No.172, No.159, No.158, No.157, No.156, No.153, No.142[7件]
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最強のチョコボを育ててレースのテッペン取ろうぜ系コンテンツ。
だいたいの流れ
チョコボには血統レベル1~9(以降血統レベルはGradeと記載)まであって、「レースに出場してランクを40まで上げて引退する」「引退チョコボと同じGradeの異性のチョコボとカップリングする」ことで次のGradeのチョコボが生まれる。
Gradeを上げながらステータスも上げて行って、最終的にGrade9かつパラメーターもアビリティも最強のチョコボを作るのが目的になる。
パラメーターについて
最高速力:最高速度
加速力 :最高速度に達するまでの時間
体力 :消費可能な体力の最大値
持久力 :体力の消費量
適応力 :コース地形による減速を受ける度合い
最高速力・体力・持久力>適応力>加速力の順で重要。
とはいえ加速力を完全に捨てていいわけではない。
また、フォダーによるパラメーターの底上げは最強チョコボ育成時以外は不要。
チャレンジレースにどうしても勝ちたいけどあと少しで勝てない時に使う程度で良い。
パラメーター画面には「Current」と「Parentage」があるが、そのチョコボのパラメーターに影響するのは「Current」の方。
「Parentage」は引退後のカップリング時に影響する。
アビリティは厳選要素がないため、Grade9かつ「Current」の全パラメーターが★4のチョコボを作ることがメインの課題になる。
・Gradeや★の数が具体的にどう影響するか
Gradeが1上がる毎に全パラメーターの最大値が+40、★が1つ増えるごとにそのパラメーターの最大値が+40され、Grade9かつ★4のパラメーターの最大値は500になる。
ステータスの初期値は最大値の11%(小数点以下切り捨て)で、ランクアップ時はランダムで5回、いずれかのステータスが最大値の1%上昇する。
例えばGrade2かつ★4(最大値220)の場合は初期値24でランクアップ時は2ずつ上昇し、
Grade9かつ★4(最大値500)の場合は初期値55でランクアップ時は5ずつ上昇することになる。
アビリティについて
「先天性アビリティ」と「後天性アビリティ」の2つを覚えることができる。
先天性アビリティは両親のどちらかのアビリティを引き継いで変更は不可、
後天性アビリティは教本を使って覚えさせて変更も可。
・定番のアビリティ
経験値アップ
体力消耗軽減
チョコダッシュ(一定時間加速)
チョコケアル(スタミナ回復)
スーパーダッシュ(天候・地形効果を無視して体力が0になるまでダッシュ)
Grade上げや最強チョコボのランク上げの間は経験値アップ+任意の何かで育成する。
最強チョコボのランク上げの時は、後天性アビリティに経験値アップを付けて、先天性アビリティは経験値アップ以外のどれかにすること。
ランクを上げきったら経験値アップを忘れさせて上記のどれかをもう1つ覚えさせる。
なので、最強チョコボ作成用の親鳥引退時に覚えさせるアビリティには気を付けること。
カップリングについて
・Grade
♂♀のうち低い方のGrade+1のチョコボが生まれる。
Grade1チョコボ×Grade9チョコボをカップリングしても、生まれるのはGrade9ではなくGrade2。
・パラメーター
子のParentageの決定→Currentの決定の流れでパラメーターが決まる。
子のParentageは♂の部分は父親から、♀の部分は母親から継承する。
父親のParentageが ☆☆☆★ ☆☆★★ の場合、子のParentageの♂部分は☆☆☆★か☆☆★★になり、
母親のParentageが ☆★★★ ★★★★ の場合、子のParentageの♀部分は☆★★★か★★★★になる。
仮に子のParentageが☆☆★★ ★★★★になった場合、Currentは左記のどちらかがランダムに選ばれる。
・カップリングの方針
引退チョコボのカップリング回数は10回までと制限があるので、Grade8でParentageが全て★★★★の♂♀チョコボを作るのがベスト。
★を増やすのはいいカップリングチョコボを引いていいParentageになるという二重のガチャになるため、早い段階から意識して★★★★を増やしていく。
カップリング例
実際にGrade2のチョコボを引退~カップリングさせた時のやつ。

