ゾンビサバイバル 11日目

【戦闘】書斎でメイド服を着たゾンビたちが出現! 優雅に一礼しナイフを投げてきた、7のダメージ、さらに8のダメージ!(アイテムの効果や使用回数はそれぞれ別々に適用せよ)

 メイドさんが集団でおもてなし! これは萌え萌えキューン……ってならない! ゾンビだとならない! しかもナイフ投げてくるとか暴力属性もしくはヤンデレ属性なの? それとも僕の服を切り裂いてあられもない姿にするのに興奮するタチなの? 残念だけどゾンビ萌え属性は無いから死ね!!

HP24 食糧87/探索2/対ZV銃(対ゾンビ戦闘ダメージ-4)救急箱(HP+10)/出口発見済

12日目

【探索】本棚の裏で、アンプル状の弾丸を発射する奇妙な拳銃を発見。対ZV銃(「ゾンビ」と書かれた【戦闘】で受けるダメージ常に-4。最低1点は受ける)を得た! 食糧:-3

 エロ本でもないかなと思って本棚の裏を見てみたら、この間マサちゃんに貰ったのと同じ形をした銃があった。同じのを何丁も持ってても仕方がないし、弾丸だけ貰っておこうっと。しかし危ない罠は沢山あるのに遊び心が全くないのがつまらないなあ。同じような刺激ばっかじゃ飽きちゃうよ?

HP24 食糧84/探索2/対ZV銃(対ゾンビ戦闘ダメージ-4)救急箱(HP+10)/出口発見済

13日目

【探索】トイレの物置から日記の断片を発見。『急に運び込む機材が増えた。何か大掛かりな実験をするらしいが、あんなでかい動物まで何に使うってんだ?』探索度+1、食糧:-5

 いやいやいや。何でトイレの物置に日記の一ページが置いてるの? 用を足したついでに覗いてみた僕も僕だけど、まるで意味が分からない。書いてる内容はまあよくある話って言うのかな? 動物実験の次は人体実験で、その結果がこれだろうね。うーん、つまんないネタだなあ。

HP24 食糧79/探索3/対ZV銃(対ゾンビ戦闘ダメージ-4)救急箱(HP+10)/出口発見済

14日目

【戦闘】書斎でメイド服を着たゾンビたちが出現! 優雅に一礼しナイフを投げてきた、7のダメージ、さらに8のダメージ!(アイテムの効果や使用回数はそれぞれ別々に適用せよ)

 書斎にはメイド服を着たゾンビがいる。これってトリビアになりませんか。なりませんね。しかしメイド服でナイフ投げって何か聞いた事あるなあ……これで時間を止めてきたら完璧だったのに! いや実際止めなくていいですラスボスっぽくなるし。うん、吸血鬼じゃなくてゾンビなのが惜しいね。

HP17 食糧79/探索3/対ZV銃(対ゾンビ戦闘ダメージ-4)救急箱(HP+10)/出口発見済

15日目

【探索】急な眠気で倒れる君の耳に「よくもったわね。では施術を」の言葉。目覚めるとHP+9、ゾンビ化しつつあるか、ハーフゾンビか、機械の体ならそれらも解除。声の主は一体?

 えーと……寝て、目が覚めたら知らない部屋にいて、怪我がちょっと手当てされてた。何? どういうことなの? 妖精さんの仕業? 寝てる間に体を弄られるとか怖い、処女喪失しちゃってるかもしれないと思うと夜も眠れる!

HP26 食糧79/探索3/対ZV銃(対ゾンビ戦闘ダメージ-4)救急箱(HP+10)/出口発見済

16日目

【戦闘】大量のベッドが並ぶ部屋。横たわるのは・・・ゾンビだ! 次々と起き上がり襲い掛かってくる、14(フォロワーの助けを受けられれば10)のダメージ! 食糧:-2
(→柊さん宅ギースさんに助けて頂きました+救急箱を頂き即使用)

