風に揺れる愛 (2021/02/06 - 2021/02/07)

SCENARIO INFO

Writer/ミナカミ(配布元

本作は、「河嶋陶一朗/冒険企画局」が権利を有する『インセイン』の二次創作物です。
(C)河嶋陶一朗/冒険企画局「インセイン」

PLAYER

GM/ミナカミ
PC1/白部 推行(コトナ)
PC2/白木 恵(にゃご)
PC3/鹿金 櫟(ユタカ)
PC4/幎目 マリヤ(梟)

INDEX

1日目1日目-22日目2日目-22日目-3アフタープレイ

エピローグ/PC2:白木 恵

GM(ミナカミ)
それではエピローグ。
GM(ミナカミ)
平穏な生活に戻りましたが、白木さんは何をしているでしょうか?
白木 恵(にゃご)
そうですね。さきほどの戦闘の後、そのまま家へ帰ってのシーンとさせていただければなと。 
GM(ミナカミ)
了解しました。ではそのように。
白木 恵(にゃご)
暗い夜道を歩き、一人暮らしのアパートへと戻る。
その足取りは、昨日までよりも少しだけ、軽いもののように思われた。 
白木 恵(にゃご)
ここしばらく、ずっともやもやしていたものが、ようやく解消されたからだ。
白木 恵(にゃご)
鍵を開け、部屋に入ると、ぞんざいに荷物を床へと放り投げる。
男の一人暮らしに必要なものはそれほど多くなく、リビングには最低限の家具が置かれている。
白木 恵(にゃご)
こんなに大変な想いをしてきたのだから、今日くらいは存分に自分を甘やかして良いだろう。
白木 恵(にゃご)
リビングの奥の扉を開き、僕だけの楽園へと飛び込む。
白木 恵(にゃご)
「ただいま、僕の愛しいひとたち」
白木 恵(にゃご)
部屋の中には、描きかけのキャンバス。床には描き終えたキャンバスが散らばっている。
白木 恵(にゃご)
モチーフはどれも同じもの、人間の"手"だ。
白木 恵(にゃご)
キャンバスの奥の机の上には、いくつもの手の石膏が並べられている。
白木 恵(にゃご)
いずれも甲乙付け難い、美しい流線形がそこにある。
白木 恵(にゃご)
そのうちのひとつを手に取り、やさしく指を滑らせる。
ひんやりとした滑らかな手触りに、無意識に口元が緩んでしまう。
白木 恵(にゃご)
「うん、やっぱり君たちが一番美しいよ」
並んだ石膏を眺め、ほう、と息を吐く。
白木 恵(にゃご)
それにしても、今回の事件は腹立たしいものだった。こんなに美しいひとたちを捨てていくだなんて。
白木 恵(にゃご)
最初の被害者も、白くたおやかな美しい手をしていた。
あんなに美しい物を放置するだなんて、僕にはとても理解できない。
白木 恵(にゃご)
…まあ、直接拳を叩きこんで、少しはすっとしたし、今後は事件も起こらないだろう。
白木 恵(にゃご)
PC2の秘密を貼り付けてもいいでしょうか
GM(ミナカミ)
いいですよ。
【秘密】
ショック:全員

あなたは実は殺人鬼だ。
若い女性の手をこよなく愛好し、不定期に遠出をして女性を襲い、手を収集している。
そんなあなたにとって、今回の連続猟奇殺人は非常に都合が悪いものだ。
ターゲットの警戒を招き、場合によっては自分に濡れ衣がかかるかもしれない。
何より折角殺したのに手を放置するなど何事だ! 犯人は何もわかっちゃいない!
あなたの真の【使命】は悪趣味な犯人を殴り飛ばしてこの苛立ちを解消することだ。
白木 恵(にゃご)
人がわざわざ遠出をして、証拠を残さないように苦労しているっていうのに、こんな近場で事件を起こされて、余計な疑いがかかったら…殴るくらいではとても済ませられないところだった。
白木 恵(にゃご)
美術室での谷口さんの手を思い出す。
白木 恵(にゃご)
まだ幼さの残るほっそりとした指、僕のことを信頼しきったあの行動、もう少し成長していたら危ないところだった。
白木 恵(にゃご)
これからもっと僕好みに育つことだろう。彼女の成長を見守るのが楽しみだ。
白木 恵(にゃご)
――薄暗い光が灯された、彼だけの楽園で、もう一人の殺人鬼はひそやかに微笑むのだった。
白木 恵(にゃご)
…というところで、〆で大丈夫です。 ありがとうございました! 
GM(ミナカミ)
ありがとうございました。あなたの主義に反する邪魔者はいなくなり、楽園はますます洗練されて行くことでしょう。