引退したGrade2チョコボのパラメーター。
「Current」と「Parentage」があるが、カップリングにおいて必要なのは「Parentage」の方。

カップリングチョコボ権利証を買ってカップリングさせる。
権利証ガチャがかなりいい結果で、一番いいパターンだと子のParentageが♂の方で★★★★が3つ、♀の方で★★★★が2つできるようになる。
……が、実際は♂の方に★★★★が2つだけだったのでガチャはままならない。結果のスクショは取り忘れた。
実際に育てた記録

G1~G3。この時は血統書ガチャでなるべく★4を増やした。

G4。全ステータスのどこかしらに★4が出たのでここからは♂♀両方育てて★4の数を増やしていく。



G5~G7。

G8でオール★4が出たけど、G9の先天性アビリティを体力消耗軽減IIIにしたかったのに、うっかり先天性を体力消耗軽減IIにしてIIIを覚えさせられない事態に。

というわけでG9でも♂♀を育てて先天性アビリティに体力消耗軽減IIIを設定。

こうして生まれたのが最高のG9。
参考
【チョコボレース】育成と色厳選のまとめ
https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone...
チョコボレースの育成!【5.x】
https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone...
Neko Yamada氏のチョコボレース関連解説
https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone...
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最強のチョコボを育ててレースのテッペン取ろうぜ系コンテンツ。
だいたいの流れ
チョコボには血統レベル1~9(以降血統レベルはGradeと記載)まであって、「レースに出場してランクを40まで上げて引退する」「引退チョコボと同じGradeの異性のチョコボとカップリングする」ことで次のGradeのチョコボが生まれる。
Gradeを上げながらステータスも上げて行って、最終的にGrade9かつパラメーターもアビリティも最強のチョコボを作るのが目的になる。
パラメーターについて
最高速力:最高速度
加速力 :最高速度に達するまでの時間
体力 :消費可能な体力の最大値
持久力 :体力の消費量
適応力 :コース地形による減速を受ける度合い
最高速力・体力・持久力>適応力>加速力の順で重要。
とはいえ加速力を完全に捨てていいわけではない。
また、フォダーによるパラメーターの底上げは最強チョコボ育成時以外は不要。
チャレンジレースにどうしても勝ちたいけどあと少しで勝てない時に使う程度で良い。
パラメーター画面には「Current」と「Parentage」があるが、そのチョコボのパラメーターに影響するのは「Current」の方。
「Parentage」は引退後のカップリング時に影響する。
アビリティは厳選要素がないため、Grade9かつ「Current」の全パラメーターが★4のチョコボを作ることがメインの課題になる。
・Gradeや★の数が具体的にどう影響するか
Gradeが1上がる毎に全パラメーターの最大値が+40、★が1つ増えるごとにそのパラメーターの最大値が+40され、Grade9かつ★4のパラメーターの最大値は500になる。
ステータスの初期値は最大値の11%(小数点以下切り捨て)で、ランクアップ時はランダムで5回、いずれかのステータスが最大値の1%上昇する。
例えばGrade2かつ★4(最大値220)の場合は初期値24でランクアップ時は2ずつ上昇し、
Grade9かつ★4(最大値500)の場合は初期値55でランクアップ時は5ずつ上昇することになる。
アビリティについて
「先天性アビリティ」と「後天性アビリティ」の2つを覚えることができる。
先天性アビリティは両親のどちらかのアビリティを引き継いで変更は不可、
後天性アビリティは教本を使って覚えさせて変更も可。
・定番のアビリティ
経験値アップ
体力消耗軽減
チョコダッシュ(一定時間加速)
チョコケアル(スタミナ回復)
スーパーダッシュ(天候・地形効果を無視して体力が0になるまでダッシュ)
Grade上げや最強チョコボのランク上げの間は経験値アップ+任意の何かで育成する。
最強チョコボのランク上げの時は、後天性アビリティに経験値アップを付けて、先天性アビリティは経験値アップ以外のどれかにすること。
ランクを上げきったら経験値アップを忘れさせて上記のどれかをもう1つ覚えさせる。
なので、最強チョコボ作成用の親鳥引退時に覚えさせるアビリティには気を付けること。
カップリングについて
・Grade
♂♀のうち低い方のGrade+1のチョコボが生まれる。
Grade1チョコボ×Grade9チョコボをカップリングしても、生まれるのはGrade9ではなくGrade2。
・パラメーター
子のParentageの決定→Currentの決定の流れでパラメーターが決まる。
子のParentageは♂の部分は父親から、♀の部分は母親から継承する。
父親のParentageが ☆☆☆★ ☆☆★★ の場合、子のParentageの♂部分は☆☆☆★か☆☆★★になり、
母親のParentageが ☆★★★ ★★★★ の場合、子のParentageの♀部分は☆★★★か★★★★になる。
仮に子のParentageが☆☆★★ ★★★★になった場合、Currentは左記のどちらかがランダムに選ばれる。
・カップリングの方針
引退チョコボのカップリング回数は10回までと制限があるので、Grade8でParentageが全て★★★★の♂♀チョコボを作るのがベスト。
★を増やすのはいいカップリングチョコボを引いていいParentageになるという二重のガチャになるため、早い段階から意識して★★★★を増やしていく。
カップリング例
実際にGrade2のチョコボを引退~カップリングさせた時のやつ。