 整然と並んだベッド。不自然に盛り上がった布団。ああゾンビがいるのだろうなとぼんやり考えていたら、案の定ベッドから次々とゾンビが起き上がって襲い掛かってきた。
「ベタだねえ」
 こちらが予想した通りの行動を見せてくる。ゾンビの知能に期待する方が間違っているのかもしれないけど、もう少し意外性を見せてほしい。
 ゾンビに有効な薬品が詰まったアンプルを撃ちつつ、適当に距離を置いて立ち回った。便利な武器だけれど、薬品がゾンビの体に回るまでに僅かなタイムラグがある。怪我は軽減できているけど、ゼロにはならない。
 ゾンビの爪がじわじわと体を傷つける。単調な動きはとても予測が簡単だ。ただこちらの体力や体勢の都合で避けられないだけで。
「……つまんねえなあ?」
 単細胞は見ていてすぐに飽きる。特殊な改造を施されたゾンビや、動物のゾンビでないならなおさらだ。ただただ鬱陶しい。

 襲い来るゾンビを半分ほど殺した所で、入口の方から銃弾が飛んできた。そちらに目をやると、軍服姿のおじさんが拳銃を構えていた。
「大丈夫か?」
 目が合うとおじさんはにかっと笑いかけてきた。気さくな雰囲気がするし、少なくとも悪い人ではないだろう。
「大丈夫じゃないよ、見てこの満身創痍ぶり」
「口は元気そうだけどなあ」
 さて、と呟いておじさんは顔を引き締めた。
「先に片付けるか」

 おじさんの助けもあって、すぐにゾンビの集団は静かになった。
「ありがとー」
「どういたしまして」
 ギースと名乗るおじさんは見た通り軍人さんで、一般人を助ける為に動いているらしい。
「よく見たら、随分と怪我をしているな」
 そう言うとおじさんは鞄から救急箱を取り出して「じっとしてろ」とおもむろに僕の傷の手当てを始めた。
「いいの?」
 この館にいると生傷が絶えない。救急箱は自分の為に使うのがセオリーだと言うのに、このおじさんはあっさりと他人に使っている。おじさんの顔は真剣そのもので、治療を終えて使い物にならなくなった救急箱をぽいと放り投げてにかっと笑った。
「良いってことよ……その命、大事に使いな!」
「ギ……ギーさん男前……!」
 感極まってギーさんに抱きつくと、ギーさんは「惚れんなよー」と頭をぽんぽん叩いてきた。どうしようこの人すごく男前だ。ドキドキしちゃう。気さくな雰囲気の中に男前のチラリズム。しかも軍人さん。すごい。ハイスペックだ。
「それじゃ、ギーさんも命を大事にね!」
 治療のおかげで痛みはだいぶマシになった。僕はさっさと立ち上がると、ギーさんと別れて館の中をうろつき始めた。

「……惜しい事をしちゃったねえ」
 薄暗い廊下を歩きながら独りごちた。
 ギーさんは「一般人を助ける」為に救急箱を使った。それは間違っていないけれど、使う相手を間違えている。確かに僕は傍から見ると一般人だけど、僕にとって命は大事にすべきものではない。いくら乱暴に扱ったところで決して失われるものではない。
 そんな僕に対して貴重な救急箱を使っちゃったんだから、ギーさんも運が悪い。正体も目的も明かさなかった僕にも非はあるけど、下手に明かして無駄に怪我をしちゃうのは避けたかったし仕方ない。
「ま、『この命』はちょっとは大事にしていこうかな?」

HP30 食糧77/探索3/対ZV銃(対ゾンビ戦闘ダメージ-4)救急箱(HP+10)/出口発見済

17日目

【アクシデント】重い扉を開けようとして、ふと猛烈に嫌な予感が君を襲う! 次に引いたイベントで受けるダメージすべてが2倍になる(アイテムなどの効果適用前に計算)。

 いかにも何かありそうな重い扉に触れてみると、背筋にぞくぞくと悪寒が走った。すっごく嫌な予感。故郷に婚約者を残すレベルの死亡フラグが立ってる気がする……。この扉、開けるのは明日にしよう……婚約者いないけど! 彼女すらいないけど! リア充死ね!!

