救世主 (2022/11/05 - 2022/12/03)

SCENARIO INFO

Writer/超高音(配布元 ※有料配布)

本作は、「株式会社アークライト」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。
Call of Cthulhu is copyright (C)1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
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PLAYER

KP/ミナカミ
PC1/新藤 春樹(朱理)
PC2/佐々木 世良(にゃご)
PC3/ジョシュア・ピュー(蟹)

INDEX

1日目1日目-21日目-32日目2日目-22日目-33日目3日目-23日目-34日目4日目-24日目-3アフタープレイ

戸山公園

KP(ミナカミ)
あなた達は戸山公園へと到着し、地下防空壕へと続く入口の近くに停車する。
KP(ミナカミ)
背後からは崩壊するビルの轟音や、人々の叫び声がごった返しており、世界の終焉をいとも容易く思わせた。
鮫島 零一(ミナカミ)
「ほら、着いたわ。さっさと降りぃ」
ジョシュア・ピュー(蟹)
「うん、行こう」地下扉どこだ
佐々木 世良(にゃご)
「ありがとうございました。…行こう!」 あそこの先こわいけど…
敷島 左甚(ミナカミ)
「……礼を言う」
霧島 漣(みちを)
一緒に降ります。
新藤 春樹(朱理)
「はぁ~…」でかめにため息つきつつ、降りました。「クソ~…行くのかぁそうだよなぁ」と、ちょっとビビってますね
KP(ミナカミ)
あなた達全員を降ろし、地下壕への入口へと車両を付けた鮫島は、なぜか運転席を降りないままである。
KP(ミナカミ)
あなた達が如何に声をかけても、軽口を返しながら頑なにハンドルを握ったままだ。
鮫島 零一(ミナカミ)
「……はん。どうせあの肉団子は、何もかんも飲み込んででかくなってここまで来る」
ジョシュア・ピュー(蟹)
「逃げないの?」驚いた
鮫島 零一(ミナカミ)
「ほんならせめて、入口からアレが侵入せんようにしなあかんなぁ?」
新藤 春樹(朱理)
かんべんして
霧島 漣(みちを)
「……」
佐々木 世良(にゃご)
「え、…どうするの?」
新藤 春樹(朱理)
「いやいやいや、あんたさ。どう考えても逃げたほうがいいでしょうよ」嘘だろ?と思ってるよ
新藤 春樹(朱理)
っていうか普通逃げるんじゃないの?って思ってたよ。うん
鮫島 零一(ミナカミ)
「ふぅん。逃げてどないせえと?」
ジョシュア・ピュー(蟹)
「高飛び?」他国に逃げるとかするかと
新藤 春樹(朱理)
「はぃ?」マジで理解できん。なんだこいつ。
佐々木 世良(にゃご)
「……つまり、アレがここに押し寄せるより前にどうにかしてくればいいってことだろ」入り口まだ開いてないなら開けたいです
鮫島 零一(ミナカミ)
ぶは、と笑う。 「高飛びて!」
KP(ミナカミ)
入口は簡単に開く。最初に侵入した時と全く同じだ。
霧島 漣(みちを)
遠くから響く轟音に、ふと視線を向けたりした。 「すぐにここにも来る……」
佐々木 世良(にゃご)
「…春樹! その人が気になるならとっと行くよ! もたもたするだけ、時間がなくなる!」
新藤 春樹(朱理)
wwwwwwwwwww
新藤 春樹(朱理)
呼ばないでよ!!!!
新藤 春樹(朱理)
「わーかってるよ。時間ねぇもんな」と、扉の方向いてさっさと行くよ!!!もう!!
鮫島 零一(ミナカミ)
「ええからはよ行け」
新藤 春樹(朱理)
やめろ
ジョシュア・ピュー(蟹)
頷いて、この人も苦手なタイプだなあと思いつつ地下入り口向かいました。
鮫島 零一(ミナカミ)
「お前らの顔なんか二度と見たない。車で入口塞いで、見られへんようにしたるわ」
敷島 左甚(ミナカミ)
「…………」 帽子の鍔をつまみ、一礼した。
霧島 漣(みちを)
「…………」 ぺこ、と頭を下げてから扉に向かう
新藤 春樹(朱理)
(テロリストに仕立て上げたり、始末しようとするくせに、今度はなんなんだよ)意味わからん!と思いつつ、行くよ!ポケット探ってタバコ吸おうとしたけど、ぐちゃぐちゃだった!!なんもうまくいかん!って感じですわ
KP(ミナカミ)
あなた達は鮫島を残して地下へ向かう。
KP(ミナカミ)
ここからPCには関わらないマスターシーンが挟まります。
KP(ミナカミ)
このアイコンの間、RPを挟むことはできないとお考え下さい。
KP(ミナカミ)
彼らが地下へ潜って行ったことを確認し、車を動かす。
KP(ミナカミ)
扉の真上で車を止める。エンジンを切り、キーを抜き、懐にしまう。
鮫島 零一(ミナカミ)
「あぁ、ほんま最悪やった」
鮫島 零一(ミナカミ)
「世の中舐めた糞共に、こんな体たらく晒すとはなぁ」
鮫島 零一(ミナカミ)
「……結局、目的もなんも達成できんかった。ぜぇんぶ台無し。はは、おもろいなぁ」
KP(ミナカミ)
車の窓から外を眺めてひとつ、深呼吸する。
鮫島 零一(ミナカミ)
「ま、でも」
鮫島 零一(ミナカミ)
「公安らしく、警察らしく」
鮫島 零一(ミナカミ)
「最期に、あの世への駄賃。残せたやろ」
鮫島 零一(ミナカミ)
「あぁ、ほんま最悪やった」
KP(ミナカミ)
パンッ
KP(ミナカミ)
銃声が訥々とこもった。

