ヒーローアーズ (2020/05/16 - 2020/05/30)

SCENARIO INFO

Writer/リクラァカ(九頭竜堂CoCシナリオ集「仮面ノ書」収録)

本作は、「株式会社アークライト」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。
Call of Cthulhu is copyright (C)1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION

PLAYER

KP/からし
PC1/薬莱山 巴枝(ササニシキ)
PC2/八重樫 銀牙(ミナカミ)
PC3/苫堂 八塩(ゆっけ)

INDEX

1日目1日目-21日目-31日目-41日目-52日目2日目-22日目-32日目-43日目3日目-2アフタープレイ

開発室

綾坂 光(からし)
「────お願い、効いて…!!」
KP(からし)
光が呪文を唱え終わり、顔を上げる。祈るように呟く。
KP(からし)
KP(からし)
……
KP(からし)
しかし。
KP(からし)
霧峰の動きに変化はない。
霧峰 雄二(からし)
「…… 、」
霧峰 雄二(からし)
「…ハッ」
霧峰 雄二(からし)
「何をブツブツ言ってたのか知らねーが、どうやら失敗したみてェだなァ?」
霧峰 雄二(からし)
「ハハハハハハハ!ウケる!」
綾坂 光(からし)
「な、何で…!?そんな、」
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「…………!」
KP(からし)
霧峰は触手を振り上げたかと思うと、
KP(からし)
あなた達3人を触手で弾き飛ばし、壁へ叩きつける。
KP(からし)
1d3 ダメージ
Cthulhu : (1D3) → 1 → 1
KP(からし)
やさしい
八重樫 銀牙(ミナカミ)
やさ峰
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「…………ッつ、ぅ……!!」 痛い!でもやさしい!!
苫堂 八塩(ゆっけ)
「―ッ!!」かはっとなる やさしい!!
八重樫 銀牙(ミナカミ)
八重樫銀牙のHPを1減少 (12 → 11)
苫堂 八塩(ゆっけ)
苫堂 八塩のHPを1減少 (12 → 11)
KP(からし)
あなた達は背中を打ち付け、霧峰に追い詰められてしまうだろう。
綾坂 光(からし)
「み、皆さんっ…!」 近くに居た ので寄ってくる
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「……、は、……げほ……ッ」
八重樫 銀牙(ミナカミ)
「……まだ、だ……! まだやれる……ッ!」
霧峰 雄二(からし)
「────じゃ、そろそろ終わりかな」
KP(からし)
霧峰は舌なめずりをすると、その腕をドリルのように変形させる。
KP(からし)
甲高い回転音が部屋に響き渡り、回転する刃があなた達の眼前に迫った。
綾坂 光(からし)
「あ ……」
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「(まだ……まだできること……きっとある……!)」 必死に思考を巡らせる…!
苫堂 八塩(ゆっけ)
「……へ、…まだまだ…!」ずるずる立ち上がって、構えを、とる…
霧峰 雄二(からし)
「ハ、まだわかんねえのか…もう出来ることなんてねえんだよ」
霧峰 雄二(からし)
「そうだなァ、最期に言い残すことがあれば、聞いてやってもいいぜェ…!」
綾坂 光(からし)
3人を見て
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「……ないわよ、そんなの……最期になる気なんて、ないんだから……!!」
綾坂 光(からし)
ぎゅっと目を瞑った
苫堂 八塩(ゆっけ)
「そんなもんは無い …最期じゃないからな」
八重樫 銀牙(ミナカミ)
無言でネクタイをほどいて、それを霧峰にぶつけます。
霧峰 雄二(からし)
「…」
霧峰 雄二(からし)
「ああ、そうかよ…」
霧峰 雄二(からし)
「────じゃあな、無力な一般人諸君ッ!!!」
KP(からし)
迫るその瞬間に、全員が思わず目を瞑る。
KP(からし)
甲高い音が無慈悲に、1人目の身体を貫く────
KP(からし)
────ことは、なかった。
KP(からし)
甲高い回転音が止まる。
