No.261, No.260, No.259, No.258, No.257, No.256, No.255[7件]
FF14自機のSS 暁月6.0までのネタバレあり
「今も昔も故郷を見捨てたクズのくせに、英雄だのなんだのチヤホヤされやがって」
冒険者をしていると理不尽な罵倒を受けることはままあるが、幼馴染による面と向かっての罵倒は流石に初めての経験だった。
彼の表情や声音には、悲愴、苦渋、後悔、嫉妬、喪失、色々な感情が刻み込まれているように見える。衣服にはまだらに染みがあり、裾がほつれている。指にはマメができている。角や鱗には細かな傷がたくさんついている。
私はただただ彼の言葉を聞いていた。それが、今の私にできる唯一のことだからだ。
数年ぶりに故郷を訪れたのは、特に深い理由はない。
帝国軍との争い、竜誌戦争、アラミゴとドマの解放、第一世界の冒険、終末の回避。立て続けに起きていた時代のうねりが収まり、暁も表面上は解散してぽっかりと時間が空いて、ならば様子を見に行こうかと思った程度だ。
まずはアジムステップに向かい、チョコボに乗って平原を駆け抜け、山を越える。私の故郷はアジムステップの部族間の勢力争いに疲弊した者が拓いたとされるが、真偽は定かではない。エーテライトが設置されていない、する必要もないほどの田舎であることは確かだった。
そうして久しぶりに訪れた故郷は、生命の気配が失われていた。家屋は倒壊し、地面にはおびただしい量の血痕があり、それでいて吹く風には血肉のにおいはなく乾いていた。貴金属の類は残されていなかったが、住人と野盗のどちらの仕業なのかは分からない。
幸いにも隣村は無事だった。村人に話を聞いてみると、どうやら私の故郷は終末現象に見舞われて一夜にして壊滅したらしく、数人の生き残りがこの村に逃れてきて移住したのだという。私があの村の出身であることを明かすと、生き残りの一人を連れてきてくれて、それが件の幼馴染だった。
彼は私より少しだけ年上の隣家の子供で、幼年期特有の有り余ったエネルギーを一緒に発散していた。風邪を引いた時は見舞いに来て、お気に入りのおもちゃを譲ってくれて、叱られて家を飛び出した時は落ち着くまで傍にいてくれた。心優しい兄のような存在であったと思う。
私が大きくなって出来ることが増えてくると、彼はだんだんと距離を置くようになった。彼が得意げに教えてくれたことをすぐに習得してあっという間に追い越して、やれ天才だともてはやす村人達の影に紛れるようになって、私がどれだけ叱責されていても傍にいてくれることはなくなった。
「行かないでくれ」
村を抜け出す時は、そう言って引き留めようとしてきた。視線は泳ぎ、頬は赤く、声も尻尾も震えていた。私に向かって手を伸ばしてきたが、私はその手を振り払って村を出た。彼が私にどんな感情を抱いていたのかは知る由もないが、私にとって彼は疎遠になった幼馴染以外の何者でもなかった。
その幼馴染は今、あの時よりもずいぶんとボロボロになって、お前が諸悪の根源だと言わんばかりに私を罵倒している。
身近な人が空っぽの怪物と化したこと、身近な人が空っぽの怪物に襲われたこと、故郷を捨てたこと、慣れない場所で身を粉にして働くしかないこと、色々なことが積もり積もって生まれた感情はいかなるものか、私にはわからない。
それでも、私に対して感情を溢れさせている人がいるならば、感情の奔流が落ち着くまでは傍にいた方がいい。そういうことくらいは学んでいた。
幼馴染は私をひとしきり罵倒し、泣きじゃくり、生き残ってしまった恐怖と絶望と悔恨を語り、最後には小さな声で謝罪を述べて仕事へと戻って行った。やはり彼が何を思っているのかよく分からないが、いくらか落ち着いたようならまあこれで良かったのだろう。
私は鞄に入れっぱなしだった布と薬草で新しい服と軟膏をこしらえて、通りがかった村人にこれを幼馴染に渡すよう託して村を後にした。
同情や謝罪ではない。ただ私が「そうした方がよい」と感じたからそうしただけのことで、なんだかんだで世界を救った時と何ら変わりのない、ごく普通のことだった。
山を越えてアジムステップに戻ってくると、エスティニアンがナマズオを捕まえて丸焼きにしようとしていた。何をしておられるのですかエスティニアン殿と声を掛けると、彼は渋い顔をしつつもナマズオをあっさり解放した。
「その『エスティニアン殿』呼びと妙な喋りはいつまで続けるんだ」