戸山公園地下

KP(ミナカミ)
地下壕へと入り、埃が籠った通路を進む中、佐々木は唐突に片腕を引っ張られた。
KP(ミナカミ)
あなたを掴んだのは霧島漣であった。彼は顔を伏せ、表情には暗い影が差している。
KP(ミナカミ)
黙す彼に問いかけようと口を開いた時。
KP(ミナカミ)
あなたの腕に、パラパラと何かが降りかかった。
霧島 漣(みちを)
「……ごめん、世良くん」
佐々木 世良(にゃご)
「……漣? 大丈夫?」顔色をうかがいたいですが…
KP(ミナカミ)
意図の知れぬ謝罪の言葉と同時に、硝子がひび割れる鮮明な音が響いた。
KP(ミナカミ)
首を上げた彼から滑り降りる様に、彼の顔が、塵と崩れ去るのだった。
霧島 漣(みちを)
「進まなきゃいけなかった……ここまできたんだから、みんなと」「…なのにごめん」
霧島 漣(みちを)
「……僕、ここまでみたいだ」
佐々木 世良(にゃご)
「漣…えっ、…え? 待ってよ…あとちょっとだから…」え???????
新藤 春樹(朱理)
「は…!?おい、漣!?」ちょっとちょっと!
霧島 漣(みちを)
かろうじて体を支えていた様子で、苦し気な笑みを浮かべてみせる。
ジョシュア・ピュー(蟹)
「あのさ、レンに黙ってたことあるんだ」
ジョシュア・ピュー(蟹)
「日記勝手に読んだ、それはごめん。でも生きるのを一度諦めたのを知った時、正直すごくムカついたし、許せなかった」もう会えなくなるから
霧島 漣(みちを)
ジョシュの顔を見る。
ジョシュア・ピュー(蟹)
「だけど、やっぱり、それよりも」
ジョシュア・ピュー(蟹)
「寂しいよ」壊れないよう手を握った けど崩れてしまうんでしょう
霧島 漣(みちを)
「……ごめんよ。……だから、ここまで。がんばってついてきたんだ」「……限界が来たんだと、思う。もう前に進む事も、やっとで」
佐々木 世良(にゃご)
「せっかく…また会えたのに…… 落ち着いたらいろいろ話したいこととか、あるんだよ…」うう~~~~
新藤 春樹(朱理)
「漣、あんまり動くな、そしたらさ。まだ崩れずに済むかもしれねーし」
新藤 春樹(朱理)
「オレ、医者だしちゃんと設備あったら、まだ間に合うかもしれないだろ。」
霧島 漣(みちを)
「……ありがとう。ほんと、かっこいいな……春樹くんは。でも時間が……ない」
霧島 漣(みちを)
「このままここで……みんなのこと、巻き込みたくない。……だからさ」
霧島 漣(みちを)
「……僕の思いつきを聞いてくれない、かな」
新藤 春樹(朱理)
「金雀枝…さんだっけ、あの人にも頼まれてんだよ。な?なんかさ、さっき声聞こえたし…」とか言おうとしてたら!なんだ!
ジョシュア・ピュー(蟹)
聞きましょう
佐々木 世良(にゃご)
「…思いつき?」ぐすん、とちょっと鼻をすすって、聞きます…
霧島 漣(みちを)
「……あの恐ろしい肉の塊は…きっとここにまで来てしまう。警察のひとが食い止めてくれたけど……きっともうすぐだ」
霧島 漣(みちを)
「……この場所まで潰れちゃったら、流石にみんな助からない」
霧島 漣(みちを)
「──僕は、この場所で。僕自身の細胞を”檻”から解き放つ」
霧島 漣(みちを)
「外からの力に、中から拮抗させれば、いいんだ。ここを支えるための柱になるよ」
霧島 漣(みちを)
「……大丈夫!みんなのとこにまで、”変わった僕”を絶対に行かせないよ。信じて」
ジョシュア・ピュー(蟹)
「それがレンのやりたいこと?」
佐々木 世良(にゃご)
「それ、は……」うううううう
敷島 左甚(ミナカミ)
「それは……」
敷島 左甚(ミナカミ)
「……それは、確かに可能だ。強靭な意志が必要だが、お前なら成せるだろう」
新藤 春樹(朱理)
「それ、お前…!あのおっさんがやったみたいなこと…ってことだよなぁ…!?そんなこと」
霧島 漣(みちを)
「……そうだよ」 ジョシュの言葉に強く頷いた。
霧島 漣(みちを)
「みんなを守りたい。それが、僕のやりたいことだから」
新藤 春樹(朱理)
「だ、だめだろ…おまえまで、そんな」
ジョシュア・ピュー(蟹)
「わかった。背中は任せる。負けるなよ、ヒーロー」拳をだします
佐々木 世良(にゃご)
「漣……、……、わかった。…ここは、任せるね……」きゅ、っと唇を噛んでからどうにか漣の方をまっすぐ見ます
新藤 春樹(朱理)
いや、いやでも…と、頭を抱える。
霧島 漣(みちを)
あっ……と気付いた様子で。「……ほんとだ。へへ……僕、なるんだな。ヒーローに」