KP(からし)
目を開けますか。
苫堂 八塩(ゆっけ)
開けます!
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
開けます!
八重樫 銀牙(ミナカミ)
開けます!
KP(からし)
はい。
KP(からし)
目を開けると。
霧峰 雄二(からし)
「何ッ…!?だ、これはァ…!?」
KP(からし)
霧峰の身体が波打つ。
KP(からし)
ぼこぼこと膨れ上がり、身体を覆っていた鱗が剥がれ落ちていく光景が、あなた達には見えた。
KP(からし)
鱗の隙間からあふれ出る光は強くなり、
綾坂 光(からし)
「… え…!」
霧峰 雄二(からし)
「が、クソッ、てめえら、何を…一体何をしたあァーーーーーーーーッッ…!!!!!!」
KP(からし)
目の前で苦しみもがき、怪物はそのまま蹲る。
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「……なるほどね、そりゃそうか……少し時間がかかったってだけ……!」
八重樫 銀牙(ミナカミ)
「……効果が出るまでに、時間がかかったのか……?」
KP(からし)
鱗はやがて全て剥がれ落ち、その場に残ったのは金髪の男だけだった。
綾坂 光(からし)
「よ、 よかっ た……」
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「契約解除……成功だわ、光さん!」 思わず光ちゃんに駆け寄って
苫堂 八塩(ゆっけ)
「…」「ヒーローは、遅れてやってくるもんだ …忘れてたな」
綾坂 光(からし)
へた……
KP(からし)
手の甲にあった紋章はみるみるうちに薄まり、そのまま消えていく。
KP(からし)
気絶した霧峰の手には、階段に通じる鍵が握られていた。
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
へた……っとしたところを支えようね……
綾坂 光(からし)
「ありがとう…、皆さんのおかげです」 「本当に、よかった…」
八重樫 銀牙(ミナカミ)
「苫堂さんも薬莱山さんも綾坂さんも、お疲れ様」
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「光さんも、頑張ってくれてありがとう」 「二人もね!」
苫堂 八塩(ゆっけ)
「光さん…感謝する」「…みんな、よく頑張ったな」
KP(からし)
さて、あとは鍵で扉を開けて脱出するだけですね。
苫堂 八塩(ゆっけ)
順繰りに頭をぽんとしておこう
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
うれしい 笑って返します
KP(からし)
この部屋ももう保たなそうだ。
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「……さあ、時間がないわね!さっさと渡してくれればよかったのに、この人はもう!そろそろ崩れるわよホントに」
八重樫 銀牙(ミナカミ)
「子供扱いしないでよ」 頭をぽんされた
苫堂 八塩(ゆっけ)
「ああ、そうだな。」「…さてと、」
綾坂 光(からし)
ちょっと照れたが…
八重樫 銀牙(ミナカミ)
霧峰を雑に担いで脱出かな……
綾坂 光(からし)
「そうですね…脱出しないと、」
苫堂 八塩(ゆっけ)
霧峰を持ち上げます こいつも連れていけますかっ
KP(からし)
カアッ…いいよ 持っていきな…
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
じゃあ霧峰は男性陣に任せる!光ちゃんを補助しながら脱出します!
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
鍵もゲットする!
綾坂 光(からし)
担いだのを見て 微笑んだ
苫堂 八塩(ゆっけ)
「こいつにつく弁護士の事を思うと気の毒でならんな」冗談をいいつつ「八重樫くん、手伝ってくれ」
KP(からし)
ではあなた達は通路へ出、鍵を開けて扉を開く。
八重樫 銀牙(ミナカミ)
「わかった。弁護、意外と苫堂さんがする羽目になったりして」
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「ありえそう」 ふふ 脱出!
苫堂 八塩(ゆっけ)
「勘弁してくれ」半分笑いながら