引退したGrade2チョコボのパラメーター。
「Current」と「Parentage」があるが、カップリングにおいて必要なのは「Parentage」の方。

カップリングチョコボ権利証を買ってカップリングさせる。
権利証ガチャがかなりいい結果で、一番いいパターンだと子のParentageが♂の方で★★★★が3つ、♀の方で★★★★が2つできるようになる。
……が、実際は♂の方に★★★★が2つだけだったのでガチャはままならない。結果のスクショは取り忘れた。
実際に育てた記録

G1~G3。この時は血統書ガチャでなるべく★4を増やした。

G4。全ステータスのどこかしらに★4が出たのでここからは♂♀両方育てて★4の数を増やしていく。



G5~G7。

G8でオール★4が出たけど、G9の先天性アビリティを体力消耗軽減IIIにしたかったのに、うっかり先天性を体力消耗軽減IIにしてIIIを覚えさせられない事態に。

というわけでG9でも♂♀を育てて先天性アビリティに体力消耗軽減IIIを設定。

こうして生まれたのが最高のG9。
参考
【チョコボレース】育成と色厳選のまとめ
https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone...
チョコボレースの育成!【5.x】
https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone...
Neko Yamada氏のチョコボレース関連解説
https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone...
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アルキスと二十日さん宅バラマンドさんのSS
シャンデリア、肉、酒、宝飾品、香辛料、笑い声、魚、香水、楽団。
人間と情報の洪水の渦中にあって、その人の周りだけぽっかりと空洞のようになっていた。髪を整え礼服を身に纏っているが、血と消毒薬と火薬の匂いを漂わせている。贅の限りを尽くした立食パーティーではなく、戦場に生きる人だ。
「こんばんは。バラマンド様とお見受けします」
彼――バラマンドはこちらをちらりと見て、すぐに視線を外した。
「ボクはアルキスと申します。ハルオラの外交官を務めておりまして、バラマンド様にお会いしたいと思っておりました」
「酒も飲めねぇガキが外交官とは、ハルオラの未来は安泰だな」
「はい。ハルオラの……いいえ、もっとたくさんの未来のためにボクはここにいます」
アルキスがにこりと微笑むと、バラマンドはふんとため息をついてシャンパンをあおった。それに合わせてアルキスも炭酸水を一口飲む。ハルオラのものと比べて随分と炭酸が強い。
「で、話は何だ。ただおしゃべりするために来たんじゃないだろう」
「ボク個人としてはそれでもいいんですけどね」
一歩、距離を詰めて声を落とす。笑い声とアップテンポな曲に満ちた空間の中で、バラマンド以外の誰の耳にも届かない。
「近いうちに、世の中が大きく乱れます」
怪訝そうに目を細めるバラマンドに対して、アルキスは先程までと全く同じ微笑を浮かべながら生ハムが乗った小さなパンを食べた。むやみに塩辛い。
「もしそうなっても、ハルオラとバハマリアは仲良くしませんか? 軍事的にも経済的にもお互いを攻撃することはせず、支え合うのが一番だと思うんですよ」