霧島 漣(みちを)
ジョシュと同じように拳を出して、突き合わせた
ジョシュア・ピュー(蟹)
笑って抱きしめて、背中叩きます。がんばれ
霧島 漣(みちを)
応えて抱き返した。その力は、とても弱弱しいものでした。
新藤 春樹(朱理)
「お前…さ、強いよ。クソ…」なんでこうやって犠牲になるんだ!という憤りがちょっとあるよ。
霧島 漣(みちを)
「春樹くん。いいんだ……僕、ほんとはもう限界だった。ここまでもったのが不思議なくらいだった。僕がもし本当に強いなら、それは春樹くんがかっこよかったからなんだ」
霧島 漣(みちを)
「強く引っ張ってくれた。だから頑張れた。……ありがとう」
新藤 春樹(朱理)
「違う…おれは全然そういうのじゃ…」と、言いかけて。「わかったよ…わかった。うん。こっちも、ありがとう」と、行った。
霧島 漣(みちを)
「……そうだ、世良くん。言い忘れてたことがあってさ」
佐々木 世良(にゃご)
「…オレに?」なんだろう
霧島 漣(みちを)
「すごく似合ってる」 悪戯っぽくちょっと笑って。戦闘とかでぼろぼろだろうけどね
佐々木 世良(にゃご)
「……! …ありがと、…」ふふ、とちょっとだけわらった
佐々木 世良(にゃご)
「オレたちも、頑張ってくるから。…みんなで、ヒーローになるんだよ」と拳を合わせました
佐々木 世良(にゃご)
「それに…うん、…ありがとう。おかげで、どうにかなる気がしてきた」
霧島 漣(みちを)
タシッ……と、こちらも拳を。そして微笑んで、頷いた。
霧島 漣(みちを)
「それじゃあ……ね」
霧島 漣(みちを)
「敷島さん。みんなのこと、お願いします」
敷島 左甚(ミナカミ)
「……了解した。貴殿の武運を祈る」
新藤 春樹(朱理)
「ア”ァ…くそ!」ヤニはとっくに切れてるし、幼馴染は身を挺するし!せっかくあったのにもうバイバイかよ!
新藤 春樹(朱理)
と、いう気持ちがありましたね…。
KP(ミナカミ)
幼馴染達は先を行く。漣は、その場に立っていた。立っているのもやっとだった。
霧島 漣(みちを)
「……これでよかった。これで、みんなを守ることができる。……ヒーロー、か。カッコよく見えたかな、僕」
霧島 漣(みちを)
両手の指先を合わせ、意識を集中する。
霧島 漣(みちを)
「……嬉しかった。みんなが僕の事、忘れないでいてくれて。助けに来てくれて。だから今度は……僕の番だ」
霧島 漣(みちを)
「寂しくなんかない、悲しくもない」
霧島 漣(みちを)
「ずっと一人で耐えてきたから、何度も死んできたから」
霧島 漣(みちを)
ひとつひとつ、確かめるように口にした。
霧島 漣(みちを)
「みんなと最期に会えた。それだけで」
霧島 漣(みちを)
「――あれ……おかしい、な」
霧島 漣(みちを)
「一人には慣れてるはずだったのに。……ずっと死にたいって思ってたのに」
霧島 漣(みちを)
「もっと……一緒にいたかった」
霧島 漣(みちを)
「…」「死にたく、ないよ……」
霧島 漣(みちを)
「……」
霧島 漣(みちを)
「――"魂の監禁"解呪」
KP(ミナカミ)
――立ち入り禁止と促された部屋。その扉の前にあなた達は立っている。
敷島 左甚(ミナカミ)
「……門はこの向こうだ」
敷島 左甚(ミナカミ)
「不思議なものだ。悔しい思いはあるが、こうなるのが必然だったような気もする」
佐々木 世良(にゃご)
「……、うん」敷島さんの言葉に頷いて、春樹とジョシュの顔を見る
佐々木 世良(にゃご)
「…オレさ、…さっき…昔のこと、ちょっと思い出したんだけど」
佐々木 世良(にゃご)
「小さい時…オレを追いかけてきた大人の二人組…春樹とジョシュだった。………これからの、二人なのかも…」
KP(ミナカミ)
唐突に、鉄板が圧し曲がる衝撃が振動となって身体に伝播する。
KP(ミナカミ)
連続する鋭い打撃音の方角は、この通路の最奥。研究物保管室の扉からであった。
ジョシュア・ピュー(蟹)
「…………」通ってきた背後をみている
ジョシュア・ピュー(蟹)
「主よ、導き給え」密やかに祈った。漣が苦手で嫌いな強い人になってしまった悲しさと、命尽きるまで忘れられなくなってしまったな、とも思った。
KP(ミナカミ)
衝撃が響くたびに、扉は内側から大きく彎曲していくのだ。
KP(ミナカミ)
ついに扉は破られ、それらは数度転がりながら投げ出される。
KP(ミナカミ)