鶴亀ラボ

KP(からし)
さて、運ばれた振動でか、階段にさしかかるあたりで霧峰が呻いて目を覚ます。
霧峰 雄二(からし)
「ぐ… …、」 目を重そうに開けて
霧峰 雄二(からし)
状況を理解したようだ
綾坂 光(からし)
「、あっ 目を覚ましました…」 ほ
苫堂 八塩(ゆっけ)
「命に別状はないか…」「何よりだ」
八重樫 銀牙(ミナカミ)
「大人しくしててね。ケンカなら後で買うから」
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「あら本当」 よかったよかった
霧峰 雄二(からし)
「…何してんだ お前ら」
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「え。だってあなた、あのまま倒れてたら瓦礫の下よ?」 当然じゃないの、と
霧峰 雄二(からし)
「俺は…お前らを殺そうとしたんだぞ…」
霧峰 雄二(からし)
「…本物のバカかよ…置いてけよ…」
八重樫 銀牙(ミナカミ)
「だからってあそこで見捨てたらプロとして失格だからね」
苫堂 八塩(ゆっけ)
「身体が勝手に動いちまった。」
苫堂 八塩(ゆっけ)
「諦めて、助けられろ。」
霧峰 雄二(からし)
目を丸くして
霧峰 雄二(からし)
それからまた重そうに目蓋が下りる
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「違いないわね」 ふふ >身体が勝手に
霧峰 雄二(からし)
「… 何の プロだよ」 「バカが…… ……」
KP(からし)
再び気を失った霧峰の目の端には、微かに涙が浮かんでいるように見えた。
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「ふふ、バカで結構よ。あなたはそのバカに運ばれてるの」
苫堂 八塩(ゆっけ)
「…」黙って、口元に笑みだけ浮かべる。
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「光さん、足は平気? もう少しよ」 そう言葉を掛けながら、光さんを補助しながら進んでます!
綾坂 光(からし)
同じように笑って 「はい。大丈夫です…!」 手を貸しながらのぼるね
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
つよいこだ……がんばってのぼろうね(よいしょよいしょ
KP(からし)
階段を登り、正面玄関を駆け抜け、外へと出る。
KP(からし)
振り返れば、夜の闇の中で建物が煌々と燃え盛り、黒煙をあげていた。
KP(からし)
サイレンの音が近づいてくる。

