もっと食べたい (2014/01/19 - 2014/02/08)

2年前、韮崎は一般企業に勤める会社員でした。当時の彼女は仕事上のストレスから過食症を患っており、カウンセリングを受ける日々が続いていました。
ある時、韮崎は偶然立ち寄ったアンティークショップで奇妙な像を見つけます。奇妙な雰囲気をたたえたその像に惹かれ、その像を購入して持ち帰りました。
その像こそカウンセリングルームに飾っていた像。グレート・オールド・ワンの1柱であるツァトゥグァを模したアーティファクトでした。
像にはツァトゥグァと交信出来る能力があり、ツァトゥグァはそれを通じて韮崎の「摂食障害」という病理を食し、韮崎の過食症は解消されました。
（とはいえ、根本的な治療にはなっていないので3週間程度で再発するのですが）
韮崎は「ツァトゥグァ」という名は知らないままに信者と化し、より多くの供物を捧げる為に会社員を辞めてカウンセラーへ転身しました。

さてそうして順調にツァトゥグァに病理を捧げていた韮崎のところに、ある過食症患者――石沢裕美が訪ねます。
裕美自体は何の変哲もない、御しやすい患者でした。問題は彼女の兄、石沢啓太。
彼は妹の過食症がたった一回のカウンセリングで治った事に疑問を感じ、韮崎の調査を始めました。
石沢の調査を脅威に思った韮崎は、藁にもすがる思いでツァトゥグァの像に祈りを捧げました。
するとツァトゥグァはどういった気紛れか、己の眷属である異形の落とし子を石沢に差し向けました。
異形の落とし子に取り憑かれた石沢は過食症に似た症状を発症しましたが、韮崎の件からカウンセリングそのものに不信感を抱いていた為診察を受ける事はしませんでした。
（仮に診察を受けた所で取り除く事は出来ませんが）
様々な仮説を取捨選択した石沢は、最終的に韮崎のカウンセリングは何らかの違法薬物を用いたものだと推測。
告発が可能かどうかを知る為に、以前世話になった弁護士、輪田さんに見解を聞こうと事務所を訪ねました。
そこでまさかの　＞＞＞蟹鍋＜＜＜　でセッションに至るわけです。