ここまで来て最後の弊害が目前に現われたという焦燥は、あなた達の眉間に深い皺を作るだろう。
新藤 春樹(朱理)
「え…?は?どういう…」
KP(ミナカミ)
それは、培養槽のガラスを破り、深緑の粘液を節々から滴らせる同級生達だ。
KP(ミナカミ)
覚束ない足取りで、据わらない首を何度も回し、赤く閃光する瞳を血走らせ見開いている。
KP(ミナカミ)
その数は尋常ではなかった。その全てが、あなた達を襲おうと敵意を滲ませるように歩み寄ってくる。
ジョシュア・ピュー(蟹)
「色々起こりすぎてるな」いや参ったし 流れがねえ
敷島 左甚(ミナカミ)
「まずい。早く中へ入れ!」
KP(ミナカミ)
敷島はあなた達に部屋へ入るように促す。
ジョシュア・ピュー(蟹)
「敷島さんも」とは言うけど
新藤 春樹(朱理)
部屋に入るよ!!
KP(ミナカミ)
あなた達が部屋に入った後、敷島も部屋に入る。
佐々木 世良(にゃご)
「…ッ、」急いで入ります
KP(ミナカミ)
立ち入り禁止の部屋へと入って、鼻が捻じ曲がる異臭など気にする暇もない。
KP(ミナカミ)
敷島は迅速に扉を閉め、そこらに打ち捨ててあった木片を立てかけて塞ぐ。
KP(ミナカミ)
扉を破るために外から幾度も強い衝撃が加わる。唸り声も相まって、一際の恐怖を駆り立てた。
敷島 左甚(ミナカミ)
「……ここは、私が食い止める」
敷島 左甚(ミナカミ)
「奴らが雪崩れ込んできては、貴様らも、迷宮へと至る門も襲われ、破壊されるだろう」
敷島 左甚(ミナカミ)
「決してそうはさせん。貴様らがここに戻ってくるための道は死守せねばならん」
ジョシュア・ピュー(蟹)
凄く嫌そうな顔をした
敷島 左甚(ミナカミ)
「私が最後の、貴様らの為の防波堤となる」
佐々木 世良(にゃご)
「…、たくさん助けてくれて、ありがとう……」ぐう…
新藤 春樹(朱理)
「敷島さんまで…」
敷島 左甚(ミナカミ)
「――と、勇ましく言えたならどれだけよかったろうか」
KP(ミナカミ)
瞬間、彼から硝子にひびが駆けるような音がした。
KP(ミナカミ)
彼はおもむろに、誇りであった日本刀の鞘の先を地面に打ち立て、杖のように身体を預けるのだ。
KP(ミナカミ)
パラパラと崩れ去っていく皮膚が、もはや彼の命が風前の灯である事を思わせた。
敷島 左甚(ミナカミ)
「力を使いすぎた。生憎、限界のようだ」
敷島 左甚(ミナカミ)
「あの門の先へ行くことは止めん。だが」
敷島 左甚(ミナカミ)
「酷な事を言う」
新藤 春樹(朱理)
「あんたも、一緒に行くんじゃ…」
佐々木 世良(にゃご)
「敷島さん…?」
敷島 左甚(ミナカミ)
「誰か一人で構わん。私と共に、奴らと戦ってはくれないか」
佐々木 世良(にゃご)
KPすみません、確認したいんですけど、オレが覚えてるのって【魂の監禁】と【アイホートとの接触】であって、監禁の解除の方はできないですよね?
KP(ミナカミ)
解除も可能です。
佐々木 世良(にゃご)
お、そっちもできる。わかりました、ありがとうございます。
ジョシュア・ピュー(蟹)
(KP長いことお待ちくださってありがとうございます。方針決まったのでRPで示しますね)
KP(ミナカミ)
はい。どうぞ。
佐々木 世良(にゃご)
「……、そっか。前回は、オレがここで残ったのかな」
ジョシュア・ピュー(蟹)
「なら私が残るよ」お留守番でもするみたいに、自然に
新藤 春樹(朱理)
「いや、え?残るって…前回⁉な、何が…」と…理解したくないんだけど、ちゃんと説明されたってことで理解するよ
佐々木 世良(にゃご)
「ジョシュ……、ごめん。お願いしてもいいかな」
ジョシュア・ピュー(蟹)
「うん、大丈夫。死んだりしないよ。任せて」
新藤 春樹(朱理)
「なんでそんな聞き分け良いんだよ…」うぅううっと頭ぐしゃぐしゃとかきむしる
佐々木 世良(にゃご)
「ありがと。…オレは春樹を引っ張って…今度こそ、救ってくる」
ジョシュア・ピュー(蟹)
「実は、俺さ」珍しく
ジョシュア・ピュー(蟹)
「絶対神とかくそくらえって思ってるから、そういうのが居たら、運命ごと二人でぶちのめしてきてくれよな!」
佐々木 世良(にゃご)
ぱちくり
佐々木 世良(にゃご)
「ふっは… うん、任せて! ジョシュの分も、殴ってくるから」
ジョシュア・ピュー(蟹)
「はは! セラの拳は効くだろうな」強くなったね
新藤 春樹(朱理)