もはやこれで馴染んでしまったので、エスティニアン殿においては諦めていただくしかございませんな。
ナマズオ調理法はシリナが開拓してくれるだろうということで、再会の市に向かいボーズを買った。小高い丘の上で食べると涼しい風が吹いて心地よい。初めて出会った時のヒエンがここにいたのも納得する。
エスティニアンは次の仕事先がまだ受け入れ準備中で、暇だから東方までぶらりとやって来たらしい。東方に来たのも、リムサ・ロミンサに行ってみたら次の船がクガネ行きだったからという実に適当なものだった。まあ、私も人のことは言えないが。
「相棒は? 何か用事があったのか」
ボーズを食べながら、つい先ほどあったことを話した。戦後の復興支援の中でよくある話だが、エスティニアンは何故かボーズも食べずに顔を曇らせていた。
「相棒も故郷を失ったのか」
その言葉で思い至る。原因は違えど、エスティニアンも故郷を失っていた。彼は故郷を滅ぼした竜への復讐のために竜騎士となった。彼にとって故郷とはそうするに足るものなのだろうが、私にとってはそうではない。
そのことを説明すると、エスティニアンはなんとも複雑な顔をして「そうか」と呟いた。
「強いな」
エスティニアンの言葉に今度は私が複雑な顔をした。
幼い頃から私の心は冷えていた。人の表情や仕草から感情を読み取ることはできないし、誰かが傷ついたり死んだりしても悲しくは思えど泣きわめくことはない。誰かの死に涙をこぼしたのは一度だけだと思う。
困っている人の背を押すのが好きだけど、困っている人に感情移入はしないし必要以上に関わらない。血も涙もないやつが中途半端に関わろうとするなとなじられたこともあった。それは本当にそうだなと思ったので、その人にはそれ以上関わらなかった。
さしたる強い信念もないのに、暁に在籍していくつもの戦争と死を乗り越えたのはこの気質のお陰だが、これは「強い」とは言えないだろう。色々な感情を乗り越えて竜と和解したエスティニアンの方がよっぽど強い。
そういうことを言うと、エスティニアンはやはり複雑な顔をしていた。自前のボーズは食べ終えて手持無沙汰になって、眼下に広がる市場の喧騒を見るともなく見た。
「お前は確かに人より鈍いが、完全に冷え切っているわけではないだろう」
ややあってエスティニアンは口を開き、私が背負っているもの――フォルタン家の紋章が描かれた盾を指差した。
「群れるよりも孤独を好み、誰かを守ることなんてまるで向いていないやつが、その盾を背負って世界の果てまで行って絶望に打ち勝ってみせたんだ」
まるで向いていないとは失礼な。事実ではあるが。私がむっとしたのに気づいたのか、エスティニアンは怒るな怒るなと笑う。
「お前の心には、熱も、強さも、確かにあるだろうよ」
そういうものなのだろうか。いまいちピンと来なくて首を傾げていると、エスティニアンは自分のボーズを半分に割って渡してきた。
私を励まそうとしているのかただ自分の考えを言っているだけなのか、ナマズオを調理しようとするくらい飢えてたのに何故ボーズを半分寄越してきたのか、少し冷めているのになぜ最初のボーズより美味しい気がするのか、何もかもよく分からない。
きっと私は生涯この調子なのだろう。少し寂しくもあるが、隣に座る人の横顔と眼下に広がる平和な風景を見ていると、まあそれでいいかと思えた。
畳む
「今も昔も故郷を見捨てたクズのくせに、英雄だのなんだのチヤホヤされやがって」
冒険者をしていると理不尽な罵倒を受けることはままあるが、幼馴染による面と向かっての罵倒は流石に初めての経験だった。
彼の表情や声音には、悲愴、苦渋、後悔、嫉妬、喪失、色々な感情が刻み込まれているように見える。衣服にはまだらに染みがあり、裾がほつれている。指にはマメができている。角や鱗には細かな傷がたくさんついている。
私はただただ彼の言葉を聞いていた。それが、今の私にできる唯一のことだからだ。
数年ぶりに故郷を訪れたのは、特に深い理由はない。
帝国軍との争い、竜誌戦争、アラミゴとドマの解放、第一世界の冒険、終末の回避。立て続けに起きていた時代のうねりが収まり、暁も表面上は解散してぽっかりと時間が空いて、ならば様子を見に行こうかと思った程度だ。
まずはアジムステップに向かい、チョコボに乗って平原を駆け抜け、山を越える。私の故郷はアジムステップの部族間の勢力争いに疲弊した者が拓いたとされるが、真偽は定かではない。エーテライトが設置されていない、する必要もないほどの田舎であることは確かだった。