エピローグ/PC4:幎目 マリヤ

GM(ミナカミ)
お次は幎目さんですね。仕事でたまたま立ち寄ったにしてはなかなかビッグな体験をしましたが、その後いかがお過ごしでしょうか。
幎目 マリヤ(梟)
ではマリヤもあの戦闘のあと、綾藤市から立ち去るくらいでやらせてもらえたらと思います。
GM(ミナカミ)
はーい。ではその辺りからどうぞ!
幎目 マリヤ(梟)
無事に一件落着。これでもう心配ごとも無いだろう。教徒である彼らも、明日のニュースを知ればきっと安心できる。そう思って笑みを浮かべた。
幎目 マリヤ(梟)
帰る足取りは軽やかだった。これで自分にとってのいつも通りが戻ってくる。
そう、何事もいつも通りでなくては。すべては水面下で起こり、水のおもてに波紋が起こるようではいけないのだから。
幎目 マリヤ(梟)
「さて、これで私のほうもカタがつきましたね。“運良く”協力者が見つかってよかった」
「これでクライアントにも申し訳が立つでしょう。信用問題ですし、私の株が下がるとなると困りますしね」 ふふ、とこぼしつつ 秘密貼っていいですか?
GM(ミナカミ)
いいですよ!
【秘密】
ショック:全員

あなたは実は殺人鬼だ。
依頼を受けて人を殺し、報酬を貰う。そんな生活を続けて何年になるだろう。
着実に実績を重ねてきたが、今回の標的はあなたが狩る前に連続猟奇殺人犯に横取りされてしまった。
標的が偶然一致しただけなのか、あなたが受けた依頼を知ってのことだったのか。
それを明らかにして顧客に説明しなければ、今まで積み上げてきた信頼は崩れ去ってしまうだろう。
あなたの真の【使命】は今回の「事故」が偶然か意図的なものかを明らかにすることだ。
幎目 マリヤ(梟)
「これで同業者だったら面倒なことになるところでした。素人で良かった」
「もう少し気の利いた毒があれば良かったんですが…。まあ、検出されても面倒ですし、あの刑事さんから連絡をもらってもいけませんし。仕方ないですね」
幎目 マリヤ(梟)
なんにせよ無事に済んだのだった。安心して帰れるだろうと笑みが深くなる。
去り際に振り向き、街を眺めた。
幎目 マリヤ(梟)
「真面目な白部刑事、穏やかな白木先生、頑張り屋の鹿金さん。またどこかでお会いしましょう」
幎目 マリヤ(梟)
「貴方たちが僕の仕事の対象にならないことを、心から祈っていますよ」
幎目 マリヤ(梟)
それだけ言って踵を返し、自分の街に戻ります。〆で!
GM(ミナカミ)
彼らが今まで通りの日常を過ごしていれば、あなたの仕事の対象になることはないでしょう。良い協力者を得られてよかったですね。

エピローグ/PC3:鹿金 櫟

GM(ミナカミ)
鹿金さんは……本当に色々ありましたね。ですがそれもようやくひと段落付きました。
GM(ミナカミ)
今は何をしていますか?
鹿金 櫟(ユタカ)
そうですね…、取り敢えず私も戦闘終了後、帰宅してからのシーンとさせて頂きます。
GM(ミナカミ)
オッケー。久しぶりの帰宅ですね。
鹿金 櫟(ユタカ)
事件の解決後は速やかに家路についた。
正直、家には帰りたくなかったがいつまでもそうは言っていられない。
差し当たって必要なことは、掃除だ。
鹿金 櫟(ユタカ)
深く溜息を吐きながら、ゴミ箱の中に放り込んでいた大きめの写真立てを拾い上げる。
鹿金 櫟(ユタカ)
ガラスが割れ、血に塗れたそれを新聞紙とガムテープで丁寧に包みゴミ袋へ入れた。なるべく目立たないように、他のゴミと紛れさせて。
鹿金 櫟(ユタカ)
次に向かったのは風呂場だ。
鹿金 櫟(ユタカ)
扉を開けた途端、血腥い嫌な臭いが鼻をつく。
鹿金 櫟(ユタカ)
秘密を貼ります。
GM(ミナカミ)
どうぞ。
【秘密】
ショック:全員