「俺は…俺は神なんて信じてないし…」「神様いたら、こんなこと…しないだろ…」うぐうううっと悔しそうに唇噛みます!
新藤 春樹(朱理)
「知らねー!くっそ、なんだよ…漣も、お前も!」
ジョシュア・ピュー(蟹)
「ハルキのそういう、生きるのヘタクソなところが好きだよ。でも絶対死のうとはしないから、好きなんだよなあ」そういう人が好きです
敷島 左甚(ミナカミ)
「……そうか。お前が残ってくれるか」
KP(ミナカミ)
敷島は自身が羽織っていた外套を脱ぎ、新藤に被せる。
佐々木 世良(にゃご)
「…犠牲になるんじゃない。だから、オレたちは行かなきゃ」と春樹の手を取る
敷島 左甚(ミナカミ)
「羽織っておけ。気休め程度にはなるだろう」
新藤 春樹(朱理)
羽織らされたものを、力いっぱい握る。「全然サイズ合ってねぇよ、これ…」クソ…なんだよぉ
新藤 春樹(朱理)
「わかってんだよ、犠牲じゃないとか、でも誰か残る必要あるとかわかってんだよ。なんで選べるんだよ。」くそ~~~~
新藤 春樹(朱理)
世良の手を握る力がちょっと弱いです。ビビってるのでね。
ジョシュア・ピュー(蟹)
「だって二人が好きだし」信じてるし「あと敷島さんまで私が嫌いな生き方しそうだから、それは嫌なんだ。つまりワガママだ、すまん」
敷島 左甚(ミナカミ)
「嫌いな生き方」 ?
佐々木 世良(にゃご)
「こうなると、ジョシュは頑固だからなあ…」ふふ 「…うん、自分のためだけじゃないから、頑張れる」
ジョシュア・ピュー(蟹)
「多くのために自分を犠牲にする生き方。大事な人と、そのせいで離れ離れになったから」
ジョシュア・ピュー(蟹)
「だから今度は離れないでおきたい」昔はどうにもできなかったから
KP(ミナカミ)
扉を破ろうとする音はますます大きくなる。もう、時間がない。
敷島 左甚(ミナカミ)
「行け。ここは我々が守る」
ジョシュア・ピュー(蟹)
「ほら、セラ、ハルキ。早く行っておいで」
佐々木 世良(にゃご)
「…うん! 行ってきます…、ここは任せたよ!」春樹の手を強く握って、行きます!
新藤 春樹(朱理)
「~~~~!!! くっそ!!ぜぇったい!死ぬな!!」血が出るくらい歯を食いしばりつつ、行くよ
ジョシュア・ピュー(蟹)
「そっちこそ」行ってらっしゃい。祝福があらんことを
KP(ミナカミ)
あなた達二人は敷島とジョシュアに背中を託し、門の奥へと飛び込んでゆく。
KP(ミナカミ)
(このマスターシーンはジョシュアのみ参加可能です)
KP(ミナカミ)
ジョシュア。あなたは、この血生臭い死地へと残った。
敷島 左甚(ミナカミ)
「お前が残るのは、正直意外ではあった」
ジョシュア・ピュー(蟹)
「そうかな? ……そうかも」どうなんでしょう。自分でも解っていません
敷島 左甚(ミナカミ)
「厄介をかける。彼らと共に行く道もあったろう」 すまなかった、とこぼす。
ジョシュア・ピュー(蟹)
「なんで謝るんだ。そういうところが、私は嫌いなんだ」
ジョシュア・ピュー(蟹)
「……もっと頼ってほしかった」誰に言ってるのか
ジョシュア・ピュー(蟹)
「だから、残って欲しいと言ってくれたのは、嬉しかったよ」
敷島 左甚(ミナカミ)
ふ、と息をこぼした。 「そうか。ならば、遠慮なく頼らせてもらう」
敷島 左甚(ミナカミ)
「懐かしい。昔はよく、鬼大尉と呼ばれたものだ」
敷島 左甚(ミナカミ)
「……途中で音を上げてくれるなよ?」
ジョシュア・ピュー(蟹)
「音を上げても一緒にいるよ」そのように私の神(愛)が決めたので。
敷島 左甚(ミナカミ)
「さて、防衛戦だ。私の命も、お前の命も、彼奴らの命も、ここにかかっている」
敷島 左甚(ミナカミ)
「帝国陸軍の矜持を、日本男児としての底意地を見せつけてやろうではないか」
KP(ミナカミ)
ついに扉は破られ、なだれ込んできた同級生達と貴方達は相対した。
敷島 左甚(ミナカミ)
「いくぞ」
KP(ミナカミ)
あなたと敷島は、修羅へと駆け出していく。
KP(ミナカミ)
蘇った死者達を、葬り去っていく。悠久の戦いの中に身を投じても、最後まで貴方達は拳を、剣を、銃を奮う。
KP(ミナカミ)
背中に、守るべき、次へとつなぐべき友がいるから。
ジョシュア・ピュー(蟹)
死ぬのは怖い。とてもとても怖いし、生き返るのはもっと怖い。一人だったら、とうにおかしくなっていたでしょう。
ジョシュア・ピュー(蟹)
誰かを信じ信じられるのはいいことだな、と想いながらナイフを振るい続けました。