そうして久しぶりに訪れた故郷は、生命の気配が失われていた。家屋は倒壊し、地面にはおびただしい量の血痕があり、それでいて吹く風には血肉のにおいはなく乾いていた。貴金属の類は残されていなかったが、住人と野盗のどちらの仕業なのかは分からない。
幸いにも隣村は無事だった。村人に話を聞いてみると、どうやら私の故郷は終末現象に見舞われて一夜にして壊滅したらしく、数人の生き残りがこの村に逃れてきて移住したのだという。私があの村の出身であることを明かすと、生き残りの一人を連れてきてくれて、それが件の幼馴染だった。
彼は私より少しだけ年上の隣家の子供で、幼年期特有の有り余ったエネルギーを一緒に発散していた。風邪を引いた時は見舞いに来て、お気に入りのおもちゃを譲ってくれて、叱られて家を飛び出した時は落ち着くまで傍にいてくれた。心優しい兄のような存在であったと思う。
私が大きくなって出来ることが増えてくると、彼はだんだんと距離を置くようになった。彼が得意げに教えてくれたことをすぐに習得してあっという間に追い越して、やれ天才だともてはやす村人達の影に紛れるようになって、私がどれだけ叱責されていても傍にいてくれることはなくなった。
「行かないでくれ」
村を抜け出す時は、そう言って引き留めようとしてきた。視線は泳ぎ、頬は赤く、声も尻尾も震えていた。私に向かって手を伸ばしてきたが、私はその手を振り払って村を出た。彼が私にどんな感情を抱いていたのかは知る由もないが、私にとって彼は疎遠になった幼馴染以外の何者でもなかった。
その幼馴染は今、あの時よりもずいぶんとボロボロになって、お前が諸悪の根源だと言わんばかりに私を罵倒している。
身近な人が空っぽの怪物と化したこと、身近な人が空っぽの怪物に襲われたこと、故郷を捨てたこと、慣れない場所で身を粉にして働くしかないこと、色々なことが積もり積もって生まれた感情はいかなるものか、私にはわからない。
それでも、私に対して感情を溢れさせている人がいるならば、感情の奔流が落ち着くまでは傍にいた方がいい。そういうことくらいは学んでいた。
幼馴染は私をひとしきり罵倒し、泣きじゃくり、生き残ってしまった恐怖と絶望と悔恨を語り、最後には小さな声で謝罪を述べて仕事へと戻って行った。やはり彼が何を思っているのかよく分からないが、いくらか落ち着いたようならまあこれで良かったのだろう。
私は鞄に入れっぱなしだった布と薬草で新しい服と軟膏をこしらえて、通りがかった村人にこれを幼馴染に渡すよう託して村を後にした。
同情や謝罪ではない。ただ私が「そうした方がよい」と感じたからそうしただけのことで、なんだかんだで世界を救った時と何ら変わりのない、ごく普通のことだった。
山を越えてアジムステップに戻ってくると、エスティニアンがナマズオを捕まえて丸焼きにしようとしていた。何をしておられるのですかエスティニアン殿と声を掛けると、彼は渋い顔をしつつもナマズオをあっさり解放した。
「その『エスティニアン殿』呼びと妙な喋りはいつまで続けるんだ」
もはやこれで馴染んでしまったので、エスティニアン殿においては諦めていただくしかございませんな。
ナマズオ調理法はシリナが開拓してくれるだろうということで、再会の市に向かいボーズを買った。小高い丘の上で食べると涼しい風が吹いて心地よい。初めて出会った時のヒエンがここにいたのも納得する。
エスティニアンは次の仕事先がまだ受け入れ準備中で、暇だから東方までぶらりとやって来たらしい。東方に来たのも、リムサ・ロミンサに行ってみたら次の船がクガネ行きだったからという実に適当なものだった。まあ、私も人のことは言えないが。
「相棒は? 何か用事があったのか」
ボーズを食べながら、つい先ほどあったことを話した。戦後の復興支援の中でよくある話だが、エスティニアンは何故かボーズも食べずに顔を曇らせていた。
「相棒も故郷を失ったのか」
その言葉で思い至る。原因は違えど、エスティニアンも故郷を失っていた。彼は故郷を滅ぼした竜への復讐のために竜騎士となった。彼にとって故郷とはそうするに足るものなのだろうが、私にとってはそうではない。
そのことを説明すると、エスティニアンはなんとも複雑な顔をして「そうか」と呟いた。
「強いな」
エスティニアンの言葉に今度は私が複雑な顔をした。