あなたは実は殺人鬼だ。
ふとした拍子に妻と口論になり、ふと気が付けば妻を殺害していた。
妻の死体はあなたしか知らない場所に隠しているが、遅かれ早かれあなたの罪は露見してしまうだろう。
……ならばその前に、妻の死を他者に押し付けてしまえばいいのではないだろうか?
あなたの真の【使命】は妻は殺人鬼に殺されたことにすることだ。

あなたはプライズ【妻の死体】を所持している。
あなたは調査判定に成功した場合、「PC全員がプライズ【妻の死体】を発見するマスターシーン」を任意で追加することが出来る。
また、【妻の死体】の状態はあなたの都合に合わせてGMに描写を追加させることができる。
(例:マスターシーン内でGMが「【妻の死体】は下半身が無い」と描写する)
鹿金 櫟(ユタカ)
「ごめんね、そんなつもりじゃなかったんだ…。でも僕は静かに暮らしたいんだよ、その為にはこれは仕方ないことなんだ。皐月なら解ってくれるだろう…?」
鹿金 櫟(ユタカ)
ぶつぶつと自分に言い聞かせるように言葉を零しながら、残ったパーツを更に細かく分解していく。
鹿金 櫟(ユタカ)
そう、これはあくまで仕方がなく、必要だからやっているわけで、自分から好き好んで死体を切り刻むやつの心なんて全く気が知れない。
鹿金 櫟(ユタカ)
上半身は上手く押し付けることが出来たが、残りの部分の始末にはその分慎重にならなくてはいけない。
万が一下半身が遺棄されているのが発見されてしまえば、これまでの苦労が水の泡だ。
鹿金 櫟(ユタカ)
昔見たサスペンスドラマで、複数人の共犯でバラバラ死体を離れた別の場所でそれぞれに遺棄しようとする展開があった。しかしメンバーのひとりが雑な仕事をした所為で死体は発見され、事件が明るみに出ることになっていた。
鹿金 櫟(ユタカ)
やはり人任せはいけない。仕事はきっちりこなさなくては。
鹿金 櫟(ユタカ)
最後まで、全てひとりで。
鹿金 櫟(ユタカ)
以上で〆ます。
GM(ミナカミ)
ありがとうございました。仕事を完遂して、静かな生活が戻ってくると良いですね。