自然公園

KP(からし)
目の前で、ラボが轟音をたてて炎に呑まれ、崩れていく。
KP(からし)
それと同時に、
KP(からし)
光の持っていた魔導書が淡い光を放ち、刹那、
KP(からし)
青白い炎をあげて消えた。
綾坂 光(からし)
「、わっ!?」
八重樫 銀牙(ミナカミ)
「本が……!」
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「!」
KP(からし)
どこからともなく、邪悪な笑い声が聞こえた気がした。SANC【1/1D3】。
苫堂 八塩(ゆっけ)
「!?大丈夫か、光さん…!」手が!
綾坂 光(からし)
「だ、大丈夫です…不思議と熱くはなかったんですけど」
綾坂 光(からし)
「今の…声は…」
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
思わず手を見るけど 火傷してない!よかった!
苫堂 八塩(ゆっけ)
「そ、そう…か…」
苫堂 八塩(ゆっけ)
CCB<=78 SANチェック
Cthulhu : (1D100<=78) → 61 → 成功
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
ccb<=65 SAN
Cthulhu : (1D100<=65) → 98 → 致命的失敗
八重樫 銀牙(ミナカミ)
「……でも、あの本は消えてしまった方が良かったと……思う……」
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
苫堂 八塩(ゆっけ)
八重樫 銀牙(ミナカミ)
KP(からし)
八重樫 銀牙(ミナカミ)
ccb<=38 SANチェック
Cthulhu : (1D100<=38) → 77 → 失敗
八重樫 銀牙(ミナカミ)
1d3
Cthulhu : (1D3) → 2 → 2
KP(からし)
FBのアレはないんでご安心ください
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
ふふ はい!
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
1d3
Cthulhu : (1D3) → 3 → 3
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
ふふ
八重樫 銀牙(ミナカミ)
八重樫銀牙のSANを2減少 (38 → 36)
苫堂 八塩(ゆっけ)
「…そうだな。これでよかったのだろう」銀牙さんの言葉に頷きつつ
苫堂 八塩(ゆっけ)
苫堂 八塩のSANを1減少 (78 → 77)
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「……普通なら絶対にお目にかかれないような本だったのよね……きっと」 うすら寒さが復活してきた
綾坂 光(からし)
「はい…きっと」 もえてよかった
KP(からし)
さて、そうしていると…
KP(からし)
崩壊するラボの中から、人影が見えた。
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
どちら様ですか!! みます
苫堂 八塩(ゆっけ)
誰だ…!?よく見てみます!
八重樫 銀牙(ミナカミ)
みます!
KP(からし)
はい……
KP(からし)
全身に火傷を負い、それでもなお自力で脱出してきた人物────
渋崎 蓮(からし)
「ぐう …っ…、」
KP(からし)
────それは、渋崎蓮だった。
KP(からし)
彼はあなた達の目の前で力尽きたように倒れる。
KP(からし)
手の甲の紋章は徐々に薄まり、あなた達の見ている前で完全に消滅した。
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「……渋、崎……!」
苫堂 八塩(ゆっけ)
生きているか確認できますか!?
KP(からし)
いきてるよ!
苫堂 八塩(ゆっけ)
よかった!!
八重樫 銀牙(ミナカミ)
「渋崎……!」 生きてる! ヨシ!
渋崎 蓮(からし)
「…ぜだ…」
KP(からし)
渋崎は誰に言うでもなく、地を掻きながら呟く。
渋崎 蓮(からし)
「力は…正義だ。力がなくては何も守れない、」
渋崎 蓮(からし)
「力が欲しい…力がなければ何も救えないんだ、私は、…私は────」
渋崎 蓮(からし)
「………、」
渋崎 蓮(からし)
顔だけを上げて あなた達を見る
渋崎 蓮(からし)
「…何故だ…。私とお前たちの、何が違うというんだ…」
綾坂 光(からし)
「…、渋崎さん …」
八重樫 銀牙(ミナカミ)
「力は確かに大事だけど、それよりも、その力をどこにどうやって使うかが大事なんだと思う」
苫堂 八塩(ゆっけ)
「……それに答える事は難しい ただ、…」「…頼るものを間違えたんだろう、貴様は」
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「……そうね。力の有る無しよりも先に……進む場所を間違えたんだと思う」
渋崎 蓮(からし)
「…、」
渋崎 蓮(からし)
「…私は結局…何も救えなかった。すまない… すまない、政義……、」
苫堂 八塩(ゆっけ)
「だがな…渋崎 貴様は間違えただけだ。…それなら、まだ引き返せる」
渋崎 蓮(からし)
苫堂さんを 力なく見て
苫堂 八塩(ゆっけ)
「だから今は休め」「休んで、起きたら飯でも食って…」「それから、ゆっくり考えよう」
苫堂 八塩(ゆっけ)
「力になる。貴様が望めば…だがな」 服に自分の名刺を…押し込みますね
渋崎 蓮(からし)
「……、」 呆然と されるがままにして
渋崎 蓮(からし)
「…… あり がとう」 目を伏せて 呟いた。
KP(からし)
渋崎は力なく顔を俯せ、静かに涙していた。
KP(からし)
それから数分も経たないうち、消防車が到着する。
KP(からし)
建物の消火が始まると同時に、あなた達は消防士に保護されるだろう。
KP(からし)
あなた達は救急車の中、それぞれ毛布を渡されながら
KP(からし)
これまでの疲労か、あるいは安堵か、
KP(からし)
気絶するように眠りにつく。
その後、あなた達3人は病院での手当と、警察官による取り調べを受けることになる。
警察官の話によると、一連の事件の流れもあり、
あなた達は被害者として扱われているようだ。
崩落した施設での救助活動も続いており、被害状況は警察側でもまだ完全には把握できていないらしい。
霧峰は警察に引き渡され、これから受けるべき罰を受けることになるだろう。
渋崎も命に別状はなく、手当てを受けた後、犯した罪に見合った贖罪をしていくことになる。
苫堂さんは、また彼に会う機会もあるかもしれない。

思い返せば、一昨日からの出来事がまるで夢のように思えるだろう。

全てが終わったのはその日の夕方。
建物の焼け跡からは奇跡的に荷物が見つかったようで、無事手元に戻ってきた。
そしてその中にはなぜか────壊れたドリームドライバーも含まれていたのだった。
今となっては音が鳴るだけの玩具となってしまったそれに、少し物寂しさを感じることだろう。