迷宮

KP(ミナカミ)
ぼーっと思考が霧散し、身体を支配する嫌な浮遊感が寒気を催した。
KP(ミナカミ)
その感覚が消えていき明瞭な視界を取り戻した時、理解したことは辺り一帯が黒々に埋め尽くされていることだ。
KP(ミナカミ)
まるで黒曜石が照りかえるような、岩々たる洞窟だ。
KP(ミナカミ)
不用意に歩き出せば、凹凸と薄暗闇に足がとらわれてしまいそうだ。
KP(ミナカミ)
先を眺めてみれば無数に分かれた道が続いており、迷路を彷彿とさせる。
KP(ミナカミ)
あの腐臭へばりつく死体置き場から、一体どの様な辺境に幽閉されてしまったのだろう。
KP(ミナカミ)
微かな音が聞こえる。
KP(ミナカミ)
それは寄せ集まった枯葉が風で擦れ合うカラカラと乾いた音であった。
KP(ミナカミ)
枝分かれした道の先からこの場へと迫ってくるような不穏な威圧感を覚え、あなた達は暗闇の奥を見るだろう。
KP(ミナカミ)
一面の黒色の洞窟は突拍子もなく白へと染まっていった。
KP(ミナカミ)
いや、正確には白色をした何かの群れが壁面を覆い隠すほど大量にこちらへと迫り来ている。
KP(ミナカミ)
それらのスピードはすさまじく、あなた達の足元を通り過ぎ、黒曜石の洞窟は瞬く間に、例えるなら石灰岩の如く変わっていった。
KP(ミナカミ)
その正体は白い蜘蛛の群れだった。
KP(ミナカミ)
あなた達の足から膝までを埋め尽くすほどの節足の虫どもなのだ。
KP(ミナカミ)
どんなに嫌悪感を覚えようが、蟻走感に駆られようが、波にさらわれるようにその場から飛びのくことはできなかった。
KP(ミナカミ)
それが序章に過ぎないという事も、あなた達は未だ理解してはいないのだ。
KP(ミナカミ)
どしん、と洞窟が震える。
KP(ミナカミ)
震えるごとに、足元の蜘蛛たちが宙へ飛び散っていく。
KP(ミナカミ)
強大な、それら虫けらなど意にも介さない超越的な存在が、やってくる事を、あなた達は直感してしまう。
佐々木 世良(にゃご)
「……、」迫りくる存在に耐えられるよう、春樹の手をしっかり握ってます
新藤 春樹(朱理)
「はぁ…はぁ…」と、ただ呼吸が浅くなって、変な汗が首筋に流れる。
KP(ミナカミ)
やがてその存在は洞窟の陰から姿を現し、辺り一体の子蜘蛛を踏みつぶしては、はみ出た七色の粘液を触手で啜り取る。
KP(ミナカミ)
あなた達の前へと歩み、巨大な影を落とすのであった。
KP(ミナカミ)
何十も皺の重なった肉肉しい肌。
KP(ミナカミ)
例に漏れず不気味なほど白に染まり、形成された楕円形の肉体から石膏作りの如き馬脚を幾数十本も表している。
KP(ミナカミ)
子蜘蛛が潰れるごとに、皺の間からは生えた鋭くしなる触手を翻して、何処に付いているかもわからない口へと運び、眷族を味わっているようであった。
KP(ミナカミ)
皮膚からやがてまだらに裂け目が出来上がる。
KP(ミナカミ)
いわばそれは瞼だ。身体中からボコボコと浮き上がるのは眼球の丸みであろう。
KP(ミナカミ)
全てが開かれたとき、いくつもの深血の如く色褪せた瞳が一斉にあなた達を捉えたのであった。
KP(ミナカミ)
そこには怯えを隠し切れないあなた自身が写り込んでいる。
KP(ミナカミ)
無理もない、あなた達が相対しているのは、この迷宮の主であるのだから。
KP(ミナカミ)
神格、アイホートとの邂逅である。
KP(ミナカミ)
★正気度喪失【0/1】
佐々木 世良(にゃご)
cc<=8 正気度 (1D100<=8) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 74 > 74 > 失敗
新藤 春樹(朱理)
cc<=42 正気度 (1D100<=42) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 57 > 57 > 失敗
system
[ 佐々木 世良(にゃご) ] 正気度:8 → 7
system
[ 新藤 春樹(朱理) ] 正気度:42 → 41
KP(ミナカミ)
正気度喪失により狂気の発作が発生する……が、
KP(ミナカミ)
その前に、アイホートがあなた達の身体を触手で撫でる。
KP(ミナカミ)
それだけで、あなた達の精神は狂わないで健常なままでいさせられる。
KP(ミナカミ)
狂気の発作は発生しない。
アイホート(ミナカミ)
「やぁ、愛おしい君達を待っていた」
アイホート(ミナカミ)
「今まで50回も、君達は肉体の内側で雛を細胞で増やし続け、あまつさえ世界ごと私の苗床へと変えてくれた。感謝している」
佐々木 世良(にゃご)
「……50回…」唖然
新藤 春樹(朱理)
「あ、頭変になりそう…」ウゥと口元と抑える。
アイホート(ミナカミ)
「そう。君達は、同じような『シナリオ』を、幾度も幾度も繰り返しているんだよ」
アイホート(ミナカミ)
「経験とは正気の盾だ。繰り返す世界で経験が積み重なる内、それは君達を守る既視感という盾へと変わった」
アイホート(ミナカミ)
「これまでの君達が、君達を助けていたのさ」
アイホート(ミナカミ)
「だからこそ、前回の世界の君達は、約180億年という長い長い時を耐え抜いた。『経験』としてある程度を受け止めれられたからね」
アイホート(ミナカミ)
「初めて、二週目の世界に足を踏み入れることができた。見送る時は正直ひやひやしたよ」
アイホート(ミナカミ)
「しかし、あと一歩のところで届かなかった。桐の箱を開けるのが、数分君達の方が早かったんだ」