「まるでデカい戦争が起こるみたいな言い方だな」
「まるで、ではないですよ」
ハルオラは今、隣国との小さな揉め事を抱えている。どちらかというと隣国に非があるが、政治的、経済的な思惑が絡まり、なかなか解決せずにこじれ続けている。あれが火種になる。火種にしてみせる。
バラマンドは串焼きの肉を齧りながら目を伏せた。アルキスが見上げるとちょうど目が合うくらいだが、視線が合うことはない。
「バハマリアじゃ、マフィアを潰すためにそのマフィアや敵対するマフィアと『仲良く』するのはザラにあってな。最後はどうなると思う」
「その言い方だと、お友達ではなくなるのでしょうね」
「分かってんじゃねえか。最後は全員ブタ箱行きだ」
バラマンドはぐっと身をかがめた。嗅ぐだけで頭がくらくらするような、強い酒の匂いがする。
「アルキスって言ったか? 二つ聞かせてもらおうか」
「はい」
「何故俺にその話をした? バハマリアは友達ごっこに付き合うようなお人好しな国だと思っているのか?」
値踏みするような視線。ハルオラであってもバハマリアであっても、投げかけられる視線は変わらない。
「まず、そちらの大統領にはボクよりもっと上の者が話を通すでしょう。ボクがバラマンド様に声をかけたのは、アナタはいつかバハマリアに欠かせない存在になると思ったからです」
「何故そう思った」
「いくつもの戦場に行って生きて帰ってきて、個人の強さだけではなく人を率いて動かす冷静さもある。『戦いに勝つ力』がずば抜けて高い。バハマリアに来るにあたって沢山勉強する中で、声をかけるならアナタしかいないと結論付けました」
若造であるアルキスが話しかけることを許された人間の中には、バラマンドより高い地位の者も存在する。
しかし、今は良くても数年後はどうなる?
バハマリアとは長い付き合いになる。ならば、この陰謀と闘争が渦巻くバハマリアを生き抜く力を持つ者と親交を深めるべきだろう。
「友達ごっこの方は、本当に友達になれとは言いません。でも、面倒事は起こさないと約束できたら互いの負担は減るじゃないですか。それに仲違いをしないということは、世の中が乱れてもハルオラはそちらの資源が、バハマリアはこちらの食料品が手に入りやすい。利のある関係だと思いますよ」
「利のある関係だとしても、最後はよくてブタ箱行きだろう」
「まさか。ボクは最後までバハマリアと手を取りたい。でも、そう言って信じて頂けるわけがないので、こう言い換えましょう」
バラマンドの目をまっすぐに見る。
「バハマリアは、ハルオラに負けるほど弱い国ではないでしょう?」
数秒の沈黙。
それを破るように、バラマンドがぶはっと噴き出した。
「……ハッ。そりゃそうだ」
バラマンドの周りから重苦しい空気が消えた。「ちょっと待ってろ」と言ってその場から離れて、少ししてから両手に大ぶりのタコスを手に戻ってきた。
「ほらよ」
片方のタコスをぶっきらぼうに渡される。手に取ってみるとずしりと重く、ほんの少しの野菜と牛肉の小さなサイコロステーキがこれでもかと詰まっていて、真っ赤なソースがふんだんにかかっていた。
「ありがとうございます。頂きます」
アルキスが端からかじり始めた一方で、バラマンドは大きな口を開けてがぶりと食らいつく。細かな野菜がこぼれ落ちることも厭わない豪快な食べっぷりは、彼がまるで違う文化の育ちであることを示していた。