鶴亀博士とも無事に再会することができ、
彼はあなた達の持つ壊れたドライバーを見ると、手土産とばかりに、それを思い思いに加工してくれた。

星都市

KP(からし)
さて。
KP(からし)
探索者たちの休暇も最終日。
KP(からし)
明日からはそれぞれの日常へと戻らなければならない。
KP(からし)
それぞれ荷物をまとめ、鶴亀博士がくれたストラップなどを手に、星都市の駅へと向かうことになる。
KP(からし)
…最初の日のような黄昏時。
KP(からし)
見送りには、光がついてきている。
KP(からし)
星都市駅の入り口前、ビルの巨大なモニターには
KP(からし)
遊園地で戦いを繰り広げるあなた達の映像が繰り返し流されている。
KP(からし)
アクション映画のように、街の平和を守るために怪物と戦うヒーロー。
KP(からし)
そのヒーローがここにいる探索者たちであるということを知る人物は、ほんの一握りだろう。
綾坂 光(からし)
ふと 立ち止まって
綾坂 光(からし)
モニターを見上げた
綾坂 光(からし)
「…あの。皆さんにとって、"ヒーロー"って… どんな存在でしたか」
KP(からし)
光はモニターから目を外さないまま、探索者達に問う。
八重樫 銀牙(ミナカミ)
「改めて聞かれると難しいな……」
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「……そうねえ……どんな存在、かぁ……」
苫堂 八塩(ゆっけ)
「………」
綾坂 光(からし)
「ふふ そうですよね…」 モニターからあなた達へ 目を移した
綾坂 光(からし)
「お父さんとお母さんが、昔言ってたのを思い出して…」
綾坂 光(からし)
「"ヒーロー"っていうのは、別に戦わなくてもいいんですって」 モニターをもう一度見上げた
綾坂 光(からし)
「特別な力なんていらないんです。ヒーローって言うのは…」
綾坂 光(からし)
あなた達を順番に見て
綾坂 光(からし)
「…誰かに寄り添って、どんな時でも迷わず、困ってる人を救ってあげる人。」
綾坂 光(からし)
「気付けば簡単なのに… なかなか出来ないことですよね」 ふふとして
綾坂 光(からし)
「…皆さん、本当にありがとうございました」
綾坂 光(からし)
ぺこりとした
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「それを思えば、誰だってヒーローになれる。ヒーローは……色んな人の、心の奥にある存在」 きっとそういうことね、と笑います
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「光さんも、ありがとう。また会う機会があれば」
八重樫 銀牙(ミナカミ)
「ヒーローとして当然のことだから、お礼なんていらないよ」 「……なんてね。ちょっと恥ずかしいな」
苫堂 八塩(ゆっけ)
光ちゃんの言葉を聞きながら、微笑んで、それから頭を下げました。
綾坂 光(からし)
嬉しそうに笑った 「はい…!」
KP(からし)
と、その時。
KP(からし)
別の方向から、あなたたちに声をかけてくる人物がいる。
老婦人(からし)
「おやまあ、あなたたちは一昨日の…」
老婦人(からし)
「偶然だねぇ」にこにこ
少年(からし)
「こんにちは!」 げんきだ
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「!」 そっちを見た 「おばあさん……!」
KP(からし)
そこにいたのは、引ったくり事件の被害者であったあの老婦人だった。
KP(からし)
近くには孫らしい少年がおり、その手にはヒーローのフィギュアを持っている。
八重樫 銀牙(ミナカミ)
「あの時の……こんにちは」
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「こんにちは」 にこり
苫堂 八塩(ゆっけ)
「!」「こんにちは…お元気そうで。お孫さんですか」
綾坂 光(からし)
「こんにちは。」 ふふとした 少年をみて屈む
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
ヒーローのフィギュア……!と嬉しい気持ちになってしまう
老婦人(からし)
「ええ、そうなの。この間のこれね、ずうっと持ち歩いてて…」 ふふ
少年(からし)
「あっ!!!」
KP(からし)
よく見ればその少年は、あなた達3人が遊園地で助けた少年だった。
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「………!」 ナンダッテー!!!!
KP(からし)
最後に かっこよかった!って言って去って行った少年ですね。
KP(からし)
彼はモニターを指さして興奮気味に言う。
少年(からし)
「僕ね!あのヒーローに助けてもらったことあるんだよ!!」
少年(からし)
「すごいんだよ!!!ホントにかっこいいんだ!!!!!」
苫堂 八塩(ゆっけ)
「ほーう。それは、凄いな。」屈んで、頭をポンとする
八重樫 銀牙(ミナカミ)
「それはすごい体験だったね」
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「ふふ、本当にね。すごいわ」
綾坂 光(からし)
「すごい…いいなあ」 にこにこしてた
少年(からし)
へへへ…とうれしそうに笑って
少年(からし)
「…僕もいつか、あんなヒーローになれるかなぁ」
少年(からし)
目をきらきらさせて モニターを見上げた
八重樫 銀牙(ミナカミ)
「困っている人がいたら傍に行って助けてあげる。そうしていたらヒーローになれるよ」