幼い頃から私の心は冷えていた。人の表情や仕草から感情を読み取ることはできないし、誰かが傷ついたり死んだりしても悲しくは思えど泣きわめくことはない。誰かの死に涙をこぼしたのは一度だけだと思う。
困っている人の背を押すのが好きだけど、困っている人に感情移入はしないし必要以上に関わらない。血も涙もないやつが中途半端に関わろうとするなとなじられたこともあった。それは本当にそうだなと思ったので、その人にはそれ以上関わらなかった。
さしたる強い信念もないのに、暁に在籍していくつもの戦争と死を乗り越えたのはこの気質のお陰だが、これは「強い」とは言えないだろう。色々な感情を乗り越えて竜と和解したエスティニアンの方がよっぽど強い。
そういうことを言うと、エスティニアンはやはり複雑な顔をしていた。自前のボーズは食べ終えて手持無沙汰になって、眼下に広がる市場の喧騒を見るともなく見た。
「お前は確かに人より鈍いが、完全に冷え切っているわけではないだろう」
ややあってエスティニアンは口を開き、私が背負っているもの――フォルタン家の紋章が描かれた盾を指差した。
「群れるよりも孤独を好み、誰かを守ることなんてまるで向いていないやつが、その盾を背負って世界の果てまで行って絶望に打ち勝ってみせたんだ」
まるで向いていないとは失礼な。事実ではあるが。私がむっとしたのに気づいたのか、エスティニアンは怒るな怒るなと笑う。
「お前の心には、熱も、強さも、確かにあるだろうよ」
そういうものなのだろうか。いまいちピンと来なくて首を傾げていると、エスティニアンは自分のボーズを半分に割って渡してきた。
私を励まそうとしているのかただ自分の考えを言っているだけなのか、ナマズオを調理しようとするくらい飢えてたのに何故ボーズを半分寄越してきたのか、少し冷めているのになぜ最初のボーズより美味しい気がするのか、何もかもよく分からない。
きっと私は生涯この調子なのだろう。少し寂しくもあるが、隣に座る人の横顔と眼下に広がる平和な風景を見ていると、まあそれでいいかと思えた。
畳む
CoC「鰯と柊」のネタバレを含みます。
「先輩。俺、どうしても納得いかないことがあるんすよ」
「いつもの下らねえ愚痴なら殴るぞ」
「ほら、ちょっと前にあったじゃないすか。殺人宗教の集団失踪事件」
「あれがどうした」
「千人くらいいっぺんに行方不明になって明らかにヤバいヤマなのに、何であんなすぐに捜査が打ち切られたんすか」
「ウチじゃ手に負えないから専門の部署が持つって話だったろ」
「その専門の部署って何なんすか? 俺も刑事やってそこそこですけど、聞いたことないすよ」
「……お前、本当に社内政治……いや、署内政治か? ともかく内々のことに興味ねえんだなあ……」
「そんなの気にするくらいなら今のヤマを追っかける方がマシっす!」
「いいか、大先輩からひとつだけアドバイスしてやる。明らかにヤバいヤマがあって、専門の部署が持つってなったら、それ以上深入りするな」
「それは……なんか……権力者の陰謀、的な……?」
「多分、そういうのとは違う。世間様にも、同じ警察にも、明らかにしたらマズい何かがあるんだろうよ」
「何でそう言い切れるんすか」
「専門の部署があの事件をどう評価したのか、人伝で聞いた。『たった千人で収まったのは幸運』だとよ」
「…………」
「そういう評価を下せる何かがいて、それと戦う連中がいる。俺達ヒラ刑事には縁のない話で、見て見ぬふりをするしかねえんだ」
「……カッケェ……」
「は?」
「俺も人知れず巨悪と戦う特殊部隊? みたいなのやりてえっす! 部長に言えばいいんすかね?」
「いいわけねえだろ!!」
2人組の刑事が明日もっかい行くぜ! って言ってたけど結局あの後シナリオ上はノータッチだったなということで二次創作で補完。
CoCワールドなら対神話生物課とか絶対あると思うので、そっちが引き継いで世間への隠蔽工作をして、世界崩壊に繋がる危機を食い止めた報酬(あるいは証拠もないし今現在は危険性がなさそうな奴をわざわざしょっぴく暇はない)として余罪を追及せず捜査を打ち切ったのかな……と。
「なんぼなんでも1000人以上の失踪はマスコミ大騒ぎでは!? 刑事来てたしそっちで補完したろ!!」とも言います。
ののちゃん捕まえてないor殺した場合はPC達が警察に追われることになるけど、これは隠蔽工作やる前に世間に明るみに出たからもうサポート対象外ッスね~と見捨てられたんじゃないですかね。