HP30 食糧77/探索3/対ZV銃(対ゾンビ戦闘ダメージ-4)救急箱(HP+10)/出口発見済【次回診断のダメージ2倍】

18日目

【戦闘】館の窓を突き破り、ゾンビ化した巨体の犬が猛襲! しかもその頭は魔獣じみて3つある! 13(フォロワーの助けを受けられれば9)のダメージ! 食糧:-2
(→二十日さん宅八木さんに助けて頂いて基本ダメージ9×2=18、八木さんに食糧10譲渡)

 重い扉の向こうには、またもや廊下が続いていた。右側には窓が並び、そこから緑の芝生と高い垣根が見える。随分と広そうな庭で、これで垣根が迷路のように入り組んでいたら出る事は難しいだろう。というか館のいやらしさから考えて間違いなく迷路みたいになってる。入るのはやめておこう。
 廊下の右側には窓、左側には等間隔で部屋の扉が続いている。一つ一つ部屋を確認してみるけれど、どの部屋にも興味を引くようなものは何もなかった。死体もゾンビも見飽きたし。
 暫く廊下を突き進み、ふと庭の方に目をやると、垣根の切れ目ががさがさと動いてそこから大きな犬がぬっと顔を出した。僕の背丈ぐらいはありそうなその犬はがっしりとした体格で、そして何より――頭が三つもあった。
「ケルベロスだ!」
 思わぬ出会いに歓声を上げると、三つの頭は一斉にこちらを向いた。狂気に満ちた瞳と口から垂れる涎を見る限り、うん、あれは間違いなくゾンビ化している。生物として実在するとは思っていないけど、本当にゾンビってのは何でもアリだね! ゾンビは皆こういうオモシロ進化してくれたらいいのに!
 ゾンビ犬はこちらを真っ直ぐに見据え、一直線に突進してきた。ぴょんと軽く跳躍して窓ガラスを破って、僕の目の前に着地する。お見事。ワイルドさ満点。
「僕の元まで来てくれたご褒美だ、調教してあげるよ!」
 僕が銃を抜くと同時に、ゾンビ犬は牙を剥き出しにして襲い掛かってきた。こわい。

 ゾンビ犬の噛みつきを間一髪でかわしつつ、体に銃を撃ちこんでいく。これだけの巨体なら、薬が全身に回るにはかなりの数を撃ちこんで、なおかつ時間もそれなりにかかるだろう。それまで攻撃を避け続けられるかと言われると自信は無い。超人的な運動能力を持ってるわけでもないしね。
 ゾンビ犬の猛攻をしのぎ続けるけれども、意外と早くに命運は尽きてしまった。
「ん?」
 背中が壁にぶつかる。目の前にはゾンビ犬の三つの首。涎にまみれてぬらぬらと光る牙。
 あ、まずい。
 咄嗟に突き出した左腕に、ゾンビ犬の真ん中の首の牙が突き刺さる。ゾンビ犬の口内の生温かさが左腕から伝わるけれども、深く深く牙が突き刺さると生暖かさは消えた。
 あ、死んだな。
 牙が突き立てられたのは左腕の肘から下。そこはもう死んだと考えた方が良い。境界線から発せられるのは煩わしいほどの痛みの警報。ああもううるせえ。黙れ。
 右腕にはまだ銃がある。被害がこれだけで済んでいるうちに片づけないと、最悪の場合は殺されてしまう。残念! 僕の冒険はここで終わってしまった! なんてのはもう少し先じゃない?
 ゾンビ犬の頭部に向けて銃を撃つ。段々と薬が効いてきたのか、ゾンビ犬は苦しそうだ。あと一押し――と言う所で、左右の首がぐるぐると不穏な唸り声を上げた。
「どうどう」
 左腕が抑えられて動けない状況で襲い掛かられてはひとたまりもない。左右どっちを潰そうか……と銃を構えながら考えていると、乾いた破裂音がして左側の頭にアンプルが突き刺さった。
 僕が撃ったものではない。誰が撃った、と考えるよりも先に右側の頭に向けて何発も撃った。
 程なくしてゾンビ犬は完全に薬が回って動かなくなる。誰かが助けてくれたおかげで間一髪、助かった。