少年(からし)
きょと…
少年(からし)
「変身できるようになる?」
苫堂 八塩(ゆっけ)
「できるかもな。けど、」「もしできなくったって、ヒーローにはなれるんだぜ。」
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「………」 やり取りを見ながら ふふ、と笑ってました 「ええ、なれるわ。きっと」
少年(からし)
「そうなの…?」 「!」
苫堂 八塩(ゆっけ)
「大事なのはここんとこだから。な。」少年の胸を優しくトンと押す
少年(からし)
「ここ!」 へへ… とうれしそうに笑った
綾坂 光(からし)
「…うん。きっとね」 笑って それをみていた
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「『誰かを助けたい』って、胸がぎゅっと熱くなる時がきたら」「あなたはもう、ヒーローよ」
老婦人(からし)
ともえさんの言葉に 優しく微笑んで
老婦人(からし)
少年の頭をなでた
老婦人(からし)
「あら、ごめんなさい長く引き止めちゃって…」 「帰る途中かしら?」 荷物を見て 気付いたようだった
老婦人(からし)
「気に入ったなら、是非また遊びにいらしてね。星都市に」
苫堂 八塩(ゆっけ)
「ああ…」は…「いえ、此方こそ申し訳ない」よっこら立ち上がりつつ
八重樫 銀牙(ミナカミ)
「いえ、別に急いでもなかったですし、また会えてよかったです」
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「いえ、大丈夫ですよ。時間には余裕があったので……お元気そうな姿が見れて良かったです」
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
また遊びに来てね、には「……はい!」と笑顔で
老婦人(からし)
「私こそ、会えてよかったわ」 「ほら、お兄ちゃんお姉ちゃんたちにバイバイして」
少年(からし)
「ばいばい!!!」 めっちゃ手を振った
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
ばいばい返した!!(手を振る
八重樫 銀牙(ミナカミ)
控えめに手を振りました
苫堂 八塩(ゆっけ)
「ばいばい。」手を振り返した!
綾坂 光(からし)
「ばいばい」 ふふ 笑顔で見送った
少年(からし)
「あくをとらえるときのきばー!」 なんでいいつつ 遠ざかっていった
八重樫 銀牙(ミナカミ)
「(……恥ずかしい……)」 思わず耳が赤くなった
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
超笑顔で八重樫さんをツンツンした
苫堂 八塩(ゆっけ)
「人気じゃないか。」ちょっとからかうように言ってから頭をワシワシ
綾坂 光(からし)
「?」 なんのことだろう?という顔だった
八重樫 銀牙(ミナカミ)
「やめ、やめて……思った以上に恥ずかしい……」
苫堂 八塩(ゆっけ)
「こうやって大人になってくんだろうなあ。」その様子見ながらまたモニター見上げ
綾坂 光(からし)
「そうですか…?カッコいいと思いますよ…?」 これはなんもしらん人の褒め
八重樫 銀牙(ミナカミ)
「ほ、ほら! 次の電車いつですか!」
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「ふふふ」と笑ってから 「はいはい。ええと……時刻表時刻表……」
苫堂 八塩(ゆっけ)
「(…ああ。)」「…いい夢だったな」ぽつりとつぶやいて
苫堂 八塩(ゆっけ)
「やれやれ」時刻表みながらいった
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「本当、夢を見ているくらいにドタバタし続けた三日間だったわね……」
八重樫 銀牙(ミナカミ)
「でも、夢じゃないから。また一緒に出掛けたり飲みに行ったりしよう」
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「死ぬかと思ったし、ものすごく大変だったけど」「不思議と、この出来事の当事者になれてよかったなあって気分」
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「………ええ!勿論」
苫堂 八塩(ゆっけ)
「…ああ。」
八重樫 銀牙(ミナカミ)
「……今度は悪酔いしない良いお酒置いてる店探さないとな……」
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「……今度は吐かないように頑張るから……」
苫堂 八塩(ゆっけ)
「ああ…」
綾坂 光(からし)
にこにこして 3人を見ていた 「っふふ…」
綾坂 光(からし)
「皆さん、いつかまた。」 
KP(からし)
改札までくれば、光はあなた達へ手を振って見送ることだろう。
KP(からし)
星都市と別れ、あなた達はまた 慌ただしい日常に帰っていく。
KP(からし)
例え変身できなくなっても、特別な力を失ってしまっても
KP(からし)
優しさと、勇気と、仲間と共に
KP(からし)
いつか、人々を守る為に戦ったヒーローの姿は
KP(からし)
また誰かの道標となっていくのだろう。
      子供の頃自分が憧れていたヒーローって、どんな姿をしていたっけ。
         仮面で正体を隠しながら悪の組織と戦う、戦士だっけ。
         キラキラしたアイテムで変身する、魔法使いだっけ。
       自分が思い描いていた理想のヒーローって、どんな姿だっけ。