畳む
「先輩。俺、どうしても納得いかないことがあるんすよ」
「いつもの下らねえ愚痴なら殴るぞ」
「ほら、ちょっと前にあったじゃないすか。殺人宗教の集団失踪事件」
「あれがどうした」
「千人くらいいっぺんに行方不明になって明らかにヤバいヤマなのに、何であんなすぐに捜査が打ち切られたんすか」
「ウチじゃ手に負えないから専門の部署が持つって話だったろ」
「その専門の部署って何なんすか? 俺も刑事やってそこそこですけど、聞いたことないすよ」
「……お前、本当に社内政治……いや、署内政治か? ともかく内々のことに興味ねえんだなあ……」
「そんなの気にするくらいなら今のヤマを追っかける方がマシっす!」
「いいか、大先輩からひとつだけアドバイスしてやる。明らかにヤバいヤマがあって、専門の部署が持つってなったら、それ以上深入りするな」
「それは……なんか……権力者の陰謀、的な……?」
「多分、そういうのとは違う。世間様にも、同じ警察にも、明らかにしたらマズい何かがあるんだろうよ」
「何でそう言い切れるんすか」
「専門の部署があの事件をどう評価したのか、人伝で聞いた。『たった千人で収まったのは幸運』だとよ」
「…………」
「そういう評価を下せる何かがいて、それと戦う連中がいる。俺達ヒラ刑事には縁のない話で、見て見ぬふりをするしかねえんだ」
「……カッケェ……」
「は?」
「俺も人知れず巨悪と戦う特殊部隊? みたいなのやりてえっす! 部長に言えばいいんすかね?」
「いいわけねえだろ!!」
2人組の刑事が明日もっかい行くぜ! って言ってたけど結局あの後シナリオ上はノータッチだったなということで二次創作で補完。
CoCワールドなら対神話生物課とか絶対あると思うので、そっちが引き継いで世間への隠蔽工作をして、世界崩壊に繋がる危機を食い止めた報酬(あるいは証拠もないし今現在は危険性がなさそうな奴をわざわざしょっぴく暇はない)として余罪を追及せず捜査を打ち切ったのかな……と。
「なんぼなんでも1000人以上の失踪はマスコミ大騒ぎでは!? 刑事来てたしそっちで補完したろ!!」とも言います。
ののちゃん捕まえてないor殺した場合はPC達が警察に追われることになるけど、これは隠蔽工作やる前に世間に明るみに出たからもうサポート対象外ッスね~と見捨てられたんじゃないですかね。
畳む
CoC「鰯と柊」のネタバレを含みます。
八木沼 呂々(やぎぬま ろろ)
23歳/男性/180cm/一人称:俺、二人称:お前
山羊座の男。
不愛想でよく怒り嫌味もこぼすが基本的には世話焼き。
助けを求められたり困っている様子を見れば、文句を言いつつ何だかんだで手伝う。
逆に誰かに助けを求めることはない。抱え込むタイプ。
学はないが頭の回転は速い。身のこなしが軽く力仕事より正確さが求められるような仕事の方が得意。ナイフの扱いがめちゃくちゃ上手い。
物事をあれこれ深く考える方。考えすぎてドツボにはまることもある。
拝掌教の行いは「祈りによる加害者の排除は、相談者にとっては救いだが加害者の周囲には絶望を与えるものであり、極めて恣意的な選別である」と認識しており、万民を救うものではないと理解しつつその救済を肯定している。
幼い頃の自分が祈りで救済されたことは確かであり、祈りを否定することは今ここにいる自分を否定することにもなる。
例え親しい者や自分自身が「加害者」と見なされても排除を選ぶ。祈りが選んだものをこちらが拒否するのは平等ではない。
社会常識や倫理を理解はしても共感はしない。それらは目的を果たすための障害あるいは駒でしかない。
殺人に対する忌避感すらないが「自分の行いが何をもたらすのか理解した上で実行すること」に強いこだわりがある。
加害者の排除の手段として殺人を行い、目的が不明瞭な殺人は行わない。大量殺人鬼だが無差別殺人鬼ではない。
もしも寧音と出会わず愛と信仰を得られなかった場合も、何らかの思想を深めた末に大量殺人を犯す。呂々がそういう気質なのは、寧音との出会いに左右されない天性のもの(あるいは寧音と出会う前の幼少期に変質したもの)。
寧音に対しては幼馴染として接する一方で深い信仰心がある。
寧音に救われたその日から自分の命は彼女のためにあり、彼女の助けとなるべく手を汚し、彼女が死ねと言うならその場で己の首にナイフを突き立てる。