エピローグ/PC1:白部 推行

GM(ミナカミ)
ラストは白部さんですね。
白部 推行(コトナ)
はい!!
GM(ミナカミ)
満身創痍になりながらも犯人の逮捕に尽力したあなたの仕事ぶりは高く評価され、昇進と部下からの厚い信頼を得ることができるでしょう。
白部 推行(コトナ)
ありがとうございます!!警察が管理する病院でしばらく入院したのかもしれませんが、それでも自分はこの街の平和を護ることが出来ました。
白部 推行(コトナ)
体力も回復し、退院して家に帰る…というところでひとつだけやりのこしたことがあります。
白部 推行(コトナ)
そう、鹿金さんへの連絡です。ということで、電話をかけます。もしかすると、丁寧に丁寧に死体遺棄をしているところか、終えたところなのかもしれませんが…。
白部 推行(コトナ)
「鹿金さん、お元気ですか?」その声は淡々としている。「今、どちらですか?…、…。もし言えないのならそれでも構いません。」「…。」
白部 推行(コトナ)
「あなたは…」
白部 推行(コトナ)
「また同じような犯行を繰り返すおつもりですか?」静かに尋ねてきます。
鹿金 櫟(ユタカ)
では、一瞬ハッと息を呑むような音がしたあと、長い長い沈黙が暫く続きます。
鹿金 櫟(ユタカ)
「………いつからお気づきだったんでしょうか……」
鹿金 櫟(ユタカ)
「いいえ、繰り返す、だなんてとてもとても……誤解しないでください!あれは事故なんです!僕は殺すつもりなんてなかった!」
白部 推行(コトナ)
「貴方が人を殴るところを見て。」ぽつりと言います。
白部 推行(コトナ)
「貴方には躊躇いが無かった。勿論、無自覚かもしれませんが…。一度犯した罪を身体が覚えているのかもしれません。いつか、また”事故”で人を殺すのかもしれない…。」小さく言って。それでも…。
白部 推行(コトナ)
「もしも、その衝動に耐えられなくなったら。私に連絡をしてください。罪を犯す前に、必ず…」
白部 推行(コトナ)
と、白部は鹿金さんに言います。
鹿金 櫟(ユタカ)
「僕はただ…静かに暮らして居らればそれで良いんですよ…。これ以上、誰かをどうこうしようなんて気持ちはありません。僕にとっての事件は本当に、あれでおしまいです。」
鹿金 櫟(ユタカ)
「きっともう、あなたのお世話になるようなことはありません。」
鹿金 櫟(ユタカ)
「あなたはどうかただ……沈黙さえして頂ければそれでいい。」と切実な声音で答えます。
白部 推行(コトナ)
「……」
白部 推行(コトナ)
「そうですね、どうなるのかは…今後次第です。」「それでも私はあなたの事を、友人だと、…思っていますから。」そう白部は言いました
白部 推行(コトナ)
「このままなにもなければ…きっとあなたはこの街で平穏に暮らせます。私の願いはね」と白部
白部 推行(コトナ)
「みなさんの平穏なのです」
鹿金 櫟(ユタカ)
「ありがとうございます。こんな僕を友人だなんて…白部さんは本当にお優しいですね。」と、声はいつもと変わらぬ調子で答えます。
鹿金 櫟(ユタカ)
「ええ、この町に平穏が続くことを、僕も願っています。」
白部 推行(コトナ)
「…お話しできて良かった。おやすみなさい、良い夢を」
鹿金 櫟(ユタカ)
「ええ、おやすみなさい」
白部 推行(コトナ)
スマホを置いて、自室でため息を吐きます。
白部 推行(コトナ)
目を伏せ、考え込む。
白部 推行(コトナ)
今でも。あの時の羽切の言葉を想うと顔がカッと熱くなります。 
白部 推行(コトナ)
違う、違うんだ
殺人は、息抜きの道具なんかじゃない!
白部 推行(コトナ)
私の優秀な同期は暴力団の抗争に巻き込まれ、無惨にも命を散らした。
私が先日解決したばかりの殺人事件の犯人は、我が子を虐待し、家を失ったホームレスだった。
白部 推行(コトナ)
「悲しい、悲しい事ばかりです。」彼らの無念が、痛みが白部には分ります。
白部 推行(コトナ)
分かった上で、白部は痛みを背負っていかなければなりません。
白部 推行(コトナ)
殺人とは息抜きや趣味と言う、軽々しい言葉ではない。
”努力”なのだと。
白部 推行(コトナ)
秘密を貼ります。
GM(ミナカミ)
どうぞ。
【秘密】
ショック:全員

あなたは実は殺人鬼だ。
出世のために優秀な同僚を事故に見せかけて殺害し、殺人事件を捏造して犯人を検挙し、真実に気付いた者を葬ってきた。
今回の連続猟奇殺人事件はあなたが起こしたものではないが、これを解決すればさらなる出世が見込めるだろう。
あなたの真の【使命】は殺人鬼を捕らえ、己の手柄として報告することだ。
白部 推行(コトナ)
自分が下準備をした舞台で、上手に人が踊れるように。その利益が全て自分へと還るように。
そこに楽しみはない。ただ前を向き、日々切磋琢磨するということ。
白部 推行(コトナ)
「命を大事に出来ないものに、殺人を犯す権利なんてない」
白部 推行(コトナ)
鹿金さんを思います。彼は命を蔑ろにする男ではなかった。それでも、一線を越えられる男だ。いつか彼は僕の友人として役立ってくれる日がくるかもしれない。なにせ、僕は彼の”秘密”を知っているのだから。
白部 推行(コトナ)
天に昇った、穏やかな彼女の顔を、白部は覚えています。
幎目さんから聞いた【祈りはどこでも通じる】という言葉を、ふと思い出します。
白部 推行(コトナ)
そう。本当に大切なものを教わった。
白部 推行(コトナ)
死んだ人間は恨みで僕を殺せやしない。
白部 推行(コトナ)
自分自身、ここまでやりきり、身をもって体感した。
白部 推行(コトナ)
穏やかに見えた白木さん、街の人々も、いつでも背を押せば舞台にあげることができる。
白部 推行(コトナ)
きっちりクリーニングをかけたスーツに目をやる。明日は大事な昇進授与式だ。「…よし!」気合を入れた。
白部 推行(コトナ)
今日はぐっすりと眠れそうだ というところで〆ます!ありがとうございました!
GM(ミナカミ)
ありがとうございました。今日はひとまずしっかり休息を取って、これからも真面目に自分のやるべきことと向き合って頑張っていきましょう!
白部 推行(コトナ)
はい!ピカピカのバッチを胸に、明日も頑張ります!
GM(ミナカミ)
あとは終了後の処理をやっていきましょう~