佐々木 世良(にゃご)
「……ひゃくはちじゅう…え?」
新藤 春樹(朱理)
「な、何…」
KP(ミナカミ)
もしかしたら、お察しの方もいらっしゃるかもしれません。
KP(ミナカミ)
KPは最初、1つ嘘をつきました。
KP(ミナカミ)
DPとは「デベロッピングポイント」ではなく「デジャヴポイント」です。
KP(ミナカミ)
流転する世界で同様の事件に巻き込まれ続けた探索者達だからこそ、それまでに得たデジャヴ=経験値によって回避できる危機、達成できる好機が存在していました。
アイホート(ミナカミ)
「この話を切り出すのも51回目だ」
アイホート(ミナカミ)
「賭けをしよう」
佐々木 世良(にゃご)
「……賭け、…詳しく、聞かせて」
新藤 春樹(朱理)
「(かけ?賭け…?賭けの話をしてる?)」
アイホート(ミナカミ)
「君達がこの迷宮で180億年耐え、再構築された世界へと向かい、箱を見つけて仲間の元へ行かんとする佐々木世良を止める事ができるならば、次の世界で起こる悲劇は終わる。この繰り返しの終焉だ」
アイホート(ミナカミ)
「君達次第で運命は綻び、無限の可能性を見せるようになるだろう」
アイホート(ミナカミ)
「失敗はそれ即ち、メビウスの輪が完成することを意味する」
佐々木 世良(にゃご)
「メビウスの輪…永遠に繰り返す、ってことになるの…?」
アイホート(ミナカミ)
「そうなるね。君達は永遠に、180億年耐え、間に合わず、あるいは耐えきれず、次の世界でもこの惨劇を繰り返し続けることになる」
新藤 春樹(朱理)
「だから・・つまり、180億年…前の俺たちは…耐えて、で…失敗…そっか」
アイホート(ミナカミ)
「さて、どうする?」
佐々木 世良(にゃご)
「……、やるよ。……オレがやらかしたことなら、オレが止めなきゃ」うぐぐ
新藤 春樹(朱理)
「はは…そっか、いや、ある程度さ」
新藤 春樹(朱理)
「ある程度長生きすんだろうな~これから。とかさ、考えてたよ?うん…180億かぁ」
新藤 春樹(朱理)
「…やるよ。」
佐々木 世良(にゃご)
「…一人じゃないからね、大丈夫。…春樹、何だかんだ悪運は強いし。あやかろうかな」
新藤 春樹(朱理)
「はは、お前も、けっこー強がりうまいな」
アイホート(ミナカミ)
「そうか。わかった」
アイホート(ミナカミ)
「さぁ、小さな人間よ。誰にも知られぬまま、悠久を耐え抜き、流転世界に救いをもたらす」
アイホート(ミナカミ)
「『救世主』となれ」
KP(ミナカミ)
新藤、佐々木。
KP(ミナカミ)
あなた達は、「世界を救えるか」という最後のダイスロールを振ることとなる。
KP(ミナカミ)
このダイスは、2人とも成功しなければならない。
KP(ミナカミ)
目標値は、
鮫島の最期の協力があった(10%)+
霧島の最期の協力があった(10%)+
敷島の最期の協力あった(10%)+
=30%に加えて、
DPの残りのポイントで算出する。
KP(ミナカミ)
つまり、新藤は60、佐々木は63で判定を行うことになる。
KP(ミナカミ)
心の準備ができましたら、ダイスを振ってください。
佐々木 世良(にゃご)
「……、大丈夫。オレたちなら、この世界を救える。…ここまで力を貸してくれた、みんなの想いも預かってるんだから… 失敗するはずない」
新藤 春樹(朱理)
「お前さぁ、なんで落ち着いて話、できんの。ほんとにさ…」
新藤 春樹(朱理)
「なんでだよ、お前らみんなさ。なんか上手にさ、生きれんの?コツとかあんの?」
佐々木 世良(にゃご)
「みんなのことが大好きだし、…信じてるからね。…今ここに一緒に春樹がいてくれるの、すごく心強いよ」
新藤 春樹(朱理)
「畜生…俺だって、おれだってさぁ。一人でここに来なくてよかったとか思ってるよ、お前もいるし…」
佐々木 世良(にゃご)
「上手…かなあ? オレ、要領はあまり良くない方だと思うし、そういうのは春樹の方が得意そうだけど。でも、そうか… そういうことじゃないんだな」
佐々木 世良(にゃご)
「オレも怖いし、不安だよ。…でも、きっと春樹と一緒なら乗り越えられる。前回は二人が頑張ってくれたんだから、今度はオレも頑張らないと」
新藤 春樹(朱理)
違う違う、そういうことが言いたいわけじゃないんだって・・・とか何か言いつつさ。
新藤 春樹(朱理)
「前回とか、覚えてねーし。今は今だ。声―市、不安だし、にげてぇよ。」と言いつつ、手握る。
新藤 春樹(朱理)
「人生で一番ヤベェ賭けに乗っちまった」と、眉を下げて少しだけ笑います。
佐々木 世良(にゃご)
「ふふ…本当にね。人生一番の大勝負だよ。…オレたちみんなの力で、勝とうね」よし…がんばりますか…(腕まくり
新藤 春樹(朱理)
はい・・・・
KP(ミナカミ)
どうぞ。
佐々木 世良(にゃご)
cc<=63 絶対世界を救って見せる! (1D100<=63) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 80 > 80 > 失敗
新藤 春樹(朱理)
cc<=60 説得 (1D100<=60) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 92 > 92 > 失敗
KP(ミナカミ)
分かりました。
無間の時を、ただじっと耐え忍ぶ。
永い、ただひたすら永い時間が過ぎてゆく。
思考や概念の境界が曖昧になり、意識というものが無に溶け、暗闇にあらゆる感覚が霧散し、まさしく茫然自失と成果てる限界にまであなた達は達していた。