信仰心の他に恋愛感情や性欲や独占欲も持ち合わせていて内心はものすごく混沌としている。
しかし自分のそんな情欲を見せて寧音を穢して傷つけることは本意ではないため、徹底して隠している。
その想いの一端は、寧音が神の力を失いただの人間に戻った際に告げられた。
信仰心は失われたが、愛情とラベリングするにはあまりにも混沌とした感情は健在であり、今も世界=寧音である。
女遊びの経験がない上に深く考える癖もあり、恋人らしいコミュニケーションは凄まじく下手。手間取ったりフリーズしたりやりすぎたりする。
シナリオ終了後は福祉関係(貧困や虐待等に苦しむ人を何らかの形で支援する系)の仕事に就く。
傷ついた人がこれ以上追いつめられないようにして、安寧を得る手助けをする。
教団が消えて新しく仕事を探さなければならなくなった時、同じような目的を持った仕事がしたいと思った。
加護(物理)は許されるはずも実行する気もなく、常識的な対応はずっとずっと回りくどくて上手くいかないことも多い。
それでも、あの時自分が感じた救いを誰かにもたらすことは、無駄ではないと感じている。
教団での加護(物理)は寧音を守るために必要な行為であり、反省も後悔もしていない。
いま加護(物理)をしないのは、寧音を守るためにそこまでする必要がないからしないだけ。
もしも寧音を脅かす者が現れて、常識的な対応ではどうしようもない場合、ためらいなく加護(物理)を実行する。
今までもこれからも悪人であることは変わらない。
畳む
八木沼 呂々(やぎぬま ろろ)
23歳/男性/180cm/一人称:俺、二人称:お前
山羊座の男。
不愛想でよく怒り嫌味もこぼすが基本的には世話焼き。
助けを求められたり困っている様子を見れば、文句を言いつつ何だかんだで手伝う。
逆に誰かに助けを求めることはない。抱え込むタイプ。
学はないが頭の回転は速い。身のこなしが軽く力仕事より正確さが求められるような仕事の方が得意。ナイフの扱いがめちゃくちゃ上手い。
物事をあれこれ深く考える方。考えすぎてドツボにはまることもある。
拝掌教の行いは「祈りによる加害者の排除は、相談者にとっては救いだが加害者の周囲には絶望を与えるものであり、極めて恣意的な選別である」と認識しており、万民を救うものではないと理解しつつその救済を肯定している。
幼い頃の自分が祈りで救済されたことは確かであり、祈りを否定することは今ここにいる自分を否定することにもなる。
例え親しい者や自分自身が「加害者」と見なされても排除を選ぶ。祈りが選んだものをこちらが拒否するのは平等ではない。
社会常識や倫理を理解はしても共感はしない。それらは目的を果たすための障害あるいは駒でしかない。
殺人に対する忌避感すらないが「自分の行いが何をもたらすのか理解した上で実行すること」に強いこだわりがある。
加害者の排除の手段として殺人を行い、目的が不明瞭な殺人は行わない。大量殺人鬼だが無差別殺人鬼ではない。
もしも寧音と出会わず愛と信仰を得られなかった場合も、何らかの思想を深めた末に大量殺人を犯す。呂々がそういう気質なのは、寧音との出会いに左右されない天性のもの(あるいは寧音と出会う前の幼少期に変質したもの)。
寧音に対しては幼馴染として接する一方で深い信仰心がある。
寧音に救われたその日から自分の命は彼女のためにあり、彼女の助けとなるべく手を汚し、彼女が死ねと言うならその場で己の首にナイフを突き立てる。
信仰心の他に恋愛感情や性欲や独占欲も持ち合わせていて内心はものすごく混沌としている。
しかし自分のそんな情欲を見せて寧音を穢して傷つけることは本意ではないため、徹底して隠している。
その想いの一端は、寧音が神の力を失いただの人間に戻った際に告げられた。
信仰心は失われたが、愛情とラベリングするにはあまりにも混沌とした感情は健在であり、今も世界=寧音である。
女遊びの経験がない上に深く考える癖もあり、恋人らしいコミュニケーションは凄まじく下手。手間取ったりフリーズしたりやりすぎたりする。
シナリオ終了後は福祉関係(貧困や虐待等に苦しむ人を何らかの形で支援する系)の仕事に就く。
傷ついた人がこれ以上追いつめられないようにして、安寧を得る手助けをする。
教団が消えて新しく仕事を探さなければならなくなった時、同じような目的を持った仕事がしたいと思った。
加護(物理)は許されるはずも実行する気もなく、常識的な対応はずっとずっと回りくどくて上手くいかないことも多い。