アルキスは己のペースを崩さず野菜をこぼさないように慎重に食べ進めていたが、ソースがたっぷりかかった肉を口にして動きが止まった。その様子を見てバラマンドはニヤニヤと笑っている。
「……あ、あの……」
「何だ、バハマリア自慢の料理がまずくて食えたもんじゃないってか」
アルキスは小さく何度も首を横に振った。
「美味しい、です、けど」
炭酸水を飲む。刺激が強くて口の中がまるで休まらない。
「ぼ、ボクには辛味が強すぎて……」
「だろうなあ!」
バラマンドはゲラゲラと笑いながらアルキスの肩を何度も叩いた。同じソースがかかっていたはずなのに、彼の手から既にタコスは消えていた。
「これからバハマリアと対等に付き合うつもりなら、これを笑顔で食えるようになるんだな」
「精進します……」
――それからしばらくして、アルキスの言葉通り戦争が始まり、ハルオラとバハマリアの不可侵条約が締結された。
長く続く灰の時代の始まりであった。
畳む
シャンデリア、肉、酒、宝飾品、香辛料、笑い声、魚、香水、楽団。
人間と情報の洪水の渦中にあって、その人の周りだけぽっかりと空洞のようになっていた。髪を整え礼服を身に纏っているが、血と消毒薬と火薬の匂いを漂わせている。贅の限りを尽くした立食パーティーではなく、戦場に生きる人だ。
「こんばんは。バラマンド様とお見受けします」
彼――バラマンドはこちらをちらりと見て、すぐに視線を外した。
「ボクはアルキスと申します。ハルオラの外交官を務めておりまして、バラマンド様にお会いしたいと思っておりました」
「酒も飲めねぇガキが外交官とは、ハルオラの未来は安泰だな」
「はい。ハルオラの……いいえ、もっとたくさんの未来のためにボクはここにいます」
アルキスがにこりと微笑むと、バラマンドはふんとため息をついてシャンパンをあおった。それに合わせてアルキスも炭酸水を一口飲む。ハルオラのものと比べて随分と炭酸が強い。
「で、話は何だ。ただおしゃべりするために来たんじゃないだろう」
「ボク個人としてはそれでもいいんですけどね」
一歩、距離を詰めて声を落とす。笑い声とアップテンポな曲に満ちた空間の中で、バラマンド以外の誰の耳にも届かない。
「近いうちに、世の中が大きく乱れます」
怪訝そうに目を細めるバラマンドに対して、アルキスは先程までと全く同じ微笑を浮かべながら生ハムが乗った小さなパンを食べた。むやみに塩辛い。
「もしそうなっても、ハルオラとバハマリアは仲良くしませんか? 軍事的にも経済的にもお互いを攻撃することはせず、支え合うのが一番だと思うんですよ」
「まるでデカい戦争が起こるみたいな言い方だな」
「まるで、ではないですよ」
ハルオラは今、隣国との小さな揉め事を抱えている。どちらかというと隣国に非があるが、政治的、経済的な思惑が絡まり、なかなか解決せずにこじれ続けている。あれが火種になる。火種にしてみせる。
バラマンドは串焼きの肉を齧りながら目を伏せた。アルキスが見上げるとちょうど目が合うくらいだが、視線が合うことはない。
「バハマリアじゃ、マフィアを潰すためにそのマフィアや敵対するマフィアと『仲良く』するのはザラにあってな。最後はどうなると思う」
「その言い方だと、お友達ではなくなるのでしょうね」
「分かってんじゃねえか。最後は全員ブタ箱行きだ」
バラマンドはぐっと身をかがめた。嗅ぐだけで頭がくらくらするような、強い酒の匂いがする。
「アルキスって言ったか? 二つ聞かせてもらおうか」
「はい」
「何故俺にその話をした? バハマリアは友達ごっこに付き合うようなお人好しな国だと思っているのか?」