「やぎやぎが僕を助けてくれるなんて! やだ! 感激! 漏らしちゃう!」
 なんと、僕を助けてくれたのはやぎやぎだった。ぎゅうっと抱きしめようとしたけれども、すかさず鳩尾を殴られた。やぎやぎの愛は痛い。
「さっさと左腕を見せてください」
 やぎやぎは強引に僕の左腕を取った。肘から先はあのゾンビ犬に食いちぎられていて、傷口からはぼたぼたと血が流れている。
「針と糸はありますか」
 やぎやぎはじろりと僕を睨む。相変わらず可愛さが台無しの表情しかしてくれない。けれども、やろうとしている事は正に黒衣のエンジェル。僕は服の内ポケットを探って玩具のような針とカラフルな糸を取り出した。
「手品に使うやつだったらあるよ」
「……手品?」
 どんな手品だ、と言いたげな目をしながらやぎやぎは針と糸を奪い取った。慣れた手つきで針に糸を通して、左腕の傷口を縫い合わせていく……麻酔無しで。
「いやちょちょちょ待って痛い痛い痛いやめてえええええ!」
「我慢しろ」
「いやあしんじゃううううううううやぎやぎのぶっとい針に貫かれてイっちゃううううううう」
「それだけ騒ぐ余裕があるなら大丈夫ですよ」
 消毒薬も麻酔薬も無いから我慢してくださいとやぎやぎは傷口を縫って、それが終わると余った針と糸を僕に向けて投げつけてきた。愛が痛い。
「……やぎやぎ……ひどいよお……こんな仕打ちなんて……」
「あのままだと失血死するところでしたよ。感謝こそされ、仕打ちと称される言われはありませんね」
 ほら、とやぎやぎは僕に手を突き出す。握手だろうかと右手を差し出してみると容赦なくビンタされた。ありがとうございます!
「お礼は食糧で良いです」
「う、うわー! 無理矢理縫った上に食糧をせしめる押し売り強盗だー! いいよ!」
 鞄から適当な量の食糧を取り出し、渡そうとしてふと手を留めた。やぎやぎの首には銀の首輪があって、ゾンビ犬を見たからだろうか、やぎやぎが何だか犬みたいに見える。
「ほーらやぎやぎごはんだぞー! お手! お座り! 伏せ!」
「…………」
 やぎやぎの目から温度が消える。というか、元々零度に近かった目が氷点下に突入した。痛くて冷たくて気持ちいいです。
「よーしいい子だ! よし! めしあがれ!」
 渡した食糧をやぎやぎは受け取って鞄に入れる。なんだ、犬みたいに食べてくれないのか。ノリが悪い。
「やっぱり、助けず死んだあとで食糧丸ごと巻き上げた方がよかったですね」
「本人目の前にして言う事かな! それは!」
 左腕が無くなった重傷者なんだぞ、と文句を言うも無言でスルーされた。この冷たい仕打ちが癖になりそうです。

HP16 食糧67/探索3/対ZV銃(対ゾンビ戦闘ダメージ-4)救急箱(HP+10)/出口発見済

19日目

【探索】引き出しの奥から日記の断片を発見。『研究員どもが慌ててやがる。研究棟で爆発があったらしいが、こっちは足が妙に痒くてそれどころじゃねえ』探索度+1、食糧:-4
(+二十日さん宅八木さん支援)

 昨日から左手が無くなっちゃったわけだけど、想像以上に不便だ。ご飯もトイレも一人マジックショーもやりづらいったらありゃしない! 部屋の探索したら日記の一ページも見つけたけど、まあ、そういう展開だろうなと思ったよ。ああそんな事より無くなった筈の左手が痛い。幻肢痛やめてよー!
 部屋の探索を終えて辺りをブラブラしていると、見慣れた黒コートの姿があった。あの小ささは間違えようがない、やぎやぎだ! 妙な置物の前でじっとしてる。何か困ってるのならば、助けてあげるが世の情け。ついでにやぎやぎで遊ぼうっと、ゾンビよりずっと楽しいしね!