それでも、あの時自分が感じた救いを誰かにもたらすことは、無駄ではないと感じている。
教団での加護(物理)は寧音を守るために必要な行為であり、反省も後悔もしていない。
いま加護(物理)をしないのは、寧音を守るためにそこまでする必要がないからしないだけ。
もしも寧音を脅かす者が現れて、常識的な対応ではどうしようもない場合、ためらいなく加護(物理)を実行する。
今までもこれからも悪人であることは変わらない。
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ふんわり考えてたやつのまとめ 使う予定は特にない
インキュバス/サキュバス
魔族の一種。外見が雄であればインキュバス、雌であればサキュバスと呼ばれるが、あくまで外見だけであり生物としての雌雄は持たない。
肉体のない魂だけでの活動も可能で、魂の保護および「狩り」のために魔法で肉体を構築する。
主食は生物の生命力。獲物にとって魅力的な姿になり、性的な行為を利用して獲物の体液や長時間の接触を通じて生命力を奪うことが多い。
魂だけの活動が可能であり、生命力を主食とすることから、分類としてはゴースト系にあたる。
彼らに襲われて死に至る可能性は低いが、未熟なインキュバス/サキュバスによる生命力の過剰吸収、
快楽に溺れて依存した末の生命力の枯渇といった直接的な危険のほか、
魔族と性的な関係を持つことによる人間関係の悪化、魅力的な同族の姿を取ることによる警戒心の低下など、副次的な危険性も持つ。
肉体構築術および魅了術に長ける一方で、戦闘行為そのものは苦手。
そもそも彼らには戦闘訓練を積む文化がなく、有事の際は逃亡するか魔力に飽かせた力業で抵抗する。
魅了術への対策を行い注意深く対処すれば比較的容易に無力化できる。
しかし上述の通りゴースト系に分類される存在のため、完全に討伐するには肉体を破壊した上で対ゴースト用の攻撃が必要になる。
……というように、直接的な危険性が低いわりに討伐には多くの下準備が必要なため、討伐の優先度は低い。
インキュバス/サキュバスの生殖は、己の魂と伴侶の魂を混ぜ合わせて新たな器を作成し、そこに新たな魂を迎え入れることにより子を成す。
哺乳類の場合は受精卵という肉の器を作成して新たな魂を迎え入れて子を成しているが、仕組みとしてはそれと同じである。
伴侶は同族以外でも良いが、魂だけの活動が不可能な生命はこの生殖行為により確実に死亡する。
インキュバス/サキュバスも己の魂を削る命懸けの行為であるため、生殖の頻度は少なく、真に心を通わせた者とだけ生殖行為を行う。
「狩り」の影響で性に奔放なイメージを持たれているが、子を成すことにかけては極めて慎重でロマンチストである。
なお、インキュバス/サキュバスは人間に近い姿を取るイメージが強いが、その生態上、人間以外の動物の肉体を構築し「狩り」を行うことも可能であると推測されている。
しかし彼らが構築する肉体は非常に精巧であり、人間以外の生物になりすましたインキュバス/サキュバスの発見例はない。
これが「なりすました姿を見破ることができていないだけで存在する」のか「人間だけをターゲットにしている」のかは不明。
リリ
世界各地を放浪するサキュバス。
真面目で猪突猛進で世間知らず。簡単に騙されあらゆる罠に引っ掛かる。
サキュバスの「狩り」には消極的で、限界まで我慢した末にドカ食いする悪癖がある。
どれほどひどい目に遭おうとも必ず生還し、大変な目に遭ったなあとあまり引きずらずに立ち直る。
運の良さと精神力が尋常ではなく高い。精神力に関しては単なるアホと言っても差し支えはない。
母親は非常に強大なサキュバス。父親はただの人間でリリが生まれる際に他界している。
いわゆる箱入り娘で豪勢な屋敷で何不自由なく育ってきたが、インキュバス/サキュバスの在り方を学ぶにつれて
「わざわざ肉体を危険に晒さなくても食事を取る術があるのでは?」と疑問に思うようになり、
自宅での調べ物には限界があったため「じゃあ外に行くか!」とその場の勢いで家を出た。
当初は母親も心配して使い魔を方々に派遣したが、リリの限界まで我慢してからのドカ食い生活を知って
「限界まで己を追い込んでからの鍛錬! なんて厳しい修行をしているのかしら……あの子は強くなるわ……!」
と勘違いして放任モードに移った。母親もアホであった。