値踏みするような視線。ハルオラであってもバハマリアであっても、投げかけられる視線は変わらない。
「まず、そちらの大統領にはボクよりもっと上の者が話を通すでしょう。ボクがバラマンド様に声をかけたのは、アナタはいつかバハマリアに欠かせない存在になると思ったからです」
「何故そう思った」
「いくつもの戦場に行って生きて帰ってきて、個人の強さだけではなく人を率いて動かす冷静さもある。『戦いに勝つ力』がずば抜けて高い。バハマリアに来るにあたって沢山勉強する中で、声をかけるならアナタしかいないと結論付けました」
若造であるアルキスが話しかけることを許された人間の中には、バラマンドより高い地位の者も存在する。
しかし、今は良くても数年後はどうなる?
バハマリアとは長い付き合いになる。ならば、この陰謀と闘争が渦巻くバハマリアを生き抜く力を持つ者と親交を深めるべきだろう。
「友達ごっこの方は、本当に友達になれとは言いません。でも、面倒事は起こさないと約束できたら互いの負担は減るじゃないですか。それに仲違いをしないということは、世の中が乱れてもハルオラはそちらの資源が、バハマリアはこちらの食料品が手に入りやすい。利のある関係だと思いますよ」
「利のある関係だとしても、最後はよくてブタ箱行きだろう」
「まさか。ボクは最後までバハマリアと手を取りたい。でも、そう言って信じて頂けるわけがないので、こう言い換えましょう」
バラマンドの目をまっすぐに見る。
「バハマリアは、ハルオラに負けるほど弱い国ではないでしょう?」
数秒の沈黙。
それを破るように、バラマンドがぶはっと噴き出した。
「……ハッ。そりゃそうだ」
バラマンドの周りから重苦しい空気が消えた。「ちょっと待ってろ」と言ってその場から離れて、少ししてから両手に大ぶりのタコスを手に戻ってきた。
「ほらよ」
片方のタコスをぶっきらぼうに渡される。手に取ってみるとずしりと重く、ほんの少しの野菜と牛肉の小さなサイコロステーキがこれでもかと詰まっていて、真っ赤なソースがふんだんにかかっていた。
「ありがとうございます。頂きます」
アルキスが端からかじり始めた一方で、バラマンドは大きな口を開けてがぶりと食らいつく。細かな野菜がこぼれ落ちることも厭わない豪快な食べっぷりは、彼がまるで違う文化の育ちであることを示していた。
アルキスは己のペースを崩さず野菜をこぼさないように慎重に食べ進めていたが、ソースがたっぷりかかった肉を口にして動きが止まった。その様子を見てバラマンドはニヤニヤと笑っている。
「……あ、あの……」
「何だ、バハマリア自慢の料理がまずくて食えたもんじゃないってか」
アルキスは小さく何度も首を横に振った。
「美味しい、です、けど」
炭酸水を飲む。刺激が強くて口の中がまるで休まらない。
「ぼ、ボクには辛味が強すぎて……」
「だろうなあ!」
バラマンドはゲラゲラと笑いながらアルキスの肩を何度も叩いた。同じソースがかかっていたはずなのに、彼の手から既にタコスは消えていた。
「これからバハマリアと対等に付き合うつもりなら、これを笑顔で食えるようになるんだな」
「精進します……」
――それからしばらくして、アルキスの言葉通り戦争が始まり、ハルオラとバハマリアの不可侵条約が締結された。
長く続く灰の時代の始まりであった。
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