何故私は生きているのか?
何故私はここに有るのか?
私のするべきことはなんであったか?

忘却の彼方へと連れ去られそうになるたび、自問自答が自己と意識を引き戻す。
この繰り返しだった。

自分という原液が、海の様な膨大な時に希釈され続け、薄まっていく。
生きているように、死んでいる。
永久を不滅とした貴方達の、理不尽極まる拷問だ。

そんな冗長極まる、鋭峰(えいほう)よりも高い遥か雲を貫く時間の頂は、未だ遠かった。
これまでは意識が、まるでカメラレンズを緩めるようにぼやけて散逸するだけだった。
しかし、時折そこに混ざり始めた現象は、にわかにあなた達を諦観へと追いやろうとしている。

ブラックアウトだ。意識が、完全に途切れ始めているのだ。
居眠りや気絶、時間がすっ飛ばされた感覚だなんて、やわなものではない。

これはいわば自我の崩壊、中枢の欠落、認識の停止。
自分の座っているこの場所を中心に、周辺の景色が段々と遠ざかっていく。
遠く遠く、極小の点となったすべて。隣にいる幼馴染でさえ、今は那由多の彼方にさえ見つけられまい。
遠ざかった景色はやがて色を失い、代わり映えのない単一の暗闇へと帰される。
その光景は光がない。無限の時間に耐えかねた身体は、いよいよ空間をも放棄しようとし、ただただ黒い世界に、あなたを招待した。

今、わたしは確実に死んだ気がした。自分という意識は、身体の枠組を逸脱し、この黒い空間の海に完全に溶け落ちてしまった。強く結わえた縄糸はほつれ、ばらばらに漂っていくのだ。輪郭が失われる。波のように皮膚が揺れて、湾曲して、弛緩して、ほどけて、ひもとけ、のびて、うすく、きえて、嗚呼
アイホート(ミナカミ)
「……い、おーい君達?」
KP(ミナカミ)
そんな一声が結び目を作るように身体を硬直させた。硬直した肉体は感覚を作る。感覚は意識を作動させた。
KP(ミナカミ)
電磁が体中を駆け巡り、思わず叫ぶほどの驚愕としびれによって、あなたは覚醒を急に迎えるのだ。
アイホート(ミナカミ)
「おはよう、おざなりな救世主くん」
KP(ミナカミ)
些末な挨拶が、まるで死の間際に聞く死刑宣告のように重鈍な響きだった。
KP(ミナカミ)
なにか、なにかを忘れている。
KP(ミナカミ)
いやだ、いけない。
KP(ミナカミ)
これを確信してはいけない。
KP(ミナカミ)
そうすれば、深い絶望は、
KP(ミナカミ)
もう一生私達の側に
アイホート(ミナカミ)
「――淡い学生時代、平日の朝、まぶたを開けて、その瞬間、肌感覚で理解したときがあったろう?」
アイホート(ミナカミ)
「   遅刻だよ   」

???

KP(ミナカミ)
ぜぇ、ぜぇ、息を切らして逃げる。
KP(ミナカミ)
みんなと最後のお別れをして、あんなに楽しかった 思い出になった
KP(ミナカミ)
たしかにへんなことはあったけど
KP(ミナカミ)
怖い 怖い
KP(ミナカミ)
背後で、誰かの駆ける足音が聞こえた。
KP(ミナカミ)
その足音は、鬼気迫るものがあって、ないまぜになった感情に急かされて、
KP(ミナカミ)
必死に、必死に、縋り付くみたいに、脇目も振らず走っていた。
KP(ミナカミ)
その誰かは、ぼろ切れの様な布を羽織ったみすぼらしい大人二人だった。
KP(ミナカミ)
彼らはひたすらに恐ろしく、何故あなたを追っているのか、いかなる形相であるのか見当もつかない。
KP(ミナカミ)
でもきっと、今にも泣きじゃくりそうな、それとも全部を諦めたような、そんな表情だったのだろう。
KP(ミナカミ)
あなたは彼らに捕らえられた。
KP(ミナカミ)
幼いながら、死を目前に感じた。
KP(ミナカミ)
しかし
KP(ミナカミ)
彼らはぎちぃ、と痛いほどあなたの肩を掴んだだけで、殺すような真似はしでかさない。
KP(ミナカミ)
ただあなたの眼を覗き見て、絶望に歪んで、あるいは次の希望に笑ってるような、そんなひり上がった顔で
KP(ミナカミ)
一言あなたにこう告げた。
KP(ミナカミ)
「もう遅い」
KP(ミナカミ)
以降あなた達は、メビウスの輪のように崩壊と再構築を繰り返す世界を救い出すことはない。
KP(ミナカミ)
永久に囚われ、世界は新たな可能性を見出せず、
KP(ミナカミ)
積み重なる歴史は、不文律なれど全て同じであるのだった。
               Call of Cthulhu「救世主」
KP(ミナカミ)
……以上で、CoC「救世主」終了となります。お疲れ様でした。