しかし実際のところ、限界まで我慢してサキュバスとしての能力を無意識に全力行使して獲物を集める行為は効率の良いレベル上げでもあった。
(一般的なレベル上げが雑魚狩りとすれば、リリのレベル上げはメタルスライム狩りのようなもの)
リリの魅了術は日々強力になっているが、本人はそのことに全く気付いていない。
インキュバス/サキュバス
魔族の一種。外見が雄であればインキュバス、雌であればサキュバスと呼ばれるが、あくまで外見だけであり生物としての雌雄は持たない。
肉体のない魂だけでの活動も可能で、魂の保護および「狩り」のために魔法で肉体を構築する。
主食は生物の生命力。獲物にとって魅力的な姿になり、性的な行為を利用して獲物の体液や長時間の接触を通じて生命力を奪うことが多い。
魂だけの活動が可能であり、生命力を主食とすることから、分類としてはゴースト系にあたる。
彼らに襲われて死に至る可能性は低いが、未熟なインキュバス/サキュバスによる生命力の過剰吸収、
快楽に溺れて依存した末の生命力の枯渇といった直接的な危険のほか、
魔族と性的な関係を持つことによる人間関係の悪化、魅力的な同族の姿を取ることによる警戒心の低下など、副次的な危険性も持つ。
肉体構築術および魅了術に長ける一方で、戦闘行為そのものは苦手。
そもそも彼らには戦闘訓練を積む文化がなく、有事の際は逃亡するか魔力に飽かせた力業で抵抗する。
魅了術への対策を行い注意深く対処すれば比較的容易に無力化できる。
しかし上述の通りゴースト系に分類される存在のため、完全に討伐するには肉体を破壊した上で対ゴースト用の攻撃が必要になる。
……というように、直接的な危険性が低いわりに討伐には多くの下準備が必要なため、討伐の優先度は低い。
インキュバス/サキュバスの生殖は、己の魂と伴侶の魂を混ぜ合わせて新たな器を作成し、そこに新たな魂を迎え入れることにより子を成す。
哺乳類の場合は受精卵という肉の器を作成して新たな魂を迎え入れて子を成しているが、仕組みとしてはそれと同じである。
伴侶は同族以外でも良いが、魂だけの活動が不可能な生命はこの生殖行為により確実に死亡する。
インキュバス/サキュバスも己の魂を削る命懸けの行為であるため、生殖の頻度は少なく、真に心を通わせた者とだけ生殖行為を行う。
「狩り」の影響で性に奔放なイメージを持たれているが、子を成すことにかけては極めて慎重でロマンチストである。
なお、インキュバス/サキュバスは人間に近い姿を取るイメージが強いが、その生態上、人間以外の動物の肉体を構築し「狩り」を行うことも可能であると推測されている。
しかし彼らが構築する肉体は非常に精巧であり、人間以外の生物になりすましたインキュバス/サキュバスの発見例はない。
これが「なりすました姿を見破ることができていないだけで存在する」のか「人間だけをターゲットにしている」のかは不明。
リリ
世界各地を放浪するサキュバス。
真面目で猪突猛進で世間知らず。簡単に騙されあらゆる罠に引っ掛かる。
サキュバスの「狩り」には消極的で、限界まで我慢した末にドカ食いする悪癖がある。
どれほどひどい目に遭おうとも必ず生還し、大変な目に遭ったなあとあまり引きずらずに立ち直る。
運の良さと精神力が尋常ではなく高い。精神力に関しては単なるアホと言っても差し支えはない。
母親は非常に強大なサキュバス。父親はただの人間でリリが生まれる際に他界している。
いわゆる箱入り娘で豪勢な屋敷で何不自由なく育ってきたが、インキュバス/サキュバスの在り方を学ぶにつれて
「わざわざ肉体を危険に晒さなくても食事を取る術があるのでは?」と疑問に思うようになり、
自宅での調べ物には限界があったため「じゃあ外に行くか!」とその場の勢いで家を出た。
当初は母親も心配して使い魔を方々に派遣したが、リリの限界まで我慢してからのドカ食い生活を知って
「限界まで己を追い込んでからの鍛錬! なんて厳しい修行をしているのかしら……あの子は強くなるわ……!」
と勘違いして放任モードに移った。母親もアホであった。
しかし実際のところ、限界まで我慢してサキュバスとしての能力を無意識に全力行使して獲物を集める行為は効率の良いレベル上げでもあった。
(一般的なレベル上げが雑魚狩りとすれば、リリのレベル上げはメタルスライム狩りのようなもの)
リリの魅了術は日々強力になっているが、本人はそのことに全く気付いていない。