        大人になって、あの頃に思い描いていた自分になれていなくても。
    きみたちの生きるこの世界が、悪意と恐怖と狂気に満ちた場所であったとしても。
                きっと、きみなら大丈夫。
            ────夢じゃない。きみはヒーローになれる。
              決して忘れないで。その優しい心を。
KP(からし)
帰宅ラッシュの少し前の時刻、電車の中は普段通勤している時より落ち着いていた。
KP(からし)
さて… 全員目星をどうぞ。
苫堂 八塩(ゆっけ)
CCB<=80 目星
Cthulhu : (1D100<=80) → 29 → 成功
八重樫 銀牙(ミナカミ)
ccb<=70 目星
Cthulhu : (1D100<=70) → 31 → 成功
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
ccb<=80 目星
Cthulhu : (1D100<=80) → 97 → 致命的失敗
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
なんで
KP(からし)
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
どうして
八重樫 銀牙(ミナカミ)
苫堂 八塩(ゆっけ)
KP(からし)
なんでだろうなあ…
KP(からし)
あなた達はふと前方を見上げた時、夕焼けの中、
KP(からし)
屋根の上や建物の間を飛び移っていく何者かが見えたような────そんな気がした。
KP(からし)
ともえさんは同時にめっちゃ足を踏まれた。
KP(からし)
目を離した隙にその姿は見えなくなったし、
KP(からし)
目を凝らしてもう一度見ても、それはどこにも見当たらなかった。
KP(からし)
…それでもきっと、見間違いなどではないのだろう。
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
「(!!トワイライトさ……)(あいっっったぁぁぁぁっぁぁーーーーーーーーーーーー!?!?!?!)」
八重樫 銀牙(ミナカミ)
「(……! よかった、やっぱり元気だった)」
苫堂 八塩(ゆっけ)
静かに笑った。
KP(からし)
電車内に、その声はよく響くのだった。
                  Call of Cthulhu
                   ”ヒーローアーズ”

             スズランナデシコ / 薬莱山 巴枝

                 - ササニシキ

             シュヴァルツシルト / 苫堂 八塩

                  - ゆっけ

             シルバーファング / 八重樫 銀牙

                  - ミナカミ

       収録:九頭竜堂CoCシナリオ集「仮面ノ書」

                   著:リクラァカ

                   KP / karashi
KP(からし)
ヒーローアーズ Season9 クランクアップ!
KP(からし)
お疲れ様でした!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
苫堂 八塩(ゆっけ)
お疲れ様でしたーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
八重樫 銀牙(ミナカミ)
お疲れ様でした~!!!
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
クランクアップおつかれさまでしたーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!
苫堂 八塩(ゆっけ)
すごいシナリオだった~~~~~~~~~~~~~~~…!!!!大好き
八重樫 銀牙(ミナカミ)
すごかったねえ……ニチアサ見たことほぼないけどニチアサを感じた
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
本当、すごいシナリオだった……
薬莱山 巴枝(ササニシキ)
ニチアサを見たことが無くても熱さで胸がぎゅっとなってくれたのなら君はもうニチアサの民だ……
苫堂 八塩(ゆっけ)
ようこそヒーロー…