HP16 食糧63/探索4/対ZV銃(対ゾンビ戦闘ダメージ-4)救急箱(HP+10)/出口発見済

20日目

【戦闘】暗い部屋を手探りで進む君の指にひやりとした感触。蛇だ、しかも足下にも無数にいる! 12(フォロワーの助けを受けられれば8)のダメージ! 食糧:-3
(→二十日さん宅八木さんに助けて頂きました)

 電気も通っていない、窓も無い真っ暗な廊下を右手をついて進んでいた。単純だけど、迷わない為にはこうするのが一番いい。この暗闇も目隠しプレイだと思えばときめくものがある。実にマニアックな性癖をお持ちのご主人様だ。
 ゆっくりと歩を進めているうちに行き止まりに突き当たる。どうやらそこには部屋があるらしく、ドアノブのようなものを捻ってみるとあっさりと扉が開いた。
 扉の向こうも相変わらずの真っ暗闇で、何があるのか、どれぐらいの広さなのか、さっぱりわからない。一応この部屋もぐるっと回ってみるか――と部屋の壁に触れた瞬間、壁がぬるりとうごめいた。
「おっ」
 妙に生々しい感触。さざ波のような音。足元に絡みつく細長いもの。
 間違いない、蛇だ。この部屋の壁に、足元に、無数にいる。
「これで触手だったらえっちい展開も有り得たのに」
 住処に踏み入られた怒りか、久々の食糧に喜んでいるのか、無数の蛇は威嚇を重ねながら僕を値踏みしている。このままここにいてはまずい。
「三十六計逃げるにしかずーっ!」
 くるりと踵を返して一気に駆けだす。足に絡む蛇が容赦なく噛みついてくる。痛い。
 廊下を走ってはいけませんとはよく言うけれど、真っ暗な廊下を走るのはルールを二重にも三重にも破っているんじゃないだろうか。僕が学生なら間違いなくお仕置きされてる。どうせなら美人の女教師にお仕置きされたい。あ、もちろんスーツで眼鏡ね。サドっ気があるとなお良し。
 真っ暗だと曲がり角も分からない。思いっきり顔面を壁にぶつけながらがむしゃらに走った。どうやってここまで来たのかもう思い出せないし、適当だ。
 その間も蛇は律儀に僕を追って、腕や足をがぶがぶと噛んでいく。まだ体に異常は無いから、これらの蛇は毒は持っていないか、持っていても遅行性なのだろう。しかしどうしても左手で振り払おうとしてしまうのはいけないなあ。
 襲い掛かってくる蛇を振り払いながら走り続けて、ようやく光が見えてきた。光に向けて一直線に駆ける。それはもう虫のように!

「うわ」
 ようやく自分を取り巻く状況が見えるようになって、思わず声が漏れた。無数の蛇が足元や床や壁にみっしりと群れている。明るい方へ駆けているうちに蛇の数は減っていくけど、それでも多い。ただの蛇ならこの銃は効かないし、足元に来た奴を踏み潰していくしかない。
 少しずつ蛇の数を減らしながら廊下を駆けていると、進行方向上に見慣れた後姿があった。
「や、やぎやぎー! 八木様ー! ヘルプミー!」
 僕が大声でそう呼びかけると、やぎやぎは振り向いて僕の状況を確認して、それはそれは嫌そうな顔をした。だがそんな顔も僕にとってはご褒美だ!
「面倒事を持ち込まないで下さい」
「フハハー! 連れて来ちゃったからにはもう逃げられないぞー! 僕と一緒にレッツ蛇退治!」
 やぎやぎは大きく舌打ちをして僕と一緒に走りながら蛇を踏み潰していく。
「そうだ、あなたが囮になって蛇を集めて窓から飛び降りれば一網打尽じゃないですか」
「それ僕に死ねって言ってるようなもんだよね?」
「食糧は有効活用してあげますから安心してください」
「ねえちょっと待ってよ、僕どうせならやぎやぎに激しく愛されて殺されたいよ」
「愛してますので蛇に噛まれて死ね」
「せめてもっと愛情込めて言って!」
「チッ」
 やぎやぎは悪態をつきながらも足元に群がる蛇を踏み潰してくれている。何だかんだで良い人だ。僕のマゾ心を程よく刺激してくれるし。
 あれ程沢山うごめいていた蛇達は、いつの間にか死骸の方が多くなっていた。

HP8 食糧60/探索4/対ZV銃(対ゾンビ戦闘ダメージ-4)救急箱(HP+10)/出口発見済

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