと食糧を治療薬と交換する事だった。ラウルが感染していれば話は別だが、多少の怪我をしている程度の健康体である今は治療薬など不要だ。ラウルは全く旨味の無い提案を断り、彼が暴力手段に訴える前にその場を後にする。軍人にはあまりいい思い出が無い。

HP79 食糧42/ライフル(戦闘ダメージ-2)安全靴(探索時の食糧消費を1軽減)/クリアフラグB

18日目

【休息】汚染されていない綺麗な川を発見。まさに命の洗濯だ。HP:+2(あなたのフォロワーも、24時間以内にリプライすることで1人1回ずつHPを+2できる)
(→ユツキさん宅マイメア、みちをさん宅かびを君のHP+2)

 人工物が少ない平地の中で、川を発見した。それも水底が見えるほど透き通った水質だ。ライフルを水面に向けながら入ってみるが何かが食らいつく事も無く、水深は最も深い所で腰までつかる程度。辺りを見回してもゾンビの気配は無い。
 チャンスだ。ラウルは鞄から汚れきった服を取り出し、川に浸して洗う。川の水はひやりと冷たいが心地良い。服を擦ると川に茶色の汚れが放たれるが、すぐに清浄な水に流されて消えていく。着ていたシャツもついでに脱ぎ、洗う。洗った服は川べりの土が少ない箇所に広げて置いた。
 汚れが完全に落ちたわけではないが、清潔さはかなり取り戻せた。服が乾くまでの間に体も洗ってしまおうと川に入る。護身の為のライフルを持ちながらだとただの水浴びにも随分手間取る。それでも体に付いた汚れや異臭が取れていくのは心地良い。

「久しぶりね!」
 川べりに見知った男女の姿があった。ラウルは片手を挙げて挨拶をし、川べりへ戻る。丁度水浴びが終わった所でタイミングが良い。
「まるで原始人だねェ」
 開口一番そう嫌味ったらしく言ったのは長身の男だ。ラウルの格好を見ての事だろう。この男……いや、この二人のプライドの高さは初めて会った時から変わらない。下手なプライドは身を滅ぼすぞ、と助言してやろうかと思ったが、親しくも無い男からの助言に耳を貸すような性格ではないだろう。結局は無言で自分の荷物の傍に座った。
「マインドも水浴びしたら?」
「レディーファーストって言葉、知ってるかイ?」
「あら、私の裸をご所望かしら?」
「いや別に」
「……だから即答されると腹が立つって言ってるでしょ」
 二人はそんな小言を交わしながら水筒に水をくむ。二人とも水浴びをする気は無いようで、顔を洗い所持品の汚れを落とした程度で立ち上がった。
「……あ、一つお礼を言わなきゃねェ」
 男が歩き出そうとする足を止め、ラウルに向けてにこりと微笑んだ。
「君のおかげでライフルの腕が上達したよ。ありがとうねェ」
「……何もした覚えはない」
 ラウルが男の前でライフルを用いたのは、最初に助太刀をした時だけだ。それが男の上達に繋がるとは思えない。
「あァ、分からなくていいよォ」
 男は「それじゃ、死なないよう気を付けてねェ」と言い、少女は「また会いましょうね!」と満面の笑顔で言った。その瞬間、男の顔が一瞬だけ憎々しげに歪んだ。

 男女が川を去って間もなく、数日前に共に犬を弔った少年がこちらに向かって歩いてきた。下流で水浴びをしていたのか、随分と大人しい髪型でしっとりと湿っている。
「あ」
 少年の顔が喜びで綻ぶ。ほんのりと頬が赤く、まるで女子のように抱えた寝袋をぎゅうと抱いて頭を下げた。
「この前はありがとうございました」
 犬を弔った事だろう。
「あれは倉庫の扉を開けた対価だ。礼を言われる筋合いはない」
「……でも、お礼が言いたいんです」
 どうやら少年にとって、犬を弔う事は扉を開ける事より重大な価値を持っているらしい。ラウルもそれ以上突っ込まず「そうか」とだけ返した。
 少年の腰には一振りの日本刀がぶら下がっていた。少年の了承を得て刃先を見せてもらうと、よく鍛えられた非常に質のいいものだった。近接戦においてはライフルよりもはるかに頼りになるだろう。
「自分の身は自分で守れるようにならないと、駄目ですね」
 少年はそうしみじみと呟く。ラウルは「当たり前だ」と言いながら日本刀を少年に返した。
「こんなにきれいな川、珍しいですね」
 雑談をしながらも少年はラウルの顔をちらちらと盗み見ている。そこに悪意が無いのは分かるが、それにしても見る頻度が多い。
 こいつは男色か? ……という疑問を抱きつつ、ラウルは適当に雑談に答えながら服が乾くのを待った。

HP81 食糧42/ライフル(戦闘ダメージ-2)安全靴(探索時の食糧消費を1軽減)/クリアフラグB

19日目

【館発見】謎の館(http://shindanmaker.com/245054)から命からがら逃げてきた男に出会う。以後、全データを引き継いで探索してもよい。

 傷だらけの男の話では、化物が住まう館がこの近くにあると言う。彼は館に眠る真実を探る為にこの地を訪れ、そして死の恐怖に敗れて逃げてきたらしい。館の場所は覚えたが、そもそも依頼を受けている身だ。行くつもりはない。……この情報自体は、何かしらの取引材料にはなるかもしれないが。

HP81 食糧42/ライフル(戦闘ダメージ-2)安全靴(探索時の食糧消費を1軽減)/クリアフラグB/館発見済

20日目

【休息】安全そうなホテルを発見。今日はゾンビに襲われることもなく、ゆっくり休めそうだ・・・。HP:+5 食糧:-3
(+しおんさん宅フェデーレさん診断結果に便乗して食糧+2)

 バイクの駆動音がする。音のした方に足を向けると、脆い地盤の上に食糧庫が建っており、司祭の格好をした男がいた。バイクの持ち主は彼のようで、それに腰かけて食糧の検分をしている。彼に軽く挨拶をし、食糧庫からいくばくかの糧を得る。……しかし、司祭が日本刀片手にバイクを駆るとは妙な光景だ。
 司祭と別れて市街地を探索すると、一軒のホテルを発見した。相当年季の入った建物だが、ゾンビの気配はない。客室を一つ一つ検分すると、まだ鍵が有効な部屋が二階に一つだけ残されていた。この部屋ならばゾンビが侵入する可能性も低いだろう。持ち物の検分もそこそこにゆっくりと休息を取った。

HP86 食糧41/ライフル(戦闘ダメージ-2)安全靴(探索時の食糧消費を1軽減)/クリアフラグB/